大ブレイク中の福留光帆、叶ったら芸能界を止めてもいい唯一の夢を告白「3年後には実現したい」
テレビプロデューサーの佐久間宣行によって発掘され、現在大ブレイク中のタレント、福留光帆。センスのある大喜利力、20歳らしからぬボートレースエピソード、フリートークの強さが評判を呼び、テレビ、ネット、ラジオと数々の番組への出演ラッシュが続いている。元AKB48だが、グループでは空気だったという彼女。卒業後の全く仕事がないニートからの大逆転となった今年について、今の正直な気持ちを赤裸々に語ってくれた。
記憶が塗り替えられるほど濃かった2024年
――「佐久間宣行のNOBROCK TV」への出演以来、大活躍の年となりました。振り返ってみていかがでしょうか。
すごくすごく、ありがたい年にしてもらえたというのを本当に実感しています。生意気なことを言っちゃいますが、今どこに行ってもAKB48時代のこと、ニート時代のことばかりを聞かれるんですよね。それは仕方ないなと思いつつ、せっかくなので今日は今年のことをたくさん話したいです。
ちょうど別の取材で過去の厳しかったときのことを振り返ってきたばかりで、そこで気づいたんですよ。今年の時間が濃すぎて、それ以前のことをどんどん忘れていっているなって。記憶がそんなに変わっていくくらい、本当に今年は濃かったんだと思います。
ちょっとキモいこと言っちゃっていいですか? エッセイのお仕事で書いたんですけど、学生時代のことって、たまに思い出して戻りたくなるじゃないですか。そういう感じで私、20歳の夏を一生想うだろうなって。キモい詩人です(笑)。
――「クイック・ジャパン ウェブ」での連載エッセイですね。そういう仕事もあり、売れて嬉しかったことに何がありますか?
お仕事がたくさんあるというのがもう嬉しいんですけど、売れて嬉しかったこととなると、はっきり見つからないんですよね。AKB 48を卒業して改めて芸能事務所に所属しましたけど、そのときにも芸能界で売れたいっていうガツガツした気持ちは全く湧かなくて。芸能界に残ったのは、ほとんどボートレースのお仕事をしたいがためでした。多分、アイドルで売れなかったからこそ、野心が芽生えるような心にならなかったんだと思います。
バラエティートップ番組で痛感した周りとの差
――「NOBROCK TV」をきっかけに「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ系)、「しくじり先生 俺みたいになるな!!」(テレビ朝日系)、「ヒルナンデス!」(日本テレビ系)などバラエティートップ番組への出演ラッシュとなりました。出られてみての感想はどうですか?
YouTubeの番組から一足飛びだったせいで、「踊る!さんま御殿!!」に出ときはそのテンションのままでトークをしてしまい、ゆきりん(柏木由紀)さんに失礼だとか、けっこうお茶の間に怒られてしまいました。別に万人に好かれようとは思っていないですけど、YouTubeとテレビだと観ている層が全然違うので、TPOをわきまえて、今は観た人が不快にならないようにと心がけています。
――そうした番組の中で学んだことはありますか?
周りはもうバラエティーの第一線で活躍されている芸人さん、タレントさんじゃないですか。私は佐久間さんにちやほやされて、それで番組に呼んでいただいただけなので、本当にぬるま湯に浸かっていたんだなって思いました。佐久間さんがいかに私がやりやすいようにしてくれていたかも分かったし、周りとの差を痛感してばかりです。
トークの展開なんか中身が面白いのは当然だし、しゃべり始めからオチまでの流れが完璧だし。私なんかが言ってもっていう感じですけど、上には上がいるんだって思い知りました。
――共演者で特に印象に残っている方は誰になりますか?
やっぱりゆきりんさん、重盛さと美さんは同じ女性タレントという目線で見てもすごいです。こんな環境下で結果を出し続けてきたんだって、自分が同じところに立ってそのすごさがようやく分かりました。芸人さんは芸人さんで、ホントにみんなすごいです。吉村崇さんも、ラランドのニシダさんも。天才ですよ。
逃げ出したくなる場所で頑張れるのは周りの人のおかげ
――今大変な時間を過ごされていると思いますが、逃げ出したくなるときはないですか?
毎日です。もう毎日、毎回逃げたくなることばかりです。だって、怖いじゃないですか。力量もないのに「大喜利の天才」だなんて持ち上げられて。でも、そこで踏みとどまったおかげでメンタルはエグいくらい強くなりましたね。昔の私では考えられないくらい。
豆腐メンタルはそのままですけど、昔と違って向き合うようにはなれたんです。部活では先輩とうまくいかなくて、クラスではハブられたから、もう学校行かないとか。逃げてばかりだったけど、もう今は向き合わないと。やるしかない。やるしかないっていうより、やらなきゃやられるって、そういう一心でやっています。
――折々の番組で、AKB48のときは言い訳で逃げていたと言っていましたね。
コロナ禍を言い訳に、売れないことを正当化している部分はあったなって思います。かといって、あのときがむしゃらにやっていてどうなったか分からないですけど、もっとやれたことはあったんじゃないかって、今になって思う後悔はあります。
――そのときの後悔も今の頑張りにつながっている?
