好青年とマッチしたと思ったのに… 獅子舞のように暴れ出し「一緒に汗かきませんか?」
マッチングアプリにどハマり中のモノマネ芸人・こいでまほが、アプ活で出会った人とのアレコレを吐き出します。
ものまね芸人・こいでまほがリアルな体験談や心境をポップに時にダークに伝えていく『全力! 婚活ダイアリー』。
マッチングアプリほど濃い体験をできるものはない。多少のストレスはかかるものの常に人間ドラマが繰り広げられている。今回マッチングしたのは、普段会社では面接をするような立場というキラキラした若者。誠実そうに見えたのですが、気づけばまるで獅子舞に。
カジュアル男性は100パーセント見抜けると思ってたのに...
★これまでのエピソードはコチラ!
牡蠣か鰻
嘘まみれの人もいるのではないかと、疑惑が湧いている審査制のハイスペックマッチングアプリTで、またマッチング。疑っているわりに使いやすさと芸能人マークがついているので説明の不要さと、万が一良い人がいるんじゃないかという気持ちで結局、使ってしまう。
マッチした彼の写真の印象は、明るい笑顔にスーツ姿で日々が充実してる感じ。「なにか食べたいものはありますか?」「場所はどちらが出やすいですか?」丁寧だし、いい意味で女性に慣れてる感じで久しぶりにまともなデートができそう。
「牡蠣か鰻がよいかなと思っていますが、まほさんいかがですか?」。牡蠣か鰻なんてこの世のツートップ。即テンションが上がりデートの日が決定しました。
しかし、そんなものが罠だなんて思ってもいませんでした。カジュアル男性のパターンは完全に知っていると思っていたのに...。
バツイチ面接官
デート場所は、新宿三丁目の隠れ家のようなお店で牡蠣がとっても美味しく、まさに大人なデート。
彼は少し年下で可愛らしい雰囲気ですが、じつはバツイチとのこと。バツイチの人はわりと皆さん理由を言ってくれますが、過去はそんなに重要じゃないと思うようにしています。私なんて元カレ・えびおくんに8回逆プロポーズしたり表参道駅をパジャマ姿で追っかけたりしたので、自分の過去は話したくない...。
仕事では、最近面接をするポジションになったと話す彼。人を見る目を養わないといけない、経歴より人間力があるか見ている、など熱く話していました。仕事が好きな人は話していて楽しいのですが、特にこれだという会話が思い出せない...。
おそらく、このあとに起こった事件にインパクトがありすぎて、脳みそから消えたのでしょう。
獅子舞登場
今日はこのくらいでいいかなと話を締め、お店を出ました。すると「まほさんは、このあとどうするんですか?」と彼。「ジムに行きます」と伝えると「僕も行こうかな」と彼。「え? 会員なの?」私はまだ気づいていません。「っていうか、僕と汗を流しませんか?」。マジでジムについてくるとかヤダ、1人で集中したいのに。
どうしたことか、私はすごく勘が悪くなっていたようです。突然、彼はスーーッと息を吐いて、変な動きをし始めました。なんか落ち着きがないけど、なんなの?
「ってか! ホテル行きません?」...そういうことだったのか。ジムからそう繋いだってことか。彼は、やっと言えた! と言わんばかりにそこからは「行きましょうよ! ぜったい楽しいですよ!」と必死。その動きはまるで獅子舞のようでした。会社の面接官にはいっさい見えない、踊り狂う獅子舞。「僕、マジで抑えられないんですよね、性欲強くて」鼻の大きさも獅子舞並みに膨れ上がってる、興奮してる。
ですが、私は冷静でした。急に豹変パターンはあまりないですが、今までカジュアル男性をたくさん見てきて慣れているというのもありますし、もうそういう人たちに動揺するお年頃でもありません。
真実の愛を探しなさい
「そんなことして、なにになるの?」と、かなり低いトーンで言いました。「いや、セックスしたいだけです」「ってか、まほさん、ずるいですよー、牡蠣も鰻も両方好き、精力つきますもんって言うから」...そんなこと言ったっけ!? 牡蠣と鰻で精力とか口説きかたがまるでオヤジじゃないか。
この彼の考えを正したくなりました。私も変なスイッチが入ってしまいました。「寂しいんだね、心の奥では寂しいからそういうことしたいんでしょ。でもね、本当に好きな人としたほうがいいに決まってる。そんなことしても虚しくなるだけよ、真実の愛を探したほうが絶対に幸せなんだよ」。
獅子舞、無反応。全く響いていません。話を聞かず「行きましょうよー」と、瞳孔は開きっぱなし。かなり真面目に話したのに残念。無理だと伝えなんとか解散することができました。
帰り道、「まだ興奮がおさまりません☆」とアプリにメッセージが来ていたので、おもわず通報ボタンを押してしまいました。わざわざ高い月額料金払って、女性をカジュアルに誘う男性たち。このハイスペックマッチングアプリはしばらくやめよう、いや、永遠に使わないかもしれない、せっかく苦労して合格したのに...。
次にマッチングしたお相手は、かなり年上の神父様?! 写真が教会?! イタリアン料理店で壮絶なお話を聞いて涙を流す私。人生って本当に色々あります。続く!
◆こいでまほ
太田プロ所属のものまねタレント。フジテレビ系で放送の『 ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』で優勝経験あり。
aiko、優香、泉ピン子などものまねネタ多数。近年はナレーションなどの活動も積極的に行っている。
(文/Sirabee 編集部・こいで まほ)
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