日曜劇場「御上先生」で槙野恭介を演じる岡田将生

岡田将生が語る“盟友”松坂桃李との関係性「『桃李さんがいるから頑張れる』と感じる部分はどこかにある」<御上先生>

2025.03.09 18:00
日曜劇場「御上先生」で槙野恭介を演じる岡田将生

毎週日曜、TBS系にて放送中の日曜劇場「御上先生」(夜9:00-9:54)。本作において、松坂桃李演じる“官僚教師”御上孝の文部科学省の同期・槙野恭介を演じているのが岡田将生だ。槙野については「御上の敵なのか味方なのか」と視聴者の間でも話題となっている。今回、岡田にインタビューを敢行。自身の役どころや盟友・松坂桃李とのエピソードなど、さまざまな方面から語ってもらった。

「自分の感情と槙野としての感情や立ち振る舞いにうそがない」

――まず、今回のオファーがあった際の心境について教えてください。

僕がお話しを頂いた時には(松坂)桃李さんの主演が決まっていて。僕の世代の方で日曜劇場の主演を張るということが純粋に嬉しかったですし、桃李さんとはプライベートでも仲良くさせていただいているので、どこか支えられる部分があるのではないかと思いました。

僕自身、以前「小さな巨人」(2017年)というドラマで飯田(和孝)プロデューサーとお仕事をさせていただいていたので、飯田さんと再びお仕事をするのをすごく楽しみにしていました。先ほどもお話ししましたが、「今が何かを変えていく変革期である」という飯田さんの熱意がすごく感じられたことが大きかったです。

今は多種多様な連続ドラマがありますが、その中でも一線を画すような、新しい日曜劇場ができるというのは台本を読んでわかっていたので、そんな作品に出られることに興奮を覚えましたし、ありがたいなというのが率直な思いでした。

――本作の台本をお読みになった時の印象を教えてください。

このドラマのお話を頂いた時点で、台本がほぼそろっていたんです。それって連続ドラマのお仕事では結構まれでして。しかも、台本を読んでみるとどのキャラクターにも熱が潜んでいるのがすごく見える本だったんです。

今回このドラマを制作するにあたっての飯田プロデューサーの熱意というのは、企画書の時点でもそうですし、実際お話しをする中でもすごく感じました。

――本作で演じられている槙野という役柄について、監督やプロデューサーから「どう立ち回ってほしい」というオーダーはありましたか。

もちろんありましたけど、(クランクイン前に台本がそろっていて)最後までお話が分かっているので、心情であったり見え方であったり、その部分でうそがないようにお芝居を作っていこうというのはありました。

槙野に関してはいろんなやり方があったと思いますが、今のところ自分の感情と槙野としての感情や立ち振る舞いについて基本的にうそがなくやれているので、無理に「こういう人だ」と思わせるような動きをやることはしていないんです。それは当初から監督やプロデューサーとお話はしていたのですが、この選択に関しては現時点で違っていないのかなと思っています。

――槙野という役柄について、どういった点に気をつけながら演じていますか。松坂さん演じる御上との関係性なども踏まえて教えてください。

槙野は根本的に教育についてものすごく考えている役なので、そういうことに関しては何か「改革していく」という思いを常に自分の中に潜ませていて。なので、とても熱を帯びているキャラクターだと思いながら演じています。表面上に見えるものと内側に秘めたものって、どんな人でも違いがあると思うんですが、僕の中では(槙野の思いは)全部が繋がっています。

――今回は官僚という役柄立場になりますが、官僚を演じるにあたって役作りで何か参考にされたことはありましたか。

知り合いに官僚の方がいまして、その方から官僚の生活などをいろいろと聞いていたので、それを少し参考にさせていただきました。今回の槙野に関しては、特に“清潔感”というか、官僚たる立ち姿なども意識しています。

本作の松坂桃李は「“前に共演した松坂桃李”ではなくなっていた」

――御上先生を演じる松坂桃李さんと役についてお話しされたことはありましたか。

クランクインする前に1回プライベートでご飯を食べに行った時に、「どういう感じでやる?」という話は少しだけしました。現場でも話をしていますが、すごく密に話したという感じではなかったです。

