染谷俊之が2024年を総括 念願叶った学生時代からの憧れの職業役とは
俳優、声優、YouTuberとして幅広いフィールドで活躍中の染谷俊之の魅力に迫るWEBザテレビジョンの連載「月刊染谷WEBマガジン」。毎月、深掘りインタビューを敢行し、仕事の近況からプライベートまで、事務所NGギリギリの質問をぶつけて“染様(染谷俊之の愛称)”を丸裸にします。第35回は2024年の活動を振り返ってもらいました。
『メイジ・ザ・キャッツアイ』では藤原紀香さんの恋人役に
──2024年も舞台・ドラマを中心に、さまざまな場で活躍されました。1年間を思い出しながら、振り返ってもらいます。まず1~4月まで。どんなお仕事がありましたか?
最初は舞台『メイジ・ザ・キャッツアイ』(2月6日~3月3日)ですね。1月から稽古が始まって、2~3月が本番でした。(共演者は)藤原紀香さん、高島礼子さん、剛力彩芽さんなどそうそうたるメンバーで、しかもお三方とも初顔合わせだったので、制作発表のときはすごく緊張したのを覚えています。でもいざ稽古が始まると、みなさん気さくで素敵な方たちで、とても楽しくお仕事をさせてもらいました。
──明治座(東京・日本橋)の150周年アニバーサリー公演のおおとりで、注目度の高い作品でした。改めていかがでしたか?
明治座は以前にも出演させてもらったことがあるのですが、公演中に出演者ののぼりを立ててくれるんです。明治座独特の風習で、そののぼりを実際に見ると気持ちが引き締まりましたね。作品としては、人気漫画を明治時代に置き換えたオリジナルストーリーだったんですが、タイトルは知っていても、実は意外と内容までは知らなくて、僕自身も稽古に入る前に原作を一気読みしました。さらに舞台は明治時代の設定ということで、いろいろなフィルターがかかって難しい部分も多かったんですが、初めて見る方はもちろん、原作のファンの方にも喜んでもらえるよう心がけました。そのバランスを取るのが一番たいへんでした。
──具体的にはどんなところでしょうか?
僕が演じた刑事・内海俊夫と、藤原紀香さんが演じた怪盗三姉妹の次女・瞳は恋人同士なんですが、明治時代って、オープンな男女交際がまだできない時代だったんです。そうした時代背景を汲んで、脚本ももどかしい恋模様として描かれていたので、そこは意識して演じました。しかも恋人役があの藤原紀香さんということで、最初は恐れ多かったんですが、稽古のときから紀香さんが気を遣ってやりやすい環境を作ってくださったので、すごくいい関係でお芝居をすることができました。(高島さん、剛力さんを含めた)お三方はもちろん、演出の河原雅彦さん、脚本の岩崎う大さん(かもめんたる)など、みなさん素晴らしい方たちばかりで、本当に素敵な体験をさせてもらいました。
──『メイジ・ザ・キャッツアイ』が終わると、すぐに舞台『MANKAI STAGE『A3!』ACT2! ~WINTER 2024~』(4月9日~5月12日)の稽古が始まった感じでしたか?
そうですね。エーステ(A3!)の冬公演は、植ちゃん(植田圭輔)の卒業公演で、琢磨くん(和田琢磨)が初めて出演した作品でもありました。前々から琢磨くんが出演するのは聞いていたんですが、全然出てこなくて、「ついに来た~!」って(笑)。植ちゃんの最後のステージに、琢磨くんを含めて3人で立てたことが感慨深かったです。
──和田琢磨さんとは、同時期(4月1日~5月2日)に放映されたドラマ『Solliev0(ソッリエーヴォ)』でもダブル主演を務め、以降、共演が続くことになりました。
そうそう!“付き合っているんじゃないか?”疑惑が出るくらい、ずっと一緒にいました(笑)。ドラマの撮影自体は前年の12月だったんですが、監督が『相棒』シリーズなどを手掛けている橋本 一さんという素晴らしい方で、僕自身、出来上がったドラマを見ましたが、斬新なストーリーですごく見ごたえのある作品に仕上がっていたと思います。
舞台だけで年間8本に出演。「お仕事をいただけるのはありがたいこと」
──続いて5~9月を振り返ってもらいます。エーステの冬公演が終わった後はどんなお仕事がありましたか?
舞台『川越ボーイズ・シング ─喝采のクワイア─』(6月22~30日)ですね。エーステの公演中に台本を受け取って、公演が終わり次第、稽古・本番でした。
──まさに休みなしのフル稼働ですね!
例年は舞台作品が続き過ぎないように調整していたんですが、2024年はシリーズものの続編が多くて、どうしても連続してしまうことが多かったです。数えたら、舞台だけで8本も出演していました。体力的にきつかった時期もありましたが、お仕事をいただけることはすごくありがたいことなので、本当に感謝しています。中でも『川越ボーイズ・シング』は主演を務めさせていただき、さらに夢が叶った作品でもありました。
──夢とは何ですか?
学校の先生です。川越の高校を舞台とした、ボーイズ・クワイア(聖歌隊)の男子高校生たちを描いた王道青春ストーリーで、僕は彼らを指導する先生役を演じました。正確には、ある事情からボーイズ・クワイア部の顧問を押し付けられた指揮者なんですが、僕は大学生のときに教師を目指していたことがあったので、その夢が叶ったという感じです。生徒役の子たちはみんないい子ばかりで、本当の先生のように慕ってくれてうれしかったですね。
──『川越ボーイズ・シング』の後は?
