「ザ・トラベルナース」最終回より

<ザ・トラベルナース最終回>岡田将生“歩”と中井貴一“静”の絆は切れていなかった “クセ強コンビ”のやり取りを「もっと見たい」と続編を望む声続々

2024.12.21 14:04
「ザ・トラベルナース」最終回より

岡田将生と中井貴一が“クセ強ナース”を演じる痛快医療ヒューマンドラマ「ザ・トラベルナース」(毎週木曜夜9:00-9:54、最終回は10:00まで拡大。テレビ朝日系)が12月19日に最終回を迎えた。前回、歩(岡田)と静(中井)が修復不可能と思われるほど深刻な仲たがいをして、視聴者を心配させていたが、口論には続きがあり、ケンカ別れではなかった事が今回明かされて一安心。同時に、さらに強い絆と仲の良さを感じさせるシーンの連続に「やっぱりこの2人最高!」「ずっと見ていたい」など、既に続編を望む声がSNSに多くあふれた。(以下、ネタバレを含みます)

クセ強敏腕看護師コンビが医療現場を改革

本作は、手術の際に医師を補助し一定の医療行為を実施できる「NP(=ナース・プラクティショナー)」の那須田歩と謎多きスーパーナースの九鬼静のクセ強看護師コンビが、“患者ファースト”の精神で医療現場を改革していく物語のシーズン2。

トラベルナース(人手不足の病院や施設にて期間限定で働くフリーランスの看護師)である彼らの今シーズンの勤務先は、基幹病院である「西東京総合病院」。同病院では、新院長・薬師丸(山崎育三郎)が働き方改革を中心とした組織変革に次々と着手。現場の状況より自分の理想を優先して強引に改革を進める薬師丸に、静と歩は闘いを挑んでいく。

「向こうには、歩くんが居ます」

薬師丸が歩以外のナースを全員解雇した直後、病院がランサムウェア攻撃を受け、大混乱に陥ってしまった。電子カルテも閲覧不能で、新たにやって来たばかりのナースたちは入院患者の知識が無い為、対応ができず戸惑うばかり…。医師たちもカルテ頼りで患者の情報を把握しておらず、これまでちゃんと「人を見て」きた歩は孤軍奮闘していた。

一方、静は、診察不可となっておむすび店「脈や」にやって来た外来患者たちの診察にあたり、「脈や」の2階の寮に住むナースたちも、静の要請であふれんばかりの客(患者)の対応に大忙しとなった。働きながら、機能不全になっている病院を心配する先日まで看護部長だった塔子(寺島しのぶ)に、静は「向こうには、歩くんが居ます」と力強く言った。

前回の放送で、すい臓がんステージ3で手術が極めて困難なめぐみ(若村麻由美)について、「自分と薬師丸が組めば、絶対治せる」と豪語する歩と、「たとえ成功しても、薬師丸が変わらない限り彼女を救った事にはならない」と考える静は対立。

めぐみは、薬師丸が医師時代にミスで患者を死なせた責任を一人でかぶって退職した元看護師。薬師丸を信じていためぐみは薬師丸の執刀を希望して来院したが、病院改革の名のもとに暴走する姿を見て、自分がミスを被ったのは間違っていたのではないかと心を痛めているのだ。「今のキミは病気ばかり見ている。ちゃんと患者を見ないと、めぐみは救えない」と言われた歩は、荷物を持って寮を出て行ってしまった。

しかし、実はこの口論には続きがあったことが今回明らかに。歩は、患者を見てるから言ってるのだと静に反論し、めぐみの過去や抱えている苦しみを癒やしたい静の気持ちは分かるが、早く手術をしないと、めぐみは余命1カ月で時間が無い。

だから「病気を治してから心を治したっていいと僕は思います!」と、自分の考えを静に誠心誠意で伝えた。そして、めぐみを必ず治すと決意を告げた後、「人を治すだけじゃなく、病気も治せるナースに僕はなってみせます!」と、自分を信じてほしいと、静の目を見つめて訴えていたのだ。

歩の熱意に成長を感じた静は胸がいっぱいで泣きそうな表情を浮かべた。そして「お手並み拝見とまいりましょう。しっかり闘ってください!」と力強くエールを送り、歩は寮を後にしたのだった。

決裂したように見せて実は絆を深めていたという演出に、視聴者は「ダマされた!」とうれしい驚き。視聴者同様、てっきり歩が高額な契約金に負けて薬師丸に魂を売ったと思っていた福美(野呂佳代)たちナース軍団も静から真実を聞き、歩の気持ちに心を打たれていた。

