「デスゲームで待ってる」にて主演を務める日向亘にインタビューを実施。

日向亘、初座長としての意識 世代もバラバラな共演者と「濱津隆之さん検定=通称“ハマケン”で盛り上がりました」

2024.11.26 10:00
「デスゲームで待ってる」にて主演を務める日向亘にインタビューを実施。

テレビ業界で干された放送作家が“デスゲーム業界”に入り、かつての恨みを晴らしていく復讐劇「デスゲームで待ってる」(毎週木曜深夜0:25-0:55、関西テレビ)。今回WEBザテレビジョンでは、そんなデスゲーム業界に飛び込み、復讐を果たしていく主人公・戸村匠真を演じる日向亘にインタビューを実施。主演としての心持ちや、共演者との現場エピソードをたっぷり語ってもらった。

ファンタジーだけど生っぽい。ぶっ飛んだ設定とリアリティ感の絶妙な塩梅に「これは絶対に面白い作品になる」

――ドラマ『デスゲームで待ってる』に出演が決まったときの心情を教えてください。

日向亘(以下、日向):最初に、大方の設定や登場人物を記載したプロットをいただいたのですが、その時点ですごく面白いなと思いました。デスゲームを題材にした作品はいろいろありますが、その“裏側”を描くというのは新鮮。でも確かにテレビ業界だって裏で働いている人がたくさんいるのだから、デスゲーム業界だって働いている人がいないと成立しないよな…と思って。そこから僕の中の興味がグンッと上がって、どういう脚本になるんだろうとすごく楽しみになったのを覚えています。

――では、実際に脚本を読んでいかがでしたか?

日向:ヨーロッパ企画さん特有の、と言いますか……設定はぶっ飛んでいるんですが、そのぶっ飛んでいるところと、リアリティなところの塩梅がすごく絶妙だなと思いました。そもそもデスゲームを題材にしている時点でファンタジー要素が強いじゃないですか。でもセリフは生っぽいんですよね。「来週までにこれ作っておいて」とか「クライアントからこんな話が来てて…」とか(笑)。それを読んで「そうだよな、デスゲームを作る人も、そういう話するよな」ってリアルに感じられて。これは絶対に面白い作品になるなと確信しました。

――演じる戸村という人物を、どのように捉え、どのように演じましたか?

日向:まず今作の登場人物って、全員が少し普通ではないじゃないですか(笑)。パワハラしていたり、ゴマをすっていたり。デスゲーム制作会社「ドリーミア」の人たちはそもそもデスゲームを制作しているという時点で普通じゃない(笑)。そう考えたら、一番普通なのが戸村なんです。そして、戸村は視聴者の目線にも一番近い。戸村が視聴者の目線になっていることで没入感のある作品になっているとも思ったので、フラットでいるということはすごく意識しました。それこそ戸村以外の登場人物は、ベテランのキャストさんたちが、一癖も二癖もつけて、個性豊かに演じているので、僕はそれを受ける。僕が戸村を普通の人として演じて受けることで、周りの人たちが少し変わっているように見える、ということを常に頭に入れていました。

――“フラットに受ける”というのは難しかったですか?

日向:難しかったです。僕はこれまで、大人に噛みついたり、自分から何かをふっかけたりする役が多かったので。それがスムーズにできたのは、受ける方たちが吹っかけやすいようにアシストしてくださっていたんだと、今回改めて感じました。受けるお芝居ってこんなに難しいんだなと…。

――側から見ると、戸村と日向さんはどちらかというと反対のキャラクターなのかなと思うのですが、ご自身では似ていると思うところはありますか?