――松坂さんとのシーンで特に印象的だった出来事や、大変だったシーンなどはありましたか。

桃李さんとはプライベートでも長くお付き合いさせてもらっているんですけど、1話冒頭の2人で絡むシーンで結構久しぶりに一緒にお芝居をしたんです。その時に、今回の御上という役だからこそなのかもしれないんですが、(役として)対峙した時にものすごく“圧”を感じたんです。

桃李さんがこのドラマにかける思いと、キャストやスタッフの皆さんのこのドラマに対する並々ならぬ思いが重なっていたこと、それがすごく印象的で。このドラマの大切な始まり(のシーン)だったので、僕にとっても、槙野という役にとっても、スタートラインとして自分の中で残っています。

――本作における御上と槙野の関係性も印象的ですが、松坂さんと岡田さんの関係性と重なる部分はありますか。

桃李さんに対しては(御上と槙野のように)同期という感覚ではないんですが、やっぱり同じ時期に同じ世代の方といろんな経験をして、それを共有してきたことで、年齢を重ねるたびに“戦友”というか、「彼がいるから頑張れる」と感じる部分はどこかにあるので、そういう部分では重なるのかなと思います。

――槙野の役柄について、飯田プロデューサーが以前「御上の親友でありライバルという難しい役で、“御上と心が通った人”として岡田さんに白羽の矢が立った」とお話しされていたのですが、長く交流のある間柄だからこそできる表現や、オフでの関係がお芝居に生きているなと感じる部分はありますか。

やっぱり「はじめまして」でお芝居をする方とでは出せない空気感はありますし、お互い心を許しながらも、削ってきたものを恥ずかしがらずに出せる相手だというのは、今回の同期という間柄を表現する上で生きているのかなと思っています。

あとは先ほども言ったように、いろんな現場でいろんなことを経験されてきたことで、「前に共演した松坂桃李」ではなくなっていて。それは現場で見ていても、お芝居で対峙していても感じました。すごくいい緊張感を与えてくれます。

桃李さんとは、自分が今まで経験してきたことであったり人間性であったりを芝居を通して会話できている感覚があるので、とてもよかったなと思います。

生徒役キャストは「我々が20代の頃よりも遥かに真摯に向き合っている」

――塚田役を演じる及川光博さんの印象や、撮影中のエピソードについて教えてください。

及川さんとは以前一緒にドラマをやらせていただいたこともあって。本当にお久しぶりだったんですけど、今回は(役柄的に)腹の底が見えないというのがお互いにあるので、2人で対峙するシーンに関しては絶妙な距離感で、空間をちゃんと使ってお芝居ができているなと感じます。

ピリピリまではいきませんが、2人の中に生まれている空間を大事にしながら撮影をしています。すごくお芝居の話をするわけではないんですけど、(及川さん自身も)底が見えない方なので(笑)、そこがお芝居にとってはいいなと思っています。

(そんな及川さんと対峙する中で)怖さのようなものもありますが、槙野自身が(塚田に対して)抱えている思いもあって。連続ドラマでは1話ごとにそれを少しずつ、計算しながら出していくこともできたりするので、そこは楽しみながらやっています。一つ一つの表情しかり動きしかり、及川さんと丁寧にお芝居を作っていけていると思います。

――先日吉岡里帆さんが、「『御上先生』は対話が多い現場」とお話しされていたのですが、岡田さんからご覧になった現場の雰囲気はいかがですか。

監督やスタッフの方とも「このシーンをどうしていこうか」というのは常に話しています。先日も撮影中に気づいたことがあって、監督と相談して「撮り方やお芝居を変更しよう」と提案したら、スタッフさんがフレキシブルに対応してくれました。

皆さんで考えながら作っている現場なので安心して現場に行けますし、いい緊張感でいいものを作っていくという空間はやっぱり自分にとってもすごく刺激的なので、とてもいい現場だなとすごく感じています。

――生徒役のキャストの皆さんからもそういったことを感じていますか。

生徒役の子たちとはそんなに絡んでいないので、現場の様子について僕からは言えないですが、待ち時間の様子を見ていても、彼らの今回にかける思いやお芝居が好きだという思いはものすごく伝わってきます。それはすでに放送されている回を見ていていてもそう感じますし、「きっとこれから第一線で活躍していく人たちなんだろうな」とまじまじ見ています。

