「ムービング」は、ディズニープラス スターで全話独占配信中

“賞レース総なめ”韓ドラ「ムービング」が人気を集めた理由とは?若手&実力派スター集結で描く“ギフトセット”のような作品

2024.12.05 11:10
「ムービング」は、ディズニープラス スターで全話独占配信中

12月4日より新たな韓国ドラマ「照明店の客人たち」が配信となった。同作は“韓国ウェブトゥーン界の父”とも呼ばれる人気作家・カンフルが、累積1.5億ビューを記録した自身の人気漫画を自ら脚本も担当してドラマ化するとあって、韓国のみならず日本でも期待を集めている。そのカンフルが同じく原作・脚本を担った2023年の大ヒット作が「ムービング」だ。“韓国のゴールデングローブ賞”ともいわれる、「第60回百想芸術大賞」TV部門にて最も優れたコンテンツとして栄えある大賞を獲得するなど、数々の賞を受賞した「ムービング」。いったい同作はなぜこんなにも注目を集めたのか。“カンフル・ユニバース”とも言われ話題の今、あらためて大ヒット作「ムービング」の人気の理由を振り返ってみたい。(以下、「ムービング」のネタバレがあります)

実力派ぞろいの“親世代”、ライジングスターの“子世代”

「ムービング」は、親と子2世代にわたる超能力者たちの戦いを描いた全20話のSFアクション大作。1990年代、韓国の国家安全企画部には超能力者たちによる秘密のエリート部隊があった。超能力を使って国を守っていた彼らはある日突然解散し、メンバーは散り散りに。それから数十年がたった現代、元メンバーたちが1人、また1人…と、何者かによって消されていく事案が発生する。同じころ、元メンバーの子どもたちが互いの正体を知らないまま偶然クラスメートとして出会い、互いの能力を知る――というストーリーが描かれる。

まず注目すべきはキャスティングの豪華さ。親世代には「その冬、風が吹く」(2013年)のチョ・インソンや「トンイ」(2010年)のハン・ヒョジュ、「エクストリーム・ジョブ」(2019年)のリュ・スンリョン、「熱血司祭」シリーズのキム・ソンギュンといった実力派俳優陣が、子世代には「わかっていても」(2021年)のイ・ジョンハや「還魂2」(2022年)のコ・ユンジョン、「今日のウェブトゥーン」(2022年)のキム・ドフンら若手注目キャストがそろった。

全20話の長丁場でも中だるみしない人間ドラマ

ほかにもバラエティーでも人気のチャ・テヒョンや「ベルリンファイル」(2013年)のリュ・スンボムら、人気・キャリア共に申し分ない俳優陣が印象深い演技でドラマを盛り上げていく。

日本よりも話数が比較的多い韓国ドラマシリーズの中でも、全20話は長編。その中で、実力派キャストたちが一つ一つのエピソードの主人公となって感情ゆたかなドラマを見せている。

豪華キャスト陣のケミに引き込まれる

まず、能力に目覚めてしまい戸惑う高校生ボンソク(ジョンハ)と、息子のためなら強くなれる母ミョンヒ(ヒョジュ)親子の絆に心打たれる。若かりし頃のミョンヒと夫・ドゥシク(インソン)の不器用なロマンスにときめき、2人と共に工作員として働いていたジュウォン(スンリョン)の男気あふれる闘いぶりに魅了される。1話から数話にわたって描かれるジュウォンの一人娘ヒス(ユンジョン)とボンソク、寡黙なガンフン(ドフン)の同級生3人の間に芽生えていく、友情と淡い恋心も爽やかだ。

超能力を持つ者たちを暗殺していく刺客フランク(スンボム)の壮絶な過去や、ボンソクたちを守ろうと命を懸けるバスの運転手ゲド(テヒョン)の切ないエピソードにも感情を揺さぶられる。

隅々までこれほどまでに豪華キャストをそろえたのはこのためだったのか、と納得せずにいられないほど、20話という長丁場でありながらすべてのエピソード、すべてのキャラクターを通して“人間”が味わい深く描かれている。

エピソードごとに変わる主人公と“愛のドラマ”

そんな彼らのストーリーが2~3話単位で繰り広げられ、エピソードの主人公が変わるたび、まるで別の作品を見ているような驚きと新鮮さを味わえる。劇中の人間関係ごとに、男女の恋愛や親子愛、友情などさまざまな形の“愛”とそのために命を懸けて戦う人々が描かれ、最終話に向かって一つになっていく。

例えば第7話、超能力者を1人1人抹殺して巡っているフランクが、ミヒョンの元にやってくるシーン。経営するとんかつ店に現れたフランクに異様な気配を感じたミヒョンは、帰ってきたボンソクが息子だと悟られないよう客のように案内する。ボンソクが超能力の血を引く者だとばれたら、フランクは一撃でボンソクを仕留めるだろう。ミヒョンはひそかに拳銃をとり、交戦を覚悟する。息ができないほどの緊張感の中、わが身を犠牲にしてでも息子を守ろうというミヒョンの決死の覚悟が痛いほど伝わってくる。

8-9話で描かれるボンソクの両親、ミヒョンとドゥシクの若い頃のエピソードも感動的だ。組織の同僚として出会った2人は付き合うようになるが、同時にミヒョンは組織の危険分子であるドゥシクの監視役でもあった。やがて組織から追われる身となったドゥシクは、一度は失踪するものの、ある嵐の日、危険を冒してミヒョンのアパートに姿を現す。戻れば組織に捕らえられるのは分かりきっているのに…。抱き合う2人は瞬く間に包囲されるが、ミヒョンは彼が本当に自分を愛していたことを知る。

ごく普通の生活を送っていた超能力者たちが、超能力者であるために試練に遭遇し、愛する家族や恋人、友人を守ろうと命を懸ける。そこに生まれる愛のドラマが「ムービング」という作品の真骨頂だ。

カンフル作品の魅力「中心に人を置きます」

“人間”を深く描くことが、カンフル作品の魅力だ。

11月、ウォルト・ディズニー・カンパニーのラインアップ発表イベントのプレスカンファレンスで、物語を作る際の流儀について「中心に人を置きます。どのような人が動いて行動するのか、登場人物とその関係性に重点を置いて物語を構成しています」と話したカンフル。

派手なアクションやスリラー、ミステリーの要素が絡み合って複雑なストーリーを描いているように見えても、その中心には常に“人間ドラマ”がある。そのドラマが実力あるキャスト陣によって具現化されることで、多くの視聴者の心を捉えている。

その上、かかっている製作費もけた違い。超能力を題材としたアクションスリラーだけあって、製作費は約650億ウォン(約70億円)にも上ったともいわれている。さまざまな要素が重なり合って、「ムービング」は多くの視聴者に届く作品となったのだろう。その結果、「百想芸術大賞」で大賞含む最多3冠、「青龍シリーズアワード」で大賞を獲得したほか、「アジアコンテンツ&グローバルOTTアワード」で最多6部門受賞を達成した。

爽やかな青春ストーリーと胸を焦がすロマンス、心温まるホームドラマ、そして息もつかせぬ本格アクションと、さまざまな要素が詰まった「ムービング」は、制作発表会見でパク・インジェ監督が「ギフトセットのようなドラマ」と語ったほど。2023年を代表するドラマとしてふさわしい超大作といえよう。既に制作が決まっているシーズン2も楽しみでならないし、同じ制作陣による「照明店の客人たち」も期待して良さそうだ。

「ムービング」「照明店の客人たち」はディズニープラスのスターで独占配信中。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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