日向:最初のほうの戸村は内気で、確かに僕とは遠いように思えるんですが、ドリーミアの人たちと出会ってからの戸村は、意外と僕と近いのかなと思います。そもそも戸村も僕も好きなことを仕事にしているんですよね。テレビが大好きで「いつか自分で番組を作りたい」という夢を持ってテレビ業界に飛び込んだ戸村、同じくテレビが好きで、かつ昔から人に何かを披露することが好きで、芸能界に飛び込んだ僕。そんな共通点もあって、戸村がプライドを持って出した企画が粗末に扱われて腹立たしくなる気持ちなどは容易に想像できました。

ドリーミアのメンバーとは「初日から初めましてじゃないような感覚があった」

――主演ということで、心持ちは普段とは違いましたか?

日向:これまでの現場では、主演の方によって現場の雰囲気や作品の色が全然違って「主演の人の力ってすごいんだ」ということは思っていました。だからこそ、僕も主演として、この作品をより良くするために何かできることをしなくては…と責任感を持って挑んでいました。キャストやスタッフさんとたくさんコミュニケーションを取るなど、現場の空気の良さにも繋がっていけばいいなと思って意識して動いていました。

――撮影現場はどのような雰囲気でしたか? 楽しかったですか?

日向:もう、超楽しかったです! スタッフさんもいい人たちばっかりだったし、キャストの方たちもめちゃくちゃ明るくて。本当に楽しかったです。

――共演者も多彩ですが、共演者との印象的なエピソードがあれば教えてください。

日向:やっぱりドリーミアの人たち(濱津隆之、波岡一喜、美山加恋、梅澤美波)とのシーンは印象的でした。さっきも話したこのドラマのリアリティを生み出すには、ドリーミアの人たちとのシーンが大事になってくると思っていたんですが、そんなことを意識せずとも、ドリーミアのメンバーは裏でもすごく仲良かったんです。ドラマのエンディングに誕生日パーティーをしているシーンがあると思うんですが、実は、あのシーンの撮影をしたのは5人が揃って2日目のお昼くらいなんです。

――そんなふうにはまったく見えない、仲の良さを感じました。

日向:ですよね(笑)。僕がこんなことを言うのもおこがましいんですが……初日から初めましてじゃないような感覚があったんです。“ずっとこの5人でやってきた”くらいの空気感が初日からあって。……と思っていたら、皆さんも同じことを思っていたそうで。

――それはどうしてなのでしょうか。

日向:それがわかんないんですよ。今でもわからない(笑)。「世代もキャリアもバラバラなのに、なんでこんなに仲良くなったんだろうね」って話を皆でしていました。常に集まってお話していて。仲が良すぎました。

――皆さんとはどのような会話をしていたんですか?

日向:波岡さんがクイズを出してくれるんですが、それがめちゃくちゃ面白くて! 特に、濱津さん検定=通称“ハマケン”は楽しかったです。僕、共演前にその方の情報を事前に調べるのですが、濱津さんのWikipediaの記載がとても詳しかったんですね。そのことを濱津さんに尋ねたら、「自分の見たことない」とのことで。そこから波岡さんが「濱津さんクイズ出すわ」って言い始めて、“ハマケン”がスタートしました(笑)。そんな会話をずっとしていました。

もし制作サイドになったら…「しっかり作り込まれたゲーム番組の制作をしてみたい」

――ドラマに関連して、もし日向さんが戸村のように番組やゲームを何かクリエイターとして作るなら、どんなものを作ってみたいですか?

日向:「東京フレンドパーク」みたいなバラエティがやりたいです。

――その理由は?

日向:とにかく大好きだったから! でも今作に出演して思ったのは、「東京フレンドパーク」もそうですけど、ゲームを考えるのはもちろん、そのための小道具とかセットを作るのも楽しそうだなと。「宝探しアドベンチャー 謎解きバトルTORE!」みたいな、しっかり作り込まれたゲーム番組の制作も興味があります。

――最後に、ドラマはこれから後半に入っていきますが、この先の見どころや楽しみにしてほしいことを教えてください。

日向:後半も色々な展開があるのでぜひ最終回まで見てほしいです。最終回まで、です!(笑)

◆取材・文=小林千絵

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