友に恵まれていたからこそ闇落ちしなかった道長(柄本佑)

柄本佑“闇落ちしない道長”のそばには友がいた…町田啓太“公任”ら“平安F4”の絆に視聴者も感慨「泣けた」<光る君へ>

2024.11.30 15:18
友に恵まれていたからこそ闇落ちしなかった道長(柄本佑)

吉高由里子が主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)は残り3話。11月24日に放送された第45回「はばたき」では道長(柄本佑)が出家。その後の旧友たちとの久々の再会と対話に、視聴者からも感慨の声が上がった。(以下、第45回までのネタバレがあります)

まひろ「これで終わりにございます」

「源氏物語」を生み出した平安時代の女流作家・紫式部の人生を描く「光る君へ」。第45回では、とうとう源氏の物語を書き終えたまひろが思い切って旅に出る展開が描かれた。

すべてに区切りをつけて前を向くまひろとは対照的に、「行かないでくれ」「もう会えぬのか」と未練がましい道長。まひろがきっぱりと「会えたとしても、これで終わりにございます」と答えると諦めの境地に至り、妻・倫子(黒木華)の懇願むなしく出家した。

道長「あっけないものだな、人の一生とは」

そんな第45回で髪を剃った道長を訪ねてきたのは、古い友・藤原公任(町田啓太)、藤原斉信(金田哲)、藤原行成(渡辺大知)。道長と3人は若い頃からともに切磋琢磨し合った仲で、視聴者の間では“平安F4”と人気を集めた。この3人に源俊賢(本田大輔)を加えた4人がそれぞれ大納言・権大納言まで昇進したことから、“四納言”とも呼ばれる。

髪を剃り上げた道長を見た公任が開口一番「気持ちはどうだ」と尋ねると、道長は、「ふ~む、涼しくて…良い」とまんざらでもない表情。それを見て公任はにっこり笑み、皮肉屋の斉信は「寂しいこと、この上ないなぁ」とつぶやいた。

「50過ぎまで誰一人欠けることなく来れたことは、感慨深いのう」と公任がしみじみ口にすれば、道長は「あっという間に何もかも過ぎていった。あっけないものだな、人の一生とは」と、もはや人生に幕を引いたような口ぶり。それを聞いて涙をこぼしたのが、若い頃から“道長一筋”の行成だ。

「何のお役にも立てませんでした」という行成に、道長は「おまえには、ずいぶんと助けられた。いくら礼を言っても足らん。いろいろと、すまなかった」と真摯(しんし)な表情で詫びの言葉を口にした。

それぞれの立場で道長を見守る“F4”の面々

高度な権謀術数を身につけ、強引なやり方もしてきたとはいえ、全ては理想の政(まつりごと)を行うため。この作品の道長は、まひろと約束した世を作るため、ひたすら政に没頭する人物として描かれた。これが、脚本の大石静氏が語っていた“「光る君へ」の道長は闇落ちしない”ということの意味だろう。

そして、この作品の道長がぶれずに理想の政にまい進できた背景には、公任たちの存在が欠かせない。並ぶ者のない力を持てば多くの場合、周りは“イエスマン”ばかりになり、面と向かって「それは違う」と忠告できる存在はいなくなる。だが道長の場合は違った。

第41回で道長が一条天皇(塩野瑛久)の第一皇子・敦康親王(片岡千之助)を代理から排除しようとした時には行成が「左大臣様が、おかしくおわします」と諫言。第44回では、摂政になった後も左大臣として陣定(じんのさだめ)に顔を出す道長に、公任が「はたから見れば欲張りすぎだ。内裏の平安を思うなら、左大臣を辞めろ」ときっぱり伝えた。

第45回、出家した道長を囲むシーンで、道長の出家を寂しがっていた斉信が息子・頼通(渡邊圭祐)の政権を心配する道長の姿を見てにわかに「道長がその気なら俺も力が湧く。もうひと踏ん張りしようではないか」とイキイキし始めたのもほほ笑ましい。

視聴者も「グッと来た」F4の絆

ともに熾烈(しれつ)な出世競争を生き抜き、出家した道長を囲んで久々に穏やかな笑顔で語り合う50代の“F4”を、視聴者も「久々にそろったF4が癒やし」「出家した道長に会いに来たF4の変わらない雰囲気に泣けた」「ずっ友のF4、いいね。グッと来た」「F4の絆に泣いた」と感慨深く見守った。放送後、今回も「光る君へ」や関連ワードがSNSのトレンドをにぎわせた。

第45回では、F4の絆が印象的なシーンがもう一つ。冒頭、公任・斉信・行成・俊賢が集まって道長の“望月の歌”についてそれぞれの解釈を語り合うシーンで、よく知られる解釈に近い読みを披露した俊賢に対し、公任が「今宵(“この夜”)はまことによい夜であるな、くらいの軽い気持ちではないのか」とやんわり意見し、行成も「私もそう思います」と同調。道長は、“この世”をわが世とするおごった歌を詠むような人となりではない、とした。

公任や行成が語った“望月の歌”への解釈にも「F4の“望月の歌”解釈が良き」の声も上がった今回。道長も政治の表舞台から降り、いよいよ放送は残り3回、12月1日(日)放送の第46回「刀伊の入寇」では、旅に出たまひろの身の上に起こることが中心に描かれる。

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