鈍感なモテる執事とツンデレお嬢様、突然の刺客に「私の方がずっと前から好きなのに」と焦るが…

好意を寄せる執事が、自分がいない間に大モテ…恋する“ツンデレお嬢”に「大喝采」と反響【作者インタビュー】

2025.01.03 08:30
鈍感なモテる執事とツンデレお嬢様、突然の刺客に「私の方がずっと前から好きなのに」と焦るが…

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ガンガンONLINEで連載中の『俺が告白されてから、お嬢の様子がおかしい。』(原作:HJ文庫/ホビージャパン刊、コミック:SQUARE ENIX)から『第一話・これはこういうお話です。』をピックアップ。

作画担当の八塔雪さんが10月15日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、6351件を超える「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、原作者・左リュウさん、作画担当・八塔雪さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

なんでもできる“ハイスぺお嬢様”の悩み、最愛の執事が知らぬ間にモテていて…

主人公・天堂星音は、世界的大企業天堂グループの経営者一族で、頭脳明晰、成績優秀、スポーツ万能、母親譲りの恵まれた容姿を持つ。何でもでき、何でも手に入る、何でも思い通りになる完璧な“ハイスぺ”お嬢様だ。そんな星音にもどうしても思い通りにならないものがある。

ある朝、いつものように執事・影人が用意した紅茶を飲んでいた。星音が影人に「最近は何か驚くような変わったことはあった?」と聞くと、「実は他のクラスの方から告白された」と応えた。“告白”という言葉に驚きを隠せない星音。続けて、影人は「こうも立て続けに告白されたことはなかったので……」と言う。

動揺する星音は、いつの話か問い詰めた。影人によると先日、星音が両親と旅行に行った間に起きた事だそうだ。影人は彼女の父に留守を頼まれ、旅行に行っていなかった。金輪際留守は任せないと誓った星音だが、影人が告白を全部断ったと知ると安心した。

落ち着きを見せたのもつかの間、作戦の時間になってしまったので大忙しだ。その前に影人と話していると、出会った頃のことを思い出した。幼いとき、影人の家族は彼を一人残して蒸発した。偶然彼を見つけた星音が気まぐれで拾ったが、影人は彼女の思い通りにはならなかった。わがままを聞いてくれなければ説教もしてくる。それでも寂しい時には傍に居てくれた。星音にとって、影人は自分の世界を見たこともないあざやかな色で彩ってくれる存在になった。

果たして作戦の時間とは、星音の恋の行方は――。

なんでもできるお嬢様が意中の執事に対しては、不器用に奮闘するストーリーに「めっちゃ好き」「素晴らしい」「大喝采」と反響。大人気ライトノベルのコミック化に「コミック化激アツ」「漫画化してたんですか!」と喜びの声も届いている。

お嬢様と執事の尊い恋愛…大人気原作小説を書いた左リュウさん、読者待望のコミック化を実現させた作画・八塔雪さんにインタビュー

――『俺が告白されてから、お嬢の様子がおかしい。』につきまして、左リュウさんは創作のきっかけ、八塔雪さんは作画のきっかけをお教えください。

左リュウさん:『バカとテストと召喚獣』という作品が学生の頃から、そして今でも大好きで、あの作品のように、とにかく笑って楽しめるようなラブコメを書きたいと思ったのがきっかけでした。

元々コミカルなものを書くことが好きだったので「次に書くものはラブコメの『コメ』の部分が強いものにしよう」と決めていたこともあります。

当時「綺麗な顔で一人称が『俺』で『お嬢呼び』の男が書きたい」という意欲が湧いていたのも、きっかけの一つでした。

八塔雪さん:原作小説が書籍化される以前に小説投稿サイトで原作を拝読しており、魅力的なキャラクターや掛け合いの面白さ、軽快でコミカルなお話を楽しませていただいていました。

現在の漫画担当さんとご縁をいただいた際、原作のコミカライズのお話があることを知りまして手を挙げさせていただきました。

――読者の中でも、今回のコミカライズ版に喜びの声が多数見られました。コミック化について率直なご感想をお教えください。

左リュウさん:そうしたお声を多数頂けたのは、とても嬉しかったです。また、この作品はヒロインの「お嬢」が暴れまわるところが面白い部分の一つなので、漫画になるのが僕自身も楽しみだなと思っていたのですが……八塔雪先生から第一話のネームをいただいた時は、とても驚きました。

原作をよく理解していただいた上で素晴らしいアレンジが加えられており、一本の漫画として非常に高いクオリティーの作品に仕上がっていたので、第一話のネームを読み終わった時には、もう原作者ではなく一人の読者として続きが楽しみになっていました。

監修も、毎回ほとんど言うことが無くて逆に申し訳なくなってます。これは八塔雪先生に向けたものになるのですが、テキトーに見ているわけじゃなくて本当に「最高です」以外に言うことが無いだけなんです!

