小芝風花“瀬川”が“瀬以”となって登場、市原隼人“鳥山検校”の深過ぎる愛に視聴者注目＜べらぼう＞

横浜流星が主演を務める大河ドラマ「べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第11回「富本、仁義の馬面」が3月16日に放送された。蔦重(横浜)が吉原で行われる祭りのために奔走する中、鳥山検校(市原隼人)に会いに行くことになり、身請けされて、花魁の瀬川から名前が変わった瀬以(小芝風花)が登場した。(以下、ネタバレを含みます)

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数々の浮世絵師らを世に送り出した“江戸のメディア王”の波乱の生涯を描く

森下佳子が脚本を務める本作は、18世紀半ば、町民文化が花開き大都市へと発展した江戸を舞台に、“江戸のメディア王”にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描く痛快エンターテイメントドラマ。

蔦重はその人生の中で喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴を見い出し、また日本史上最大の謎のひとつといわれる“東洲斎写楽”を世に送り出すことになる。

蔦重の幼なじみの花魁・花の井(五代目瀬川)役で小芝風花、蔦重に影響を与える“希代の天才”平賀源内役で安田顕、幕府“新時代”を目指す権力者・田沼意次役で渡辺謙が出演。語りを綾瀬はるかが務める。

瀬川と蔦重が再会

吉原を盛り上げるため、祭りに浄瑠璃の人気太夫である馬面太夫こと富本豊志太夫／午之助(寛一郎)に出てもらいたいと考えた吉原の親父たち。馬面太夫に直接交渉するも断られた蔦重は、浄瑠璃の元締めである鳥山検校(市原隼人)に会いに行く展開になった。

鳥山検校といえば、瀬川を身請けした人物。女郎屋の大文字屋(伊藤淳史)と待ちながら緊張気味の蔦重が「よしときませんか？こんなの瀬川だって迷惑でしょう」と立ち上がろうとしたとき、瀬川が現われた。

「重三！」となじみの呼び方をして顔をほころばせる瀬川。その姿は、着物も髪型もすっかり変わっていて、“ご新造”と呼ばれる裕福な家の妻の雰囲気になっていた。

それでも蔦重、大文字屋という、なじみの2人との会話ははずみ、花魁言葉でも丁寧な言葉遣いでもなく、素の感じで朗らかな笑い声を上げた。

その声を聞いて、廊下を進む鳥山検校の歩みがふととまった。そして部屋に入ると「ずいぶん楽しそうだな、お瀬以」と声をかけた。

瀬川ではなく、瀬以という鳥山検校の“妻”であることを浮き立たせた。

鳥山検校「そなたの望むことはすべてかなえる」

瀬以が後押しするものの、蔦重たちの交渉を聞き入れてもらうことはできなかった。気を遣って早々に切り上げる蔦重を追おうとした瀬以だったが、鳥山検校がその手をつかみ、ひきとめた。「ずいぶんとそなたに優しい男だな」と鳥山検校。

瀬以は「重三は、女郎にはみなに優しいので」とごまかすが、鳥山検校は「脈が速い」と指摘。瀬以は「そりゃあ、だんなさまにこのように触れられては」と鳥山検校の手を自分のほほに持っていった。

鳥山検校は、視覚を失っているのと引き換えに他の感覚が優れている。聞き逃してしまいそうな小さな息づかい一つで感情を読み取ったりもするのだ。

その後、蔦重たちが交渉していた馬面太夫の名跡襲名を許可した鳥山検校。感謝する瀬以に「そなたの望むことはすべてかなえると決めた。私はそなたの夫だからな」と言うのだった。

SNSでは「重三の前では瀬以の声色が変わるのを敏感に察知してる」「静かな嫉妬」「ヒリヒリする」といった感想が上がっていた。

そんな中、3月17日にドラマ公式SNSに鳥山検校を演じる市原隼人のコメントが投稿された。「検校にとって瀬以は、生まれた意義を見いだしてくれるような存在。恋する瀬以のほかは眼中になく、蔦重のことは瀬以が気にかけている男くらいにしか感じてないんです」とのこと。

その深い愛に対し、「なるほど」「ヒヤヒヤするのは取り越し苦労だった」「ちょっと安心しました」という声の一方で、「それが一番こわいかも」と引き続き心配も寄せられた。

◆文＝ザテレビジョンドラマ部