武藤潤“一顕”が伊藤あさひ“整”を思いやる誠実な優しさに感涙＜ふったらどしゃぶり最終回＞

2025.02.26 20:03

伊藤あさひと武藤潤(原因は自分にある。)がＷ主演を務めるドラマ特区「ふったらどしゃぶり」(毎週木曜深夜0:59-1:29ほか、MBSほか)の最終話が2月20日に放送された。一顕(武藤)の整(伊藤)を思いやる優しさが描かれ、胸が熱くなって涙があふれた。(以下、作品のネタバレを含みます)

“セックスレス”に悩む不器用な大人のラブストーリー

同作は、「ツミデミック」で第171回直木三十五賞受賞した一穂ミチのBL代表作「ふったらどしゃぶり When it rains, it pours」の実写ドラマ化。WEB小説マガジン「fleur(フルール)」(KADOKAWA)で連載され、2013年にフルール文庫版が発刊、2018年に新書館ディアプラス文庫として新装版が発売された、“セックスレス”に悩む不器用な大人のラブストーリーを描いている。

タワーマンションで同居する幼なじみへの恋心に思い悩む、家電メーカー「伊坂堂」総務部の半井整(なからい・せい)役には、伊藤が配役。彼女とのセックスレスに悩む、整と同じ会社の営業部に勤務する萩原一顕(はぎわら・かずあき)役を、武藤が演じる。その他、一顕の同棲中の彼女でネイリストの水谷かおり(みずたに・かおり)役の秋田汐梨、整の幼なじみであり同居相手の藤澤和章(ふじさわ・かずあき)役の松本大輝らがドラマを盛り上げる。

また、オープニング主題歌は、本作のために書き下ろされたONE LOVE ONE HEARTの「ビターネクター」に決定。エンディング主題歌は、わんちゃんわんわんねこにゃんにゃんによる書き下ろし楽曲「明けない夜」。切ない思いを歌う両曲が本編に彩りを加える。

彼女とのセックスレスに悩む一顕と同居中の幼なじみとのかなわぬ恋に悩む整

家電メーカーの営業部で働く萩原一顕は、同棲中の彼女・水谷かおりとのセックスレスに悩んでいた。ある日、会社で同期会の幹事を任され、店の候補を自分宛にメールしたつもりが、誤って“誰か”に送ってしまう。

届いた先は、実は一顕と同じ会社の総務部で働く同期の半井整で、彼もまた、同居中の幼なじみ・藤澤和章とのかなわぬ恋に悩んでいた。まさか連絡を取っている相手が同僚だと思いもしない2人は、メールを送り合い、やがてぶっちゃけた話をする関係に。そして、ひょんなことからお互いがメール相手だと知る。

かおりから拒絶された夜、一顕は整に連絡をして2人は初めて体を重ねる。一顕はかおりと別れるが、「もう2人になるのはやめよう」と整から告げられた以来、会社で整とは顔を合わせなくなっていた。一方、和章は家に帰ってこず、整は一顕への気持ちは寂しさからくる一時の気の迷いだったと思い込む。

一顕がスマホをいじりながら佇んでいると、整の同級生の平岩(見津賢)が通りかかり、一顕は声をかける。

整「あいつ優しいから。きっと俺のこと考えて」

焼肉屋で平岩と整はひさしぶりにゆっくりと会う。「会ったところで別に話すこともないんだけどな」と平岩が軽口を叩き、整は「じゃ、なんで来たんだよ」と言いつつ乾杯する。

整が肉を焼こうとすると、平岩は塩から焼かないとダメだと注意する。整はそれを聞くと笑って「同じこと言ったやつ居たなと思って」と笑う。

平岩がこの間会ったときに不満そうな顔をしていたかと聞き、整が「別に」と答えると、平岩は一顕と会ったときに偶然を装っていたが、実は自分のことを待っていたのではないかと言う。「半井さん、ほんとは連絡したいんだと思いますって言うから、名刺渡して…。半信半疑だったけどまたこうしてお前と会えたし、感謝してんのよ」と平岩が言うと、「あいつ優しいから。きっと俺のこと考えて」と整。

整は平岩と別れてからも、一顕の優しさを噛みしめるのだった。

もともと人当たりが良い一顕だが、きちんと思いやりを持って誠実に整に優しさを向ける一顕のことを思うと胸が熱くなって涙があふれた。

◆構成・文＝牧島史佳