静の、湊と自分の扱いの差に嫉妬する歩

めぐみの手術は、歩のサポートもあり無事に成功。薬師丸はこの数日で起きた事で考えを改め、これまでのことを心からめぐみに詫びた。また、病院のネットワークも厚労省のシステム復旧チームの阿部湊(志尊淳)たちのおかげで、何とか復旧した。

この湊は、実は静が理事をしている財団のサポートを受けていた元ナース。「静さんには1から10まで教えてもらいました」と言う湊を優しくほほ笑みながら見る静。なごやかな関係の2人を見て「へぇー」とふてくされる歩。

そして、「本当にありがとう」と丁寧に礼を言って湊を見送りながら「病院も直せるナースになりましたね」と感慨深い表情でつぶやいた静に、歩は「“元”ナースですよね!」と子どもじみたヤキモチを。そんな歩がかわいくて「悔しいんですか?」とからかう静に、「悔しい要素なんか一つもない!」とムキになるのだった。

このやり取りの際、去って行く湊を見て「奇麗な後ろ姿だ」と言った静に歩が「えっ!?後ろ姿?オレだって奇麗じゃないですか!」と言い返し、「ガサツな…」「静さんの方がガサツじゃないですか」と、ほほ笑ましい言い合いが続き、視聴者は「後ろ姿がキレイって…コレ、アドリブだよね(笑)」と、どこからがアドリブかで盛り上がった。

次の勤務先のフィリピンで、歩が会ったのは…

一件落着し、歩はフィリピンの病院からのオファーを請けて半年間勤務する事にした。一方、次の勤務先が決まっていない静はこのまま「脈や」を続ける事に。これまで共に歩んできた2人の道が分かれる事になった。

歩が旅立つ前夜、2人きりの部屋で歩は「寂しくなりますね…」と珍しく本音を漏らした。「別の道を進みますけど、またどこかで会いましょう」と告げた歩に、お互いにナースなんだから“別の道”ではない、と言う静。歩は静かに手を差し出し、2人はほほ笑みながら固い握手をした。その晩、歩は隣で眠る静を見つめ、今までの事を思い出していたのだろうか、いつまでも寝られなかった。

歩はフィリピンの勤務先に着き、受付で院長室の場所を尋ねていると、「歩ちゃん」と聞きなれた声が。幻聴かと思いながら声がした方を見ると、そこにはスーツ姿の静が。「えぇぇぇぇぇぇ!!」と大声を上げて驚き動揺しまくる歩を「ようこそフィリピンへ」と歓迎した。何と、ここは静が出資している病院の一つで、歩を招いたのも実は静だったのだ。

第1話で静が患者とフィリピン語で会話するシーンを覚えていた視聴者は「だから話せたのか!」「あれは伏線だったんだ」と納得。静は歩におむすびの入った「脈や」の紙袋を渡し、「ゆくゆくは2号店を…」との発言も見事に回収した。

歩&静のコミカルな掛け合いに視聴者大笑い

「だったら、あの握手は何だったのか」とキレる歩に、「キミが気持ち良さそうに手を出したから」と涼しい顔で言う静。歩の面接VTRと履歴書もチェックした静は、歩が自分の行いを盛って自慢げに語っていたと指摘し、「明るく社交的で誰とでもすぐに打ち解ける」との自己紹介を「何の冗談か。真実が一つも書かれていない履歴書を初めて見た」と一刀両断した。

静は、歩に景色の良いペントハウスを用意していたが、彼は断って病院に近い食堂を間借りしていた。狭くて不便だが、静が「脈や」でしていたように、普段から近所の住人も診られるからだ。貧乏で病院にかかれない人々も多い地域だという事も考慮したとのこと。静は、歩が自分の行いをちゃんと受け継いでいる事がうれしく、「素晴らしい!」と素直に彼の決断をたたえた。

だがその後は、例のごとく口ゲンカに。コミカルなかけあいに「このままM-1出れるんじゃ…」「面白すぎる」と視聴者は大笑い。そしてここでも「コレ、絶対アドリブでしょ(笑)」との書き込みが散見されたが、そうだとしたら、2シーズンを共にした岡田将生と中井貴一の絆のたまもの。「ずっと見てられる」「すでにロス」「シーズン3ありますように」と、ケンカするほど仲が良い、この“クセ強コンビ”をまだまだ見たい声があふれていた。

◆ザテレビジョンドラマ部

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