吉本実憂(@MiyuYoshimoto) 取材・撮影/山田健史 ヘアメイク/藤原玲子 スタイリスト/鈴江英夫(H)

映画『室町無頼』・お千役の吉本実憂、「絶対に負けない」という感情を重視…アクションで目指す”夢”

2025.02.12 06:03
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歴史にただ一度だけその名を留める実在の人物・蓮田兵衛が企てた戦国前夜の一揆を、大泉洋を主演に描いた映画『室町無頼』。入江悠監督が8年の歳月を掛けて完成させた本作で、堤真一演じる骨皮道賢に仕える伏士・お千役で存在感を発揮しているのが、女優・吉本実憂だ。全日本国民的美少女コンテストをきっかけに芸能界入りし、現在はアクションに力を入れているという彼女に、撮影の思い出や今後の展望を語ってもらった。

──映画『室町無頼』への出演が決まった経緯や当時の心境を聞かせてください。

吉本 オーディションで選んでいただきました。オーディションでは刀を持ってのアクションを行うということで、事前にアクション部の方監督の川澄さんに手順を付けていただきました。武器を使わない現代アクションは普段から練習しているんですが、刀はこれまでの作品でもやったことがなかったんです。30分くらいで覚えてくださいということで、「あっても10手くらいかな」と思っていたら、20手くらいあって。必死に覚えて、ドキドキしながらオーディションを受けた記憶があります。そして、オーディションの次の日に「お願いします」と連絡をいただきました。マネージャーさんからの電話で知ったんですが、私、嬉しくて泣いちゃって。こんなに早く結果が来ることなんてめったにないので、「きっと何か決め手になるようなところがあったんだ」という嬉しさと、緊張感のあるオーディションだったのでホッとしたこともあって、私が電話で泣いていたら、マネージャーさんも泣いていて。エモい思い出です(笑)。

──吉本さんは以前、役作りのために「脚本にはないその人物の年表を作る」とおっしゃっていたことがあります。今回の役柄に関してはどのような背景をイメージして演じられたのでしょうか。

吉本 脚本上、お千という役の情報が少ない中、どうやって自分のキャラクターのパズルを埋めていこうかなと考えていたら、入江監督が「こういう情報があります」と資料を送ってくださいました。今回はそこから作り始めることができたので、すごくありがたかったです。あの情報がなかったら、また違うお千になっていたかもしれません。

──お千の視点から、今作で注目してほしいポイントを教えてください。

吉本 私の役は堤さん演じる道賢様にお仕えしているんですが、忍びをやっているので、人を見る目がすごくある人間だと思っているんです。そこで私は、長尾謙杜くんが演じた才蔵に対して、「こいつはなんだか危ないぞ」と察知して威圧するような目線を意識していたりします。

──劇中には描かれていないお千の背景など、吉本さんが思う役柄の人物像を教えてください。

吉本 もともとは裕福なところの育ちのお千は、道賢様に助けられた過去があるんです。自分を拾ってくれた道賢様には恩があるので仕えているけど、他の仲間とは仲良くしているわけではない、一匹狼のような存在というところは、ブレずに演じるようにしていました。

──登場人物が非常に多い作品ですが、一人ひとりに対する入江監督のこだわりを感じますよね。

吉本 本当にすごいんです。ものすごい数のアクション部さん、エキストラさんがいる戦いのシーンも、CGじゃないんですよ。みんなでギュウギュウになって戦いました。私たちの演出だけでなく、エキストラさんの方も含めて画面に映っている方全員の細かいところまで演出されていて、リアルに、繊細に作品を作られる方なんだなと、すごく尊敬しています。

──炎の迫力もものすごかったですよね。

吉本 近いところで爆発が起こったシーンがあるんですが、爆発って何回もできないじゃないですか。私は忍びで偵察していたので、「ビクッてなったら絶対にダメだからね。一発だけだからね」と言われて。「自分は今ここに存在しない」という感覚を少し加えました。爆破音が大きすぎて気持ちはビクッとしていたんですけど、画面には映っていなくてよかったです(笑)。

