小日向文世・高橋海人ら、山田洋次氏からの駄目出しに面食らうもめげずに真向かう「かなりショックを受けた(笑)」＜わが家は楽し＞

3月13日(木)に放送される「山田洋次×石井ふく子 ドラマ特別企画『わが家は楽し』」(夜9:00-10:54、TBS系)の制作発表会見が3月5日(水)にTBSにて行われ、主演の小日向文世、共演の戸田恵子、高橋海人、山田杏奈、プロデューサーの石井ふく子氏が登壇。作品への思いや、撮影中の出来事を語った。

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「夫婦とは何か」「家族とは何か」を現代に問い掛ける珠玉のホームドラマ

同作は、長年“家族”をテーマに数々の名作を撮り続けた映画界の巨匠・山田洋次氏とホームドラマのレジェンド・石井氏が約7年ぶりにタッグを組み、現代の家族、夫婦の絆を、笑いと涙と哀愁をもって描く珠玉のホームドラマ。ほか、桜井ユキ、えなりかずきらが出演する。

夫婦間の離婚問題が家族全員の心を揺さぶっていくストーリーで、関わる全員が、それぞれの立場で「家族とは何か」「夫婦とは何か」を考え、家族の絆を見つめ直していく。

石井ふく子氏「強引に口説いていこうと思った」

会見冒頭、小日向は「石井ふく子さん、そして山田洋次さんがタッグを組んだ新作のホームドラマに声を掛けていただき、本当に光栄の一言です。見てくださった方々の心の中に残る作品になるようにと願っております」とあいさつ。

戸田は「ホームドラマに割と縁のない私なので、一家の主婦という役は本当に珍しく、ちゃんと演じるのはもしかしたら初めてかもしれない。夫を演じられた小日向さんとは本当に古くからの仲良しで、いつもそばにいてくれて、頼りない私を助けていただいて、撮影中は助かっておりました」と明かした。

高橋は「作品に入る前に、石井先生と山田先生の作品を参考にいろいろ見させていただいたんですけど、日本の映像作品の歴史をすごく感じて、こういう作品に自分が出るんだと思って、気を引き締めて現場に臨んでいました」とコメント。

山田も「映像界を切り開いてきた石井さん、山田さんというお二人の作品に出られてすごく光栄です」と語った。

石井氏と山田氏のコンビは、TBS作品においては、1966年から21作品を世に放ってきた。石井氏は山田氏について、「山田さんとは随分古いお付き合いで。山田さんは映画ばかりでほとんどテレビのお仕事をなさらないんですけど、山田さんなら家族の心を描いていただけるんじゃないかと。断られたらどうしようか、でも強引に口説いていこうと思いまして。それで山田さんにお話ししたら、『強引に口説かなくても、あんたがやるならやるよ』と言ってくださいました」と語り、固い絆があることを明かした。

小日向文世も動揺しまくり「かなりショックを受けたんですよ(笑)」

石井氏とともに山田氏も本読みに参加していたといい、小日向は「多分皆さんびっくりしたと思うんですけど、本読みから駄目出しされまして(笑)。その1発目が僕だったんですけど、『君、違うんだよそれ。それはどういうつもりで言ってるのか？』ということを、がーっと皆さんの前で言われまして、かなりショックを受けたんですよ(笑)」と告白。

そして、「うわ～恥ずかしい。主演をやらせてもらうのに、こんなにみんなの前で駄目出しを食らってる自分…って。ところがその後、次から次へと、皆さんが駄目出しを食らいまして(笑)。とにかく山田さんのエネルギーがすごかったです」と衝撃エピソードを明かした。

高橋も「自分が思っていたものと、山田先生が想像されていた若者像というもののチューニングがすごく難しくて。自分の若者像の幅がこれぐらい(手のひら分)のゲージだとしたら、山田先生は地面から天井ぐらいの振り幅を求められていて。それをどうやって乗りこなしていこうかというので、結構悪戦苦闘だったんですけど、小日向さんだったり家族の皆さんがすごく自分を面白く扱ってくださったので、波に乗ってからはすごく楽しくできました」と振り返った。

それを聞いた小日向は、「現場でも海人くんはいつも山田さんに駄目出しをされていて(笑)。山田さんのねちっこさというか、ずっと諦めずにいる山田さんに対して、ずっと答えていて、『それでも違うんだよ、君。違うんだ、君』って。その会話がものすごく面白くて、僕は和ませていただきました」と笑った。

高橋は恥ずかしそうにしつつも、「いや、そうなんですよ。本読みのタイミングで、一つ一つのセリフに駄目出しをいただいて。多分、自分が持っていったもの全てだったと思うんですけど…。なるほど、これは全然違うなと。でも、そのくじかれた心が、どうにか山田さんを認めさせたいという気持ちに変わって。何を言われても立ち向かっていく姿勢というのは、自分の中でもこれからに生かされるなと思いました」と、一皮むけた様子。

一方、サッカーのシーンに挑戦した山田は「サッカー経験はないんですけど、とりあえず練習を頑張ろうと思っていたら、台本に変更があって、“華麗にドリブルをして～”、“足さばきが～”みたいな、サッカーが上手だという描写が3行ぐらいに増えていて。ボールとお友達にはまだなれていないんですけど、遠い親戚ぐらいにはなれたかなというところまでいきました」と苦労があったことを明かした。

最後に石井氏が「今現在、非常にいろいろな問題が起きているじゃありませんか。家族ってお互いに黙っていても心が通じるものなのかなと思ったら、通じないということが分かったんです。ですから、このドラマを見て、やっぱりお互いが心と心を寄せ合って家族になっていくんだなという気がして、私はすごく大切な宝物をいただいたみたいでした。皆さんともご一緒して、宝物をいっぱい頂戴いたしました。本当にありがとうございました」と語り、会見は終了した。

「山田洋次×石井ふく子 ドラマ特別企画『わが家は楽し』」あらすじ

仕事一筋だった平山幸之助(小日向)は、長年勤めた会社を定年退職。妻の史枝(戸田)とともに穏やかな余生を送ることを楽しみにしていた。しかし、専業主婦である史枝には、実は「ブックカフェを開業したい」という密かな夢があった。

史枝は、幸之助の退職金を使ってカフェを始めたいと考えていたが、幸之助はこれに猛反対。史枝は何とか幸之助を説得しようと試みるも、まったく聞く耳を持たない。これがきっかけで家族を巻き込む離婚問題にまで発展してしまう。

この事態に、同居する長男で大学生の和夫(高橋)は、自分の将来について悩みながらも、両親の離婚話にどう関わるべきか戸惑い、彼女の吉岡美鈴(山田)にも相談する。だが、そんな美鈴には和夫の知らない過去があった。

また、長女で税理士をしている濱口遥(桜井)は、結婚して実家を離れているが、この騒動に心を痛め、夫の雄太(えなり)と共に両親の関係を修復させるべく働きかける。そして、家族が幸之助と史枝の行く末を心配する中、予期せぬ出来事が発生する。

※高橋海人の「高」は正しくは「はしご高」