んん…。というより、頑張るしかないんですよ。私、全然仕事がなかったところをマネジャーさんに拾ってもらったし、ある程度好きなこともやらせてもらっている手前、頑張って返さないと。家族も喜んでくれるし、応援してくれるたくさんのファンの方もできたし。なんで頑張れるのかといったら、周りの人のためですね。
――頑張っていく中で、自分のポリシーはありますか?
私を大事にしてくれる人を、私も大事にする。ポリシーとして持つよりも、自然にそれができる人間になりたいです。スタッフさんへの接し方もそうだし、おこがましい言い方ですけど、ファンサービスも。
さっき印象に残った方の話をしましたけど、売れている方ってみんないい人ばかりなんですよ。横柄な方って見かけなくて、そこで分かれるんだろうなって思います。そういう人たちの背中を見て、「私も」ってすごく思うようになりましたね。
誕生日イベントの夜はファンからの手紙に大号泣
――テレビ出演、ラジオパーソナリティー、コラム連載、写真集発売と初めて尽くしの20歳だったと思います。10月22日で21歳になりましたが、次の1年はどんな年にしたいですか?
少しでも今の状態を継続できるように、地に足をつけて頑張りたいです。今が楽しいので、これをこぼさないように、少しでも来年にも注ぎたいなと思います。これは本当にそう思っていて、逃げたいことも多いけど、やっぱり楽しいです。嬉しい言葉をかけてもらえるとやりがいが湧くし、誰かに褒められるのは嬉しいです。
――先日は生誕祭もありましたね。これも初めての開催ですが、どうでしたか?
あのイベントは生誕祭というよりも、私からファンの皆さんに日頃の感謝を伝える場所にしたくて、ただただ皆さんに楽しんでもらえる企画を第一にしたんです。手作り感で作りたいなと思って、だから50人規模の小さい会場にして。
たくさんの「ありがとう」を伝えて終えたんですけど、やっぱりみんな優しいから、プレゼントやお手紙を山ほどいただいてしまって。その日の夜は手紙を読みながら大号泣です(笑)。「福留さんのおかげで自分の人生に色がつきました」みたいなことも書いてあって、そうしたら頑張らなきゃって思いますね。
ファンの方は私の支えだし、それに対して返していきたい。私、共依存タイプなんですよ。お互いがいて生きていける関係になりたいなって思います。そういうところだけアイドルマインドだから、意味分かんないですよね(笑)。
――今年はタレントさん定番のカレンダーも発売されました。
現実感がないですね。カレンダーを出せるなんて思ったこともなかったし、めくってもめくっても自分しか出てこないのって嬉しいですね。今回は卓上カレンダーなので、2025年はこれを机に置いて、自分と共に過ごそうかな。2月に三つ編みのカットがあって、私はそれが一番お気に入りの写真です。でも、ファンの皆さん的には水着がいいのかな(笑)。
このカレンダーの写真、「尼崎のダイヤモンド」(デジタル写真集/集英社)のときに撮影してくださった細井幸次郎さんにお願いしたんです。柔らかい雰囲気で撮ってくださるのが大好きで、カレンダーだけど、グラビアっぽい自然体な感じで、福留ちゃん、かわいいな。キモ、私(笑)。
唯一の夢が叶ったら芸能界を引退?
――ブレイクのきっかけとなった大喜利とボートレース。この2つは来年どうしたいですか?
大喜利はだいぶ毛嫌いして、大喜利病みしましたね。ハードル上げられすぎて、ホント、しんどかったです。でも、一時期の拒絶反応はだいぶ薄れてきた気はします。やりたいかと言われたら別ですけど、大喜利という単語を出された瞬間に不機嫌になる、みたいなことはもうないかな。どうかなあ(笑)。
ボートレースのお仕事は来年も引き続き、もっともっと個人的にも楽しみたいです。私、唯一の夢があって、GⅠ尼崎センプルカップのイメージキャラクターになることなんですよ。その夢を叶えるまでは絶対頑張ります。叶えたらもう止めます。
――ボートレースを?
ボートレースは一生止めません。このお仕事を止めて、芸能界を引退します。
――引退宣言、早すぎませんか?
私の唯一の夢なので、叶ったら多分、抜け殻になっちゃいます。3年後には実現させたいので、それまでに新しい夢が見つかっていれば残っているかもしれないですね(笑)。
――初めて尽くしだった中、来年に挑戦したいことはありますか?
お芝居やりたいですね。舞台も映像も入口みたいな経験しかなくて、好奇心がすごくあります。あとはやっぱりラジオ。10月からラジオを2本やらせていただいていて、それがすごく楽しいんです。この場所は守り続けたいし、ラジオのお仕事はもっと広げたいなと思います。
――人生大逆転と言ってもいい、今の福留さんです。同じように人生のチャンスをつかもうとしている方々に、どんなことを伝えたいですか。
私の場合は周りの人に恵まれただけ。全部人のおかげなんですよね。だとすると、自分を大事にしてくれる人を大事にするといいと思います。私にとっては拾ってくれたマネジャーさん、見つけてくれた佐久間さん。そこから広がった人間関係。やっぱりターニングポイントになるのは人との出会い。それが一番大切で、普段の挨拶とか、感謝とか、そういうことを疎かにしなければチャンスは巡ってくると思うし、そのときには絶対誰かが助けてくれると思いますよ。
◆取材・文=鈴木康道
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