──長回しでの長尾さんのアクションシーンもプレッシャーが大きそうな場面でした。

吉本 私はほぼ武田梨奈さんとずっと戦っていました。刀での練習はたくさんさせてもらったので、その練習期間を信じて、現場では「絶対に負けない」という感情にフォーカスしていました。そしてあのワンカットは、とにかく長尾くんが頑張ってましたね。長尾くんがこんなに頑張っているのに周りの私たちが失敗するわけにはいかないんですよね。長尾くんには好き勝手に六尺棒を振り回してもらった方が絶対に良いから、長尾くんの戦いやすいタイミングで入りたいなというドキドキ感がありました。

──作品では敵対する関係ですが、長尾さんや武田さんとは現場でどのような雰囲気だったのでしょうか。

吉本 そこは、敵味方関係なく仲良くさせてもらっていました。梨奈さんとは東京で練習を一緒にする時、「敵同士だからあまり喋んない方がいいのかな」とお互いに思っていて、全然喋っていなかったんです。でもアクション部の方に、「手を合わせる相手だから、絶対に仲良くなっていた方がいいよ」と言ってもらって。私も基本的には現場で人と仲良くしたいタイプなので、焼肉を一緒に食べに行ってがっつりと仲良くなりました。それからはアクション部の方たちの言う通り、やりやすくなったんですよね。意見交換もしやすくなりましたし、勉強になりました。

──また吉本さんは、現在放送中のドラマ『それでも俺は、妻としたい』では、風間俊介さん演じる柳田豪太のママ友・みどりを演じられています。

吉本 元ヤンのママの役です。ちょっと言葉遣いが荒い部分はあるんですけど、子どもに対しての愛が深くて、まっすぐな人だなという印象です。言いたいことを言って自分が正しいと思うことを信じて生きていく、という、今まで自分の中でも意外となかった役で、ありがたかったです。足立紳監督は、一緒に作品を作りたいなとずっと思っていた方だったので、それが叶ってとても嬉しかったです。

──売れない脚本家のダメ夫・豪太(風間)と家計を支える恐妻・チカ(MEGUMI)。セックスレスに悩む豪太といつも不機嫌なチカのリアルさに、家族の在り方を考えさせられますよね。

吉本 私は完成した1話を見た時に、本当に素直に「おもしろい!」と思いました。台本を読んでいるだけでも面白いので、やっぱり足立監督はすごいなと思いました。私は結婚していないから、まだ夫婦間のリアルはあまり分からないですが、「こんな夫婦いそうだな」とすごく思いました。撮影している時も楽しかったです。

──男性視点と女性視点で見え方が違うような気もしますが、吉本さんの目線からは豪太とチカの夫婦はどう見えていますか。

吉本 私は、「どっちも分かる」という感じがするんですよ。チカに対しては「結婚したんだし、豪太にもうちょっと優しくしてあげても」という気持ちもありますが、チカが言っていることも分かるんですよね。

──吉本さんだったらどんな家庭にしたいですか。

吉本 私の理想は、どんなにおばあちゃんとおじいちゃんになっても、子どもが産まれても、ずっと恋人ではありたい。でも、私も「強い」って言われるんです。むしろ、この作品くらいの関係もバランスが良いのかなとも思ったりして。私、友達には「結婚できなそう」と言われるんです。「一人で生きていけそうだから」って。「1人では生きていけないけどな」「いつかは結婚したいな」と思うけど、私もドラマの二人のようになっていることが、ちょっと想像できちゃうんですよね(笑)。

──最後に、吉本さんが現在、力を入れているアクションに対する思いを聞かせてください。

吉本 アクションのある作品が決まっていない時からアクションの練習をしてきたので、今後も続けていきたいなと思います。作品によってはお芝居のシーンとアクションで切り替わりの瞬間が見えてしまうことがあるんですけど、私はその境目がないぐらいリアルにお芝居もアクションもやって、全てが繋がっている作品を作れるような人になりたいなと思っています。そういう意味では武田梨奈さんはアクション部分でもすごく格好良くて尊敬させてもらっている先輩でもあるので、また一緒に戦えたらいいなと思います。梨奈さんは熱い方で、お芝居の考え方とかもすごく似ているなと感じるところもあるので、すごく気が合うんです。

──アクション女優としての野望はありますか?

吉本 これは、言った方がいいですよね。言霊ですよね(笑)。実は、海外でがっつりとアクションをやりたいんです。自分だからできるアクションを海外でもやりたいです。『アベンジャーズ』が大好きなので、私はロバート・ダウニー・Jrに会いたいくて、いつか共演できたら嬉しいなと思っています。

──マーベル作品でのご活躍も楽しみにしています!

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