【漫画】チンアナゴの帯に一目惚れし、初めて自分で浴衣を着て花火大会へ…浴衣初心者あるあるを描いた漫画に「着物きたい!」「はまりました!」の声
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、pixivコミックやコミックシーモアなど、各電子書店にて連載中の佐悠さんが描く『爛漫ドレスコードレス』より『はじめて一人で浴衣を着たらどピンチに陥った話』をピックアップ。
佐悠さんが2024年8月23日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、3.1万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、佐悠さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
和服の魅力に気づき始めた撫子
主人公の山田撫子(やまだ なでしこ)は、ある日、浴衣売り場でチンアナゴの帯と出会う。「ちょっと見てただけ」だった撫子だったが、チンアナゴの帯にはこれ、と思える浴衣を見つけ思い切って購入することに。
後日、友人との花火大会に購入した浴衣を着て行くことにした撫子。初めて一人で着た浴衣は、想像以上に暑く、さらに履きなれない下駄で足を痛めてしまう。困りはてていた撫子の耳に「着物警察」というワードが聞こえてきて、自分の浴衣の着方に不安をおぼえていたその矢先、突然絆創膏を持った浴衣姿の女性・鷹倉響(たかくら ひびき)に声をかけられる。
絆創膏をもらった撫子は、響が浴衣にサンダルを合わせたコーデをかっこよく着こなす姿を見て、浴衣に慣れていない自分に恥ずかしさを感じ、お礼を言ってその場を去ろうとする。しかし響から着付けを直させてほしいと言われ、トイレで直してもらうことに。
着付けを直してもらっている間、響に「浴衣の柄とチンアナゴの帯の組み合わせが面白くてつい手が出てしまった」と言われ、この柄が着たくて頑張ったことから感極まってしまう撫子。その様子を見た響は、化粧直しを手伝ってくれたり帯の結び方を教えてくれたりと、撫子の背中を優しく押す。最後にはその響からレースの足袋までもらって別れるのだった。
後日撫子が働いているお店に響がやってくる。警察であると名乗る響に、撫子は「着物警察さんだったんですか?!」と思わず声をかけて――!?
作品を読んだ読者からは、「着物に興味がある人もない人も、ぜひ読んでもらいたい」「着物好きな人増えて欲しい」など、反響の声が多く寄せられている。
作者・佐悠さん「普段着の着物の世界が面白い…」
――『爛漫ドレスコードレス』は、どのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。
連載をするにあたっていくつか案を挙げた中の一つでした。
普段着の着物の世界が面白いということは知っていたので、礼装ではなくTシャツでも行ける場所にしか行かない、浅〜い着物趣味漫画をやるのはどうかなと。
着物警察というワードから始まったアイディアで最初は響が主人公の予定でしたが、初心者で動かしやすい撫子の方が主人公になりました。
――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
私より詳しい人は大勢いますし、もっとわかりやすい本もたくさんあるので、リアリティを出すための情報収集はしつつも参考書ではなく娯楽作品であることは忘れないようにしています。
――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
今後の話にも繋がる「遊び」のセリフも勿論なのですが、撫子が初めて浴衣を着て出かけたときの立ち姿は数年ぶりに自力で着た姿を参考に描いたので「着方がリアル初心者!」と評判でおもしろ嬉しかったです。また、キャラの着方の差までよく見られているなと気が引き締まりました。
今は初心者から少し毛が生えて一応お免状もとったので、4巻の着装シーンで作者の成長を感じてください。
――読者からは「浴衣着たい」「お着物いいなぁ」などの反響もありました。佐悠さんご自身も浴衣や着物など和服を愛用されていらっしゃるのでしょうか?
学生の頃に普段着着物というものがあることを知り、古着屋さんへ行ってみたり浴衣で遠くの花火へ行ったりしましたが、当時は撫子のようには続かずやめてしまいました。
この漫画をきっかけに学び直し集め直し、愛用というほどではありませんが改めて着るようになりました。
当時の自分にもこんな出会いや出来事があったら、やめずに続けていたかもという気持ちもこもっているかもしれません。
――佐悠さんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。
最初の頃はわからないところを元和裁士の友人や茶道経験者の友人等に聞いたりしながら描いていたのですが、ありがたいことに協力してくださる本業の方が増えてきて、初期では描けなかったような話もできるようになってきました。
取材にも色々行って面白い話や体験したことが集まっているので、それらを出すまでは続けられるようにしたいと思っています。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
いつも応援してくださりありがとうございます!当初全7話の予定だったものがここまで続けてこれたのは本当に読者の皆様のおかげです。
今後もあまり肩肘を張らず、おやつでも食べながら気軽に読んでいただけたらと思っています。
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