藤原樹“吟”の深い言葉にドキッ「生きてるうちにちゃんと向き合うことって大事」＜あらばしり＞

2025.03.15 16:55

THE RAMPAGE from EXILE TRIBEの藤原樹が主演を務める「あらばしり」(毎週木曜深夜0:59-1:29、読売テレビ／Lemino・TVerほか※Huluはレンタル配信)の第10話が、3月13日に放送された。亡き祖父・金蔵(渡辺哲)の店を受け継いだ主人公・吟(藤原)が回を増すごとに頼もしくなっており、第10話でも吟の言葉に思わずドキッとした。 (以下、ネタバレが含まれます)

親方と弟子の思いに行き違いが起こる

「あらばしり」はライフワークとして日本酒の魅力を発信する橘ケンチ(EXILE/EXILE THE SECOND)と、俳優・脚本家・監督として活躍する平沼紀久が原案を手掛け、2020年12月から講談社「マガジンポケット」にて連載された日本酒の擬人化漫画(漫画：タクミユウ)をドラマ化。金蔵から酒店を継いだ吟と、酒蔵に眠っていた日本酒たちがイケメン勢ぞろいで擬人化して、客の心とおなかを満たしていくファンタジックな物語だ。

擬人化された6本の日本酒メンバーは、穏やかで優しく、真っすぐ芯がある「一歩己」(西山潤)、無骨でおとこ気があり、頼れる兄貴分キャラの「赤武」(市川知宏)、柔らかく優しい、人懐っこい天真らんまんな「加茂錦」(大倉空人)、大人の色気があり、知性あふれるおしゃべり好きな関西弁キャラ「篠峯」(吉田健悟)、ワイルドで熱く硬派な一匹おおかみタイプの「村祐」(青山凌大)、陽気でパリピなムードメーカーキャラ「屋守」(後藤拓磨)。

第10話では、金蔵の代からの店の常連客である工務店の親方・勝義(井上肇)と弟子の鉄矢(福山康平)が取っ組み合いのケンカになってしまい、吟や日本酒たちは一緒にけんかの理由を考える。そしてどうにか和解するよう鉄矢を諭すが、けんかの原因は親方の口の悪さだと誤解していた吟と路乃(木崎ゆりあ)に腹を立て、鉄矢は工務店も路乃との結婚もやめると言い出す。

鉄矢が「篠峯」に本音を打ち明ける

そんな鉄矢に「篠峯」が日本酒を勧め、自らの力で本音を引き出そうと試みる。すると、鉄矢が「実は…」とけんかになった本当の理由を打ち明ける。そして数日後、吟は勝義を店に招待し、金蔵のノートに記されていた勝義の好物でもてなすことに。

特別に取り寄せた「赤武」の純米大吟醸を飲んだ勝義は、鉄矢が一人前になったらこの酒を飲もうと約束していたと話す。そこで吟は、勝義の話していた「鉄矢には早く出て行ってもらいたい」という言葉に鉄矢が傷つき、自分を要らない存在だと思い込んでしまったと伝える。

驚いた勝義に吟は自分の祖父と母親の決裂を例に出し、親しい間柄でも向き合って言葉を交わさなければならない、「生きているうちにちゃんと向き合うことって大事なんですよ」と訴えた。

人間関係を見直すきっかけになりそうな吟のせりふ

今作ではずっと、少し傷ついたり問題を抱えてしまった客が、吟の店で日本酒とおいしいつまみを口にした瞬間から本音を言えるようになり、素直になれて変わっていく姿が描かれてきた。

良い酒とご飯で心を満たすと悩んでいる気分が少し晴れるのは、大人になって経験する人もいるだろう。本音を引き出す「篠峯」のような優しい力が感じられる酒と出会えるのは幸せなことだ。

吟の「生きているうちにちゃんと向き合うこと」がいかに大事かを問うせりふには、思わずドキッとさせられた人もいるのでは。うやむやにしている人間関係や、心残りのある出来事を見直すきっかけを与えるような深いせりふだった。

舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」ではアルバス・ポッター役

また、第9話と第10話に続けて出演した鉄矢役・福山の好演も光った。血気盛んだが情に厚い青年を自然体の演技で体現し、不器用な親方と弟子の関係性に説得力を持たせた。

福山は2013年春、ピアノの発表会で業界関係者の目にとまってスカウトされると、2015年公開の映画「予告犯」で俳優デビュー。その後も「HiGH＆LOW THE WORST」(2019年ほか)シリーズのジャム男役や、舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」(2022年ほか)では主人公ハリー・ポッターの息子であるアルバス・ポッターを演じるなど、着々と活躍の場を広げている。

1998年3月13日生まれで、第10話の放送日が27歳の誕生日だったこともあり、SNS上には「福山くん、27歳のお誕生日おめでとうございます」「誕生日おめでとう」「テレビでの演技が見られて良かった」「いつもと違う雰囲気の役でしたね！」などの声が並んでいた。

次回、第11話は3月20日(木)に放送される。突然、吟に蔵元の正田から一通の手紙が届く。正田の造る日本酒のプロデュースを引き受けた祖父の金蔵が、自分に何かあったら孫が引き継ぐと話していたのだ。吟は正田の蔵を訪れ、金蔵のノートを託される。そして金蔵の夢は自分の将来にも関わるものだと気付く。

※木崎ゆりあの「崎」は、タツサキが正式表記

◆文=ザテレビジョンドラマ部