「秘密~THE TOP SECRET~」場面写真

<秘密>原作・清水玲子氏&脚本・佐藤嗣麻子氏、ドラマ版での変化点やキャストの印象を明かす「中島(裕翔)くんファンになりそう」

2025.02.25 07:00
「秘密~THE TOP SECRET~」場面写真

板垣李光人とHey! Say! JUMP・中島裕翔がW主演を務めるドラマ「秘密~THE TOP SECRET~」(毎週月曜夜10:00-10:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)が放送中。本作を手掛ける原作者・清水玲子氏と、脚本家・佐藤嗣麻子氏が、2月中旬に千葉県内にある“第九”捜査室のセットを訪問した後に対談を行った。ドラマ公式Xで集まった質問を元に、ドラマ化実現の経緯や板垣や中島の印象について語った。

記憶を映像化する「MRI捜査」を行う物語

本作は、清水氏による同名漫画を原作に、科学警察研究所の法医第九研究室、通称“第九”を舞台に、死者の生前記憶を映像で再現できる特殊なMRI技術を用いて、室長の薪剛(まきつよし)と、新米捜査員の青木一行(あおきいっこう)のバディが、解決不可能とされていた事件の真相を解き明かしていくヒューマンサスペンス。板垣が薪剛役を、中島が青木一行役と、かつての第九メンバーで薪の親友以上の存在だった鈴木克洋役の一人二役を演じる。そして、二人の大学時代からの友人で、亡くなった鈴木の婚約者でもある解剖医・三好雪子(みよしゆきこ)を門脇麦が演じる。

撮影現場見学はキャストが「楽しそう」な印象

――撮影現場の見学を終えられたばかりですが、雰囲気はいかがでしたか?

清水:ドラマの内容はピリピリしているものが多いんですけど、現場は皆さん和気あいあいとしていて楽しそうですね。

――セットをご覧になった感想は?

清水:(セットは)クラシカルな作り込みがおもしろいなと。ちょっと昭和初期のような。

佐藤:そうそう、昭和の感じ。あれは、セットデザイナーさんが「昔の秘密基地っぽい感じにしたい」と言って。MRI映像を遡って再生するときにキュルキュルってくるくる回すのはいいですよね。

清水:そう!「あ、漫画の感じを活かしている」と思った。

――清水先生と佐藤さんの出会いについて教えて下さい。

清水:(佐藤さんが)萩尾望都先生のCD-ROM作品集の監督をされてらっしゃったんですよね。それでインタビューに来てくださって。

佐藤:そこで知り合いになって、その後も舞台を萩尾先生と一緒に観に行ったり。あと、よく漫画家さんのパーティーに呼ばれて出入りしていたので、しょっちゅうお会いしていましたね。

清水:基本、少女漫画脳の方だから(笑)。その上に映像が乗っかっているみたいな人なんですよ。

佐藤:そう、基本が少女漫画(笑)。元々、萩尾先生の作品を勉強して、ページ数とコマ割りを見て起承転結を覚えたんですよ。だから脚本を書くにしても萩尾先生の漫画がベースになっていますね。

話の選定基準は「4人の関係が変わるエピソード」

――「秘密」の映像化は何度か企画が立ちあがったというお言葉がありましたが、どのような経緯を経て今回実現したのでしょうか?

佐藤:長いお話なので、私はやっぱり連ドラがいいと思っていたんですが、なかなか引き受けてもらいづらかったというか、内容が激しいので(笑)。

清水:そうですよね。そこは読者の方々も心配していたところだと思います、「地上波で大丈夫なの?」って。漫画のほうはかなりグロいので(笑)。

佐藤:漫画はそのグロさが美しい画でオブラートに包まれているんですが、ドラマだとどうしてもそこがリアルになってしまう。でも本当はそれをやりたかった、デヴィッド・フィンチャー監督の「セブン」みたいな感じで。

清水:あはははは。そういう意味では、映像の怖さではなくて、“人間関係”が見どころのドラマになっていますよね。

佐藤:そう。やっぱり4人(薪・鈴木・青木・雪子)の人間関係がどう変わっていくかという話を作りたくて。Xで募集した質問の中にも「どうやってエピソードを選定していますか?」とありましたけど、4人の関係が変わるエピソードを選んでいます。あと、「どうして(露口)絹子の事件が1話目だったのか?」という質問もありましたが、それは、4人の関係が変わる話じゃないんですけど、もったいないから絶対やりたいと(笑)。大好きなエピソードだったので。

清水:分かります。私も絹子のエピソードは、「秘密」最初の12巻の中ではかなり好きなほうです。

ドラマで生きている鈴木を見て、読み切り作品を描くことに

――清水先生に伺います。ドラマをご覧になった感想はいかがでしょうか?

清水:もう感無量ですね。生きている鈴木を自分でもあまり描いたことがないので、1話目でがっつり生きている鈴木を見ることができて、「あー鈴木をもうちょっと描けばよかったな」と思っちゃいました。なので、それを読切作品として描きました。鈴木をちょっと回想するお話です。

――それが『メロディ4月号(2/28売)』に掲載される特別編ですね。鈴木が1話目から出てきたことについてどう思われましたか?

清水:すごくサディスティックですよね(笑)。漫画では最初から死んだものとして描いていますけど、ドラマでは、あんなに優しくて頼っていた鈴木がいなくなっちゃうんですから。

――鈴木を1話目から登場させるというのは、どのような意図をお持ちだったのでしょうか?

