刊行日を知る人はわずか3% 生物の進化は「突然変異」と「自然淘汰」の繰り返しだった
アメリカではかつて、これを教えることすらを禁じられていたという。
人類はどこからきて、どこへ向かっているのか...なんて思いを馳せてみる良い機会になるのではないだろうか。
『種の起源』はいつ刊行された?
Sirabee編集部が全国の10代〜60代の男女700名を対象に実施した調査では、全体で3.0%の人が「ダーウィンの『種の起源』が刊行された日を知っている」と回答した。
なお男女別に見ると、男性4.7%、女性は1.3%という結果になっている。
11月24日は『種の起源』の刊行日
『種の起源』は、イギリスの地質学者で生物学者のチャールズ・ダーウィンによって1859年11月24日に出版された進化論についての書籍だ。『種の起源』は知っていても、その刊行日までは知らない人がほとんどだろう。
豆知識としてそっと頭に刻みつつ、せっかくの刊行記念日ということで、ダーウィンの進化論について考えてみることにしよう。
進化論を教えた教師が有罪に
ダーウィンの『種の起源』とは、生物は不変のものではなく、突然変異や自然淘汰により長期間かけて次第に変化してきたとする進化論だ。発表した当時はキリスト教の“神がすべての生命を作り出した”とする創造論が広く信じられており、宗教界から激しい反発を受けた。
特にアメリカには進化論反対派が多かったようだ。進化論の禁止を法律で制定していたテネシー州では、1925年に進化論を高校で教えた教師が訴えられ、有罪判決が下されたケースもあったという。
「スコープス裁判」として知られるこの事件は、“モンキー裁判”とも呼ばれている。敬虔なキリスト教信者にとって、人間がサルから進化したという考え方は到底受け入れられないものだったのだろう。テネシー州で進化論の禁止に関する法律が廃止されたのは1967年のことだ。
「用不用説」と混同されがち
こうして反発を受けながらもさらなる研究が進められてきた進化論だが、ときにラマルクの“用不用説”と混同し誤解している人もいる。ダーウィンが唱えている“自然淘汰説”は、進化は単なる結果にすぎず、偶然起こった突然変異がその個体にとって有利に働いた場合は淘汰されずに生き残り、それによって進化が起きるというものだ。
キリンの首が長くなった理由を用不用説によって説明すると、「キリンの祖先が高いところにある葉を食べるために首を伸ばし、それが受け継がれたから」ということになるのだが、その考え方は後の遺伝学の発展により否定されている。整形手術後の形質が次世代に遺伝することがないという例をあげると理解しやすいだろう。
「たまたま突然変異で首が長く生まれてしまった個体が、高い木の葉を食べるなどの工夫することで淘汰されずに生き残り、子孫へその形質が受け継がれていった」というのが、ダーウィンが唱える“突然変異”と“自然淘汰”による進化論なのだ。
しっかりと読み解くのは難解な進化論だが、不利な状況にも負けず有利に生きる道を見つけた者が未来を切り開いてきたのだと考えると、今ある生き物の姿がよりいっそう輝いて見えてくる気がする。
(文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2024年10月8日~2024年10月13日 対象:全国10代~60代男女731名 (有効回答数
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