“幼馴染係”の女子が想いを寄せるのは、子どものような男子純粋無垢な笑顔に秘められた想いが「尊い…」と話題に【漫画】

2025.03.07 09:00

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、ガンガンJOKER(スクウェア・エニックス刊)2024年7月号に掲載された読み切り作品『おさななじみがかり』をピックアップ。同作は「ガンガンJOKER新人マンガ賞」において佳作を受賞したタイトルで、作者である漫画家の冬樹えるさんが2025年1月23日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、3000件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事では冬樹さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

“幼馴染係”と名付けられた女の子の本当の気持ち

体育の授業の後、みんなは着替えが終わって教室へ戻ろうとしている。しかし弥生は体育の授業中にケガをした丘野のようすを見に行くため、保健室に行くという。それを聞いたクラスメイトは、「出た幼馴染係」と慣れた光景に言葉をこぼす。

丘野はよく転んで怪我をしたり、ぼーっとしていることが多い男子。そんな丘野の面倒を幼馴染である弥生が見ることが多いため、“幼馴染係”と呼ばれている。だが弥生が丘野くんの面倒を見るのは、幼馴染だからというだけではないようだ。

一方、天真爛漫で子どもっぽい丘野。弥生の気持ちも知らずに「俺のこといつも気にしてくれるから好きー」なんて言葉を口にする。そんな言動に振り回される弥生だが、子どもっぽい丘野に気持ちを伝えるのはもう少し先になるだろうと考えていた。だがある日、2人の関係をからかった保健室の先生は意外な光景を目にして…。

この漫画を最後まで読んだ人たちからは、「保健の先生のキャラ好き…」「見守りたい…」「ひゅー」「続きとっても気になる…」「尊い…」「あぁもうじれったい…！」など反響の声が多数寄せられている。

空気感が伝わるように描かれる冬樹さんの作品

――『おさななじみがかり』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

この作品はもともと、ガンガンJOKERの新人マンガ賞への投稿作品でした。漫画を描き始めたきっかけは、それまで趣味で作っていた映像作品に比べると完成までの道のりが近いように見えて、物語を作りやすいと考えたからです。話の中では、以前から言葉や態度に出さない秘め事をテーマに作品を作ってみたかったこともあり、それぞれ表裏を抱えたキャラクターふたりを主人公に据えました。

――本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあればお教えください。

男の子、丘野くんのキャラクターです。もともとはただ腹黒いだけの子だったのですが、担当さんと相談しつつ、最終的には表裏のバランスがかなり綺麗にとれた状態まで持って行けたように思います。読み進めていくほどに印象ががらっと変わると思うので、ぜひ注目して読んでいただけたら嬉しいです。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

6ページ1コマ目の丘野くんが保健室で寝ているシーンがお気に入りです。無防備な寝顔を描くのが以前から好きなこともあって、描く手に力が入りました。

――作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか？

空気感が伝わるように、時間帯や光の落とし方、モノの素材感にはなるべく気を使っています。漫画だと色が乗らないぶん制約が大きいですが、その代わりに細かい線を一本一本描いてハッチングをかけることで、描写のパターンを増やしました。手数が必要なため時間はかかってしまうのですが、空気感を出しやすいだけでなく温かみも出るので、泥臭く描き込むことを心がけました。

――今後の展望や目標をお教えください。

恋愛ものに限らず、様々なジャンルの作品に挑戦してみたいです！漫画を作る経験が浅く、ネームも絵も勉強することだらけなので、食わず嫌いせずにこつこつ制作を続けていけたらと考えています。いつか機会に恵まれたらもっと尖った作品も作ってみたいですね。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！

記憶に残る作品を作れるように一生懸命漫画を描き続けていく所存ですので、もしまた見かけたらぜひ読んでくださるととても嬉しいです！