霊感を持つ少年と“狐の花嫁”が出会うドタバタストーリーに「王道展開で楽しみ」「狐の花嫁かわいすぎる」の声【作者インタビュー】

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『僕の日常はきつねの嫁入りから変わって行く』を紹介する。作者のKEMORIBONさんが、1月17日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、2000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、KEMORIBONさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

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穏やかな日常の変化は天気雨、“狐の嫁入り”から

人に見えない幽霊や妖怪、人に化けている存在などを見破る「万象の慧眼」と呼ばれる力を持つ学生・空透。彼は人に化けて日常に溶け込む人ではない存在を視ることにも慣れていた。視えていることを理解して近づいてくる幽霊に絡まれることもあるが、それももはや日常。すっかり慣れてしまい、いまでは島を出て東京で暮らしている。

ある日、空透は学校の帰り道に休憩を取っていた。すると狐たちの「姫乃稲荷の娘が嫁入りだとよぉ」という会話が聞こえてきて、付近に稲荷神社があることを思い出す。幼い頃にここで誰かと遊んだ覚えはあるが、あれは誰とだったか…。記憶の空白について考えていると、ポツポツと天気雨が。ふと顔を上げた空透の目に“狐の嫁入り”行列が飛び込んできた。

行進する狐たちに見惚れていた空透だが、見えていることがバレると厄介なためいつもどおり見えていないフリ。しかし彼に気づいた狐の花嫁が、突如「空透!?」と名前を呼ぶ。さらに狐の花嫁は「やっぱり空透だ！やっと会いに来てくれたんだね！」と目を輝かせながら抱きついてきて…。

狐の花嫁と再会する漫画を読んだ人たちからは、「狐の花嫁かわいすぎる」「好意の矢印が大きい狐ちゃんたまらん」「王道展開で楽しみ」「潜んでる子もかわいい」「実際に日常にもいてほしい」など、多くのコメントが寄せられている。

過去作のリメイク、再発進となった珠玉の一作

――『僕の日常はきつねの嫁入りから変わって行く』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

この漫画は、昔私がストーリー構成(プロット)とキャラデザ、そしてイラストを担当したノベルゲームが元になってます。遊んでいただいた方からはとても評判の良い作品だったのですが、サークルの方針であまりPRができなかった為特定の界隈内で知る人ぞ知る作品のようになってしまっていました。

ですが、「主人公が狐の嫁入りに遭遇してしまう」というテーマやこの作品の世界観はもっと多くの人に楽しんでもらえる物だったのではないかと思い、どうにか復刻するとができないかとずっと考えていました。当初はリメイクとして出すことも考えましたが、多くの人に気軽に読んで頂きたいという気持ちと過去作品のファンの方にも楽しんで頂きたいと言う思いから、一度見たことある物の焼き直しではなく完全新作の漫画として世に出す事にしました。

作品のテーマは同じですが、登場人物やストーリー展開などは異なっていますので、別物として楽しんで頂けたらなと思っています。

――本作では、お姫様抱っこで逃走するシーンが非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあればお教えください。

色々な年代の人と接して思ったのですが、今の時代自分から異性に対してアプローチをするのが怖い男の子が結構いるんだなと感じていまして、あれぐらい女の子に積極性があった方がいいなと思ってお姫様抱っこのシーンは描きました。

私自身も内向的な方なのでガンガン行くのが怖いのが共感する部分があって、もし自分が男性ならこう言う女の子が好きって気持ちを大切にしている部分はあるのかもしれませんね。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

主人公が公園で休んでる時に天気雨が降って、鈴音の嫁入りシーンに遭遇するシーンですね。この場所は北区の音無親水公園がモデルになっているのですが、こう言うごみごみした街の中にある巨大な日本庭園とも呼べる人工的な自然ってある意味日常に存在する異空間のような物に感じるんです。

そんな中で不思議で神秘的な現象を目撃する事が「僕ももしかしたら明日にはこんな事が起きるかも…」と言う感じで読んだ人がほのかな期待と共感を持てる場面として描けてるといいなと思ってます。

――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか？

特に意識していませんでしたが、アニメや映画を観て「どこが面白いのか」とか「どうして人気なのか」とかは分析したりしてますね。あとは趣味でシルバニアやリアルめの動物のぬいぐるみを集めたりしてるので、それに面白い設定や名前を付けて家族の前で人形劇を披露して笑わせたりしてます。普段からこうして遊んでると自然に頭の中でキャラクターの人格が勝手に動き出すんです。

――今後の展望や目標をお教えください。

気が早すぎるので現時点では寝言に過ぎませんが、もしこの作品が映像化したら同じケモノ好きとして有名な悠木碧さんに鈴音の声を当てて貰いたいです。その前に書籍化しなければいけないので、かなり道は遠いですね。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！

メスケモ好きの人にもそうでない人にも鈴音の魅力をお届け出来たらなと思っています！応援よろしくお願いします！