演技大賞3回の“演技の神”ナムグン・ミンが「一番良かった」と公言、キャリア史上最高の傑作ロマンス<恋人~あの日聞いた花の咲く音>
「ストーブリーグ」(2019-2020年)、「黒い太陽~コードネーム:アムネシア~」(2021年)…など数々の作品をヒットに導き“演技の神”や“視聴率男”と称えられる韓国の人気俳優ナムグン・ミン。その彼が2023年に主演し一大旋風を巻き起こしたロマンス時代劇「恋人~あの日聞いた花の咲く音」が、11月18日(月)夜11時からCS放送「衛星劇場」に登場する。ミンが実年齢で13歳下の新進女優アン・ウンジンとのタッグで心震えるロマンスを作り上げ、数々の快挙を成し遂げた本作の魅力に迫る。
「恋人~あの日聞いた花の咲く音~」あらすじ
「恋人~あの日聞いた花の咲く音~」は、朝鮮第16代王・仁祖の時代、丙子(へいし)の乱を背景に描かれる切なくも狂おしい歴史ロマンス。ミン演じる主人公ジャンヒョン、ウンジン演じるギルチェが、動乱の時代に翻弄されながらも真実の愛を貫く切ない純愛ロマンスだ。
時は1636年、春。容姿端麗だが世間知らずな両班の娘ギルチェは、成均館の儒生たちの熱い視線を集め、得意げになっていた。本当は儒生のヨンジュン(イ・ハクジュ)に片想いしているのだが、ヨンジュンはギルチェの親友ウネ(イ・ダイン)の恋人。ギルチェは一番振り向いてほしい相手に見向きもされず、やきもきする日々を送っていた。
そんなある日、ジャンヒョンという男が現れる。結婚が当たり前の時代に「互いを婚姻で縛りつける愚かな真似は避けるべきだ」と非婚を貫く変わり者ジャンヒョンは、美しいギルチェに出会い、その信条を変えるほどに心動かされて何かとギルチェを構うものの、相手にされない。一方その頃、清の軍隊が国境を越え、朝鮮の首都・漢陽の近くまで押し寄せてきていた――。
ナムグン・ミン“ジャンヒョン”の一途さが胸を打つ
全21話の本作、冒頭まずはジャンヒョンという愛すべきキャラクターが視聴者を強烈に惹きつける。
序盤のジャンヒョンは、飄々としていて女好きで皮肉屋、世の中を斜めに見るような鼻につくタイプのキャラクター。だが実は商人の才覚を持ち、交渉術にも長けた切れ者で、大勢の敵を一人で倒してしまう戦闘力まで備えている。
序盤の変人キャラとのギャップも相まって、中盤以降はもうジャンヒョンが何をしてもカッコよく見えてくる。そのギャップの妙はさすが、“演技の神”ならではのさじ加減。江華島での17対1の戦いなど、ジャンヒョンのカッコよさが際立つ戦闘シーンも見どころの一つだ。
だが、ジャンヒョンの魅力は何と言ってもギルチェへの一途さだ。愛する人はギルチェ一人と思い定めたジャンヒョンは、どんなに無意味な争いでも、死ぬかもしれない無謀な戦場でも、たじろぐことなく立ち向かっていく。国や王のためなどではなく、ギルチェを守るためだけに。
今作が10年ぶりの時代劇出演だったというミン。シンプルに“生きること”の意味を問う戦乱の世の物語が、彼の演技を際立たせる。「ストーブリーグ」で「2020年 SBS演技大賞」大賞、「黒い太陽―」で「2021 MBC演技大賞」大賞と、立て続けに韓国ドラマ界の頂点に立ってきたミンの演技が冴え渡る。
お嬢様からたくましい女性へ…魅力的なヒロイン像
一方で、ジャンヒョンの深く大きな愛情を一身に受け止めるギルチェも魅力的。本作が初の時代劇ドラマ主演となるアン・ウンジンが演じている。
2012年に舞台デビュー、2018年にドラマデビューを果たしたウンジンが注目を集めたのはドラマ「賢い医師生活」(2020年)。いつも一生懸命で仕事に情熱を傾ける産婦人科研修医チュ・ミンハ役で好印象を残し、本作への大抜擢につながった。
ギルチェは片想い相手の気を引こうと一生懸命だった世間知らずのお嬢様から、戦争を経験しつらい思いをする中で、泥だらけになって周囲の人々を支えるたくましい女性へと成長していく。ウンジンの確かな演技力が、「トンイ」や「イニョプの道」といった女性を主人公にした一代記ドラマのような感動を与えてくれる。
ナムグン・ミン&アン・ウンジンの美しいキスシーン
戦の時代を背景として描かれるジャンヒョンとギルチェの運命の愛、そしてそれを実現させたミンとウンジンの息の合ったカップリングが、本作最大の見どころだ。
序盤なかなかギルチェに相手にされないジャンヒョンだが、彼女にどんなに冷たくされても「私を慕わずとも、忘れずにいてほしい。今日、私とともにいた瞬間を忘れないでください」とけなげで、勝ち目のない戦いに出ていく前には「私が運よく生きて戻ったらその時は、そなたの唇をください」と愛おしそうにギルチェを見つめる。そんな、普段は飄々としたジャンヒョンが時おり覗かせる器の大きな愛情が、ギルチェを、そして視聴者を飲み込んでいく。
2人のキスシーンも絶品。以前、バラエティ番組で「実際のキスと演技のキスは違う。実際には激しくキスしてもいいが、演技のキスは美しく見えるようにしなければならない」と告白して話題を集めたミン。そんな彼ならではの、ウンジンを上手にリードするキスシーンが時に甘く、時には切なく2人のロマンスを彩っていく。中でも、視聴率が10%の大台を突破した7話の初々しい初キスシーンは必見だ。
「今まで演技したパートナーの中で一番良かった」
史実を背景に、骨太な世界観で繰り広げられる切ない純愛が胸を打つ本作。韓国での放送時は、あまりの反響で当初よりも1話延長され、最終話は100分の拡大版で放送されたほどで、“韓国でもっとも愛されるテレビ番組”ランキングで2か月連続1位を記録した。
さらに放送後も「2023 MBC演技大賞」8冠、「第60回百想芸術大賞」作品賞&男性最優秀演技賞受賞、「2023 グリメ賞」5冠…など数々の受賞式で快挙を成し遂げ、空前の「恋人」ブームを巻き起こした。“演技の神”ナムグン・ミン史上最高の一作といって間違いないだろう。
特に「2023 MBC演技大賞」では、ミンの大賞とウンジンの女性最優秀演技賞に加え、2人がベストカップル賞も受賞。受賞発表前には、ウンジンが「この賞を獲得できてこそ『恋人』が完成するのではないかと思うので、絶対獲りたいです」と賞獲得に並々ならぬ意欲を見せ、隣に座るミンも「僕が今までに演技したパートナーの中で一番良かった。ここで獲れなければもう機会は二度とないだろうと思うほどすごくいい呼吸だったので、逃したくないです」と相思相愛ぶりを見せつけ、注目を集めた。
無事ベストカップル賞を獲得し、名実ともにこの年を代表するカップルとなった2人の熱演が光る「恋人~あの日聞いた花の咲く音~」は11月18日(月)から「衛星劇場」にて放送される。胸を打つ純愛にじっくり浸りたい名作だ。
◆文=酒寄美智子
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