自分はまだ頭が平成の人間なので、漫画版を製作するにあたり、八塔雪先生には令和に合わせた倫理観に修正して頂いていることも、毎回とても助かっています。

八塔雪さん:大好きな原作小説のコミカライズをさせていただけて大変光栄で、とても嬉しいです!ネームバリューが皆無な作画担当で申し訳なさも感じつつ、その分を原作への愛で補いながら、面白さや魅力を読者の方へお伝えしたい!と思いながら描かせていただいています。

小説と漫画では表現方法が違うこともあり、原作の内容をアレンジしたり泣く泣くカットしてしまうシーンがあったりするのですが、いつも寛大なお心でお許しいただいているので本当に感謝しております。

原作に無い描写をさせていただく際、「この場合このキャラはこう行動するだろう」と自然に想像が出来るのは、各キャラクターの個性がしっかりと確立しているからこそだと感じています。

――左リュウさんが特にお好きな展開やシーン、星音のアプローチ、影人の星音に対する言動などございましたら、お教えください。

左リュウさん:第二話にある「泥棒猫が手作りクッキーなら私は手作り満員電車で勝負よ!」というセリフが好きです。これは原作にはない漫画版オリジナルのセリフなのですが、最初にネームでもらった時は「負けた」と思いました。なぜ自分はこれを原作を書いている時点で思いつかなかったのかと。精進します。

あと、これはシーンではないのですが、モブキャラの女の子一人一人が可愛いので、お嬢が言う「泥棒猫」も説得力が妙に増しているところも好きです。第二話に出てきた手作りクッキー泥棒猫の女の子も可愛くて、これはお嬢も焦るだろうなと思いました。個人的に一番好きなモブキャラの女の子は第二話に出てきた「C組の子が来てるよ」と、お嬢に話しかけてきた子です。

アプローチは第一話の相合傘、お嬢の資金力が唸りを上げた第二話の満員電車と、第三話のボードゲームもお気に入りです。全部ですね。でも、資金力の斜め上の無駄使い感がよく出ているので、漫画版だと第二話の満員電車が一番お気に入りかもしれません。

影人の言動は第一話の「俺の人生はお嬢に捧げると誓いましたから」です。ここは原作ではサラッと流れていったセリフなのですが、漫画版では1ページまるまる使った決めのシーンとして、八塔雪先生が綺麗に描いてくださったので、とても気に入っています。

――八塔雪さんが星音や影人、彼女たちの服装や持ち物などを描くときに心掛けていることがございましたら、お教えください。

八塔雪さん:原作の雰囲気や各キャラクターに合ったものを。また、キャラクターデザインの竹花ノート先生が描かれる可愛くて魅力あふれるキャラクター達のイメージを表現できるように、と心がけています。

特に星音はくるくると変わる感情の豊かさがとっても可愛いので、表情だけでなく瞳の表現や身体全体で感情を描写しようと意識しています。

お話がとっても面白いので、作画で読者の方の没入感が損なわれないよう、違和感なく物語に入り込める作画を目指しています。

――本作『俺が告白されてから、お嬢の様子がおかしい。』に関してのことや、左リュウさん、八塔雪さんご自身のことで、今後の展望や目標をそれぞれお教えください。

左リュウさん:普段ヒロインに関しては「かわいい」と思ってもらいたくて書いているのですが、お嬢は断トツで「がんばれ」「不憫」という声をいただいております。新たな泥棒猫も登場してお嬢がどんどん面白かわいそうなことになっていきますので、これからも応援してあげてください。

自分は「金髪メインヒロインの作品」を書くために作家活動を続けていますので、これからも金髪ヒロインの作品を書き続けていきます。まだ頭が平成に囚われている部分が多々あるので、令和にアップデートした作品作りをしていけるようになりたいです。

八塔雪さん:この作品は、老若男女問わず楽しんでいただける作品だと思っています。一途な頑張りを応援したり、じれったさに悶えたり、あの手この手のアプローチや返り討ちを楽しんだり、やり取りの甘さを堪能したり優しく癒されたり、様々な形の面白さがたくさん詰まっていますので、いろんな方に読んでいただけると嬉しいです。

個人的なことでは、ラブコメを描くのが初めてなので、星音と影人が接近するシーン等の描写は慣れないゆえの恥ずかしさを感じたりしているですが、その度に「星音がこんなに頑張ってるんだから自分も頑張って表現しないと!」と、一途に頑張る星音に勇気と元気をもらっていますので、今後も星音と一緒に頑張りたいです!

――最後に作品を楽しみにしている読者やフォロワーの皆さんへメッセージをお願いいたします。

左リュウさん:第一話のサブタイトルに書いてある通り、「これはこういうお話です」。小難しいことを考えず、読んでる人が笑って楽しめるような作品を目指して原作を書きました。漫画版でもその軸は変わっていません。八塔雪先生のお力が加わったことで、作品のパワーも何百倍にも跳ね上がっております。

ちょっとした笑いが欲しい時、かわいいヒロインのお話を読みたい時、ぜひこの作品を手に取って、ツッコミを入れながら読んで、楽しんでいただければ嬉しいです。

八塔雪さん:Xでポストした際、読んでくださった方や反応を返してくださった方、本当にありがとうございます。原作ファンの方にも漫画から入ってくださった方にも面白いと思っていただける作品に出来るよう頑張りますので、ぜひ原作と合わせてお楽しみいただけたら嬉しいです!

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