――番組公式SNS等では(徳守役の八村倫太郎が所属する)WATWINGのポーズを披露されていたり、シーン以外では生徒役の皆さんとの交流もお有りなのかと思いますが、何かお話しされたことはありますか。

待ち時間の時にお話しする機会は何回かありました。桃李さんともよく話しているんですけど、我々が20代の頃よりも遥かに真摯に作品や役と向き合っている彼らは、やっぱりすごく輝いて見えるんです。

お話しをしている中でも、仕事の話であったり、どういう風に作品と向き合っているかって質問してくれたりして。待ち時間は自分の中で答えられる範囲のことを全て答えるくらい、いろんな話をしています。

特に印象的だったのは…窪塚愛流くんかな。愛流くんは目が離せないくらい人間性もかわいらしくて、とても魅力的でした。

――7話で櫻井海音さん演じる津吹が倒れ、彼の病状を知った槙野が病室の外で悲痛な表情を浮かべるシーンは、普段の仲間内に対する皮肉屋っぽい姿とは異なり槙野が初めて気持ちを表に出したように感じて印象的でした。このシーンの撮影はいかがでしたか。

やっぱり槙野も人間ですし、彼にとってのトラウマはずっと抱えていくものなので、それをどこでどのような形で出すかというのは、1話の台本を読んだときからずっと考えていました。

すごく短いシーンではあったんですが、素晴らしいタイミングで槙野というキャラクターの新たな一面をお見せできるので、自分でも印象的なものにしたいなと思っていましたし、それはうまくいったのではないかなと思っています。

「最後まで生徒たちを見届けてほしい」

――3月9日(日)放送の第8話は、3年2組が一致団結していく一方、槙野的には御上が文部科学省に返ってくるかもということで不穏な空気が漂う回でもあります。8話の印象や演じる上で心がけたことを教えてください。

(御上への)嫉妬に関しては、恐らく全くうそがないと思うんです。同僚や同期の中で誰よりも出世しようというのを、槙野という人物はものすごく考えていたんだろうと。今後の物語からすると、その嫉妬がどう見えるかによって展開が変わっていく大切なシーンだったので、そこも監督とお話ししながら演じていました。

槙野という役は、やり方によって見え方が本当に変わってしまう役で。逆に言うと、1話ごとにちょっと違った表情をしていても結構成り立つ役でもあるというか。なので、最初は「すごく難しい役をいただいたな」と思ってはいたんですが、今となってはいろいろ計算して、監督や共演者の皆さんとお話ししながら演じられています。

8話のそういったシーンが、9話や10話になった時にフックになってくると思ってはいたので、8話はとても大切な回だと思って臨んでいました。

――SNS上では、「槙野と御上は対立し合ってるけど実は仲がいいんじゃないか」とか、「何か作戦なんじゃないか」といった考察も見受けられます。現時点で今後の関係性について言えることがあれば教えてください。

なかなかうまく伝えられないんですけど、一つ言えるのは、官僚という仕事に就く人たちはそれぞれいろんな“野望”を持たれていると思うんです。その野望がプラスの方に働くかは人によって違うと思うんですけど、槙野と御上に関しては、すごく先を見据えている人たちなんだろうなというのはあるので、それは頭に入れておいていただけたら嬉しいです。

――最後に、本作を通じて視聴者の皆さんにどのようなメッセージを伝えたいかなどを含めて、終盤に向けての見どころを教えてください。

終盤の見どころは、僕の役に関して言うと最終話で槙野が抱えていたものが明らかになると思うので、1話からドラマを追い続けてくれていた方には響くのではないかなと思います。ただ、何より今回このドラマのメインはやっぱり生徒たちだと思うんです。

生徒役の皆さんのお芝居がとても良くて。この現場でこんなにも作品や役に対して真摯に向かっていく彼らの姿は、僕たち大人のキャストにも、スタッフの方々にもものすごく響いていると思うんです。なので、個人的には最後まで生徒たちを見届けてほしいという思いでいます。

あとはこのドラマのテーマである「教育改革」に関して、僕自身もすごく考えることがあって。だからこそ今この現場、このドラマで先に考えるきっかけをもらったという印象があります。

それは多分見てくださっている方々にも届いていると思うんですけど、最後まで考える力というのがとても大切なのではないかなと思っています。そういったことが最終話にすべて詰まっている気はします。

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