佐藤:映像作品だと、フラッシュで出てくる過去回想はどうしても弱いんです。「これなんなの?」って思っているうちに終わっちゃって感情移入ができない。やっぱり視聴者の方には、薪と同時に貝沼に会って欲しいし、鈴木に会って欲しいし。で、鈴木に死んで欲しいし、貝沼に死んで欲しい。その薪の気持ちをきちんと視聴者が追体験してから青木に会って欲しかったんです。そうじゃないと、薪がなぜあんなに悩んでいるのか、なぜすぐに気絶しちゃうか、一緒に体験しないと分からないと思うんですよね。

――そういった原作からの変更は、どのような話し合いの元に進めていかれたのでしょうか?

佐藤:元々最初に作った構成を清水さんに「いかがですか」って感じで見せていたんです。

清水:なので、貝沼の設定が違うということは当初から知っていました。

佐藤:その後も、違うかなと感じる部分はお互いに話をしてきました。清水さんから「いや、ちょっとこれは」って言われたら直して、こちらから「ここはこうしたい」ってご相談したり。

清水:うんうん。

鈴木&青木役は「絶対同じ人がやるべき」

――薪役・板垣李光人さんの印象を教えていただけますでしょうか?

清水:回を重ねるごとにどんどん本当に薪みたいになってきて。寝ているだけでも薪みたい(笑)。「silent」も見ていましたし板垣くんを知ってはいたんですけど、もう「silent」の顔と違うんですよ。顔そのものは変わってないのに、こんなに変わっちゃうんだって感じですね。驚きました。

――鈴木克洋・青木一行の一人二役の中島裕翔さんについての印象はいかがでしょうか?

清水:素晴らしいです。中島くんファンになりそう(笑)。演じ分けも見事ですね。止まった映像でも青木と鈴木だと顔つきが違うかなと。声の出し方も違う。相当気持ちから持っていって変えているんだろうなと思います。

――視聴者からの質問にもありましたが、なぜ「一人二役」にされたのでしょうか?

佐藤:それしかないというか、別人だと視聴者の方が見ても「あ、同じ」って思わないじゃないですか。同じ人が髪型や雰囲気を全部変えてやるからこそ「似ている」となるのであって、絶対同じ人がやるべきってもう最初から私は思っていました。

清水:そうなんです。でも期せずして、“中島くんの一人二役演じ分け”っていうところも見どころになった感じですね。

貝沼の人物像が原作から変わった理由

――貝沼の人物像が原作からガラッと変わりました。佐藤さんはどのようにこの設定を思いつかれたのでしょうか?

佐藤:いやもう、薪をもっと苦しめようと(笑)

清水:あははははは。だから薪は信頼している人に裏切られ続けちゃう(笑)

佐藤:あと、貝沼には鈴木とも関係していて欲しかったんです。原作は薪と貝沼の関係だけなんですが、鈴木もそれを知っていて欲しいし、その関係に加わっていて欲しかったんです。それと、MRIがすごく複雑で説明が大変なので、誰かそのエキスパートが説明してくれたほうが楽だな、というところから貝沼が教授になりました。

清水:そう、描いているときも思ったんですよ、ホームレスのような貝沼がどうやって少年院のセラピーに行ったのか。そこは確かに脳科学の教授だったらできますよね。

佐藤:催眠も脳科学の教授ならかけやすいだろうと。

清水:しかも、貝沼が鈴木をターゲットに決めた理由が、“薪が鈴木に視線を送っていたから”、それでロックオンって。恐ろしいですよね。鈴木くんに見せて狂わせてやろうって感じがもう。最初から催眠術のためにお香焚いていたもんね。

佐藤:そうそう、そうなの。

清水:それもサディスティック(笑)

佐藤:余計に薪が苦しむ(笑)。当たり前だけど、ドラマだと漫画より表現がマイルドになっているでしょ。だからそこは心理戦で攻めていかないとな、と。

――國村隼さん演じる貝沼清孝の印象はいかがでしょうか?

清水:怖いですねえ。それこそアンソニー・ホプキンスみたいな怖さが。立っているだけで怖いっていうのはなかなか出せないですよね。実は國村さんがキャスティングの第一希望だったのでうれしいです。國村さんは本当に声がよくて、鏡を見てしゃべっているだけなのに、どうしてこんなに怖いんだろうって。だから、貝沼の映像を見た薪がフッて倒れるのも、確かにそうなるよなって思います。本当に怖い。

――原作ファンの方や周囲の反応についてどうお感じになっていますか。

清水:いろいろな感想を拝見しましたが、「とにかく3話まで見てくれ」と思っていました。でも、「よくぞこのキャスティングにしてくれた」って方が多いですよね。

佐藤:そうですね。原作物のドラマをやると必ずこっち側からあっち側までいろいろな意見をいただきますが、今回キャスティングにしてもストーリーにしても肯定的に受け止めてもらっているなと感じています。私は清水さんの大ファンですし、「秘密」も大好きだから、ファンが怒っちゃうとほんとに悲しいので、そうならなくてよかったなと思っています。

――最後にドラマの見どころ、そしてこの対談をご覧になっている方々へのメッセージをお願いします。

佐藤:テーマとしては“罪と赦(ゆる)し”、そして、“死と再生”の話になっています。そこに向かっていくので、辛いお話は続きますが、最後は救われると思いますから、ぜひ最後まで見てください。

清水:鈴木の面影を見て、薪がだんだん青木とのバディ感を強めていくという関係もぜひ見てほしいですね。この先、青木が大変な目に遭っちゃうので、中島くんがんばって(笑)。

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