後というか、ちょうど同じ時期にドラマ『あいつが上手で下手が僕で ─巡巡決勝篇─』(7月19日~9月6日)の撮影がありました。
──ドラマでは、染谷さんと和田琢磨さんが演じるお笑いコンビ・ラストワルツの元メンバー(植田圭輔)がついに明らかになりました。最終話の染谷さんのテンションMAXの演技が印象に残っているファンも多いです。
以前のインタビュー(第33回・初のシャッフル公演となる『A3!』ほか 染谷俊之、今秋出演作品を語り尽くす)でも話しましたが、最終話の撮影日は朝から体調がよくなくて、自分の大きな声にクラクラしながら演じていました(苦笑)。展開としては、ずっと気になっていたラストワルツの過去が明らかになってよかったです。流れとしては、『川越ボーイズ・シング』とカミシモのドラマの撮影が終わった後に、『Solliev0』(8月2~12日)の舞台が始まった感じですね。ドラマの続編で、異母兄弟である僕と琢磨くんの愛憎劇がどうなるのかというのが見どころで、ラストはけっこう衝撃的なんですが、見方によってはキレイな結末で、見てくれた方もスッキリしたのではないでしょうか。
──続いて9月は舞台『マリオネットホテル』(9月14日~10月6日)に主演されました。人気シリーズ『TRUMP』の作品で、染谷さんが7年前に出演した『グランギニョル』(2017年)の前日譚でしたが、どんな思い入れがある作品でしたか?
『TRUMP』シリーズは独特で幻想的な世界観の作品で、僕自身は『グランギニョル』、『COCOON 月の翳り星ひとつ』(2019年)に次いでの出演となりました。『グランギニョル』から7年も経った後に、続編をまたやらせいただくことはすごく光栄で、特別な縁も感じました。僕の中で(作中で演じた)ダリ・デリコというキャラクターはすでに出来上がっていましたが、今回は前日譚ということで、『グランギニョル』がどうなるのかを知らない体(てい)で演じなければならず、難しかったですがすごく挑戦しがいがありました。『TRUMP』シリーズが「これまでの出演作品の中で一番好き」と言ってくれるファンの方も多いので、またお見せできて僕もうれしかったです。
「2024年は充実した1年。2025年もこの流れでいい作品を届けたい」
──10月以降も『MANKAI STAGE『A3!』 Four Season LIVE2024』(10月31日~11月4日)、『あいつが上手で下手が僕で ─人生芸夢篇─』(11月15日~12月1日)と舞台が続きました。
エーステの稽古は『マリオネットホテル』の本番と重なって、僕は2週間遅れくらいで参加しました。稽古場に初めて行ったときに思ったのが「うわ~、人多いな」って(笑)。春・夏・秋・冬の全キャストが出演するので、とにかく人口密度が高くて、知り合いも多く、あちこちで「おっ、久しぶり!」みたいな挨拶をしていました。
──まさにいろいろな学校の生徒が集まって行う連合体育大会みたいですね。
そんな感じです。今回は春・夏・秋・冬組をシャッフルして6チームに分かれて、日替わりで6公演を行いました。僕は木津つばさくん、中村太郎くん、新 正俊くんと同じチームで、最終日に『Scarlet Mirror(スカーレットミラー)』という劇中劇をやりました。シャーロック・ホームズとジェームズ・モリアーティ(ホームズの敵役)の物語で、モリアーティが犯した事件をホームズが解決するという内容でした。ホームズ役がつばさで、僕はモリアーティ役を演じました。4人のチームは新鮮でしたね。劇中劇にはそれぞれカラーがあって、僕らの『Scarlet Mirror』はめちゃくちゃ暗いお話で、どんよりしていたんですが、逆にそれがよかったと思います。お客さんも見入って、楽しんでくれたのではないでしょうか。
また、カミシモのほうはお笑いコンテスト「38(サンパチ)ファンタジスタ」の準決勝が始まる前にいろいろなハプニングが起こるというストーリー。僕ら、ラストワルツは準決勝を勝ち抜けて決勝に進出するんですが、物話はそこまでで終わりで、決勝がどうなったのかは分かりません。カミシモ自体が今回でシリーズ完結なので(決勝の結果は)永遠に謎のままです。
──カミシモの舞台といえば、漫才のネタ披露も見どころの一つですが、今回はどうでしたか?
観客のみなさんが温かい目で見てくれて、ありがたいことに笑い声も聞こえました。今回のカミシモはストーリー自体がしっちゃかめっちゃかで、さらに漫才や歌のライブもあり、おもしろいエンターテインメントをお届けできたと思っています。
そして12月は『演劇ドラフトグランプリ THE FINAL』(12月10日)がありました。結果がどうなったかは現時点(※注1)では分かりませんが、今回がファイナルということで素晴らしい演劇をお届けしたと思います。
──最後に2025年に向けての抱負をお願いします。
2024年は忙しかったですが、気力で1年間走り抜けることができて、結果としてすごく充実した年でした。このいい流れを継続させて、2025年もさらに充実させていきたいと思います。まだ公式発表されていませんが、いくつかお仕事も決まっていて、僕自身も今から楽しみですし、ファンのみなさんにも楽しんでもらえるよう頑張ります。2025年も応援よろしくお願いします!
※注1:インタビューは2024年11月下旬に行いました。
取材・文=河合哲治郎
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