『素晴らしき哉、先生!』ギャル生徒役で注目、古田愛理の芸能人としての原点
ドラマ『素晴らしき哉、先生!』(ABCテレビ)で、生田絵梨花演じる高校教師の担当クラス・3年C組に在籍するギャル生徒で印象を残した古田愛理。オーディションで勝ち取った役への向き合い方や、『Popteen』モデル時代に味わった苦悩について聞いた。(前後編の前編)
──『素晴らしき哉、先生!』での演技が話題です。古田さんが演じた磯田陽菜は、演じてみてどんな女の子でしたか?
古田 私とそっくりでしたね(笑)。実はクラスメイトの役作りはほとんど自分たちで考えていったんですよ。だから勉強も苦手だし、明るくて噂好きで、友達思いな女の子になり、自然体でやり切ることができました。
衣装についても、「最近流行っているルーズソックスはどうですか?」と私からアイデアを出したりもして。生まれて初めてルーズソックスを履きました(笑)。私物も活かしていて、アクセサリーも本当に使っていたものなんです。
──そんな磯田陽菜役はオーディションで決まったそうですね。
古田 陽菜役として応募したわけではなくて、4人1組に分かれて振られた役を演じていくというオーディション形式でした。その場で役を振られるので緊張しながらだったのですが、終わってみれば唯一演じることがなかったギャル役をいただきました(笑)。
──演じていないのに、ギャルの役になったんですか?
古田 そうなんです。真面目な性格の子や、無口な子の演技を見せていったんですけど、ギャルの子だけは私に回ってこなくて。もし素の雰囲気で「私に任せたい」と思ってもらえたんだったら、うれしいなと思いますね。
──撮影現場の雰囲気はどうでしたか?
古田 クラスで、絵しりとりを流行らせていました。休憩時間にずっとやっていたんですよ。隣の席の月野有菜ちゃんや、斜め後ろの真雪ちゃんとぐっと距離が縮まって、プライベートでも週に1度は会っています。
──そんなに仲良くなるほど流行っていたんですね。
古田 小道具として筆記具とノートがあるから、いつでもできるんです。何ページ使ったか覚えてないほどです(笑)。
──ちなみに古田さんは、絵に自信は?
古田 あまり……(苦笑)。中学時代に美術部だったのですが、幽霊部員でしたから。
──今年で22歳を迎えられましたが、今作のほかにも制服を着る役が続いていますよね。
古田 自分的にはさすがにきつくなってきたんじゃないかなって思っています(笑)。でも『素晴らしき哉、先生!』では、みんなで今のリアルな高校生を追求したので、また高校生活を送れた気がして楽しかったです。
──古田さんはリアルの高校時代もやはりギャルだったんでしょうか?
古田 陽菜ほどではないですが“陽キャ”でしたね。勉強も苦手で、授業中に気づいたら落書きをしてしまっていたり。中学時代には最前列なのに授業中に寝てしまっていたこともあります(苦笑)。でも本当は、私より2人のお姉ちゃんの方がギャルですね。陽菜が回ってきたのも、姉の影響で潜在的なギャルらしさがあったせいかもしれません。
──その頃から、出身地である岐阜県でご当地アイドル「jamini」として活動していましたね。
古田 実は友達と興味本位で始めたもので、アイドルへのこだわりは強くありませんでした。ただ、ダンスは小学2年生からずっと習っていて、名古屋にあるEXPGのダンススクールに通っていたんです。
──EXPGってEXILE PROFESSIONAL GYMですよね?
古田 そうです。もともと母がEXILEさんのファンだったんですけど、私もEXPGに通ううちに好きになって。いつかバックダンサーになりたいと思ってレッスンを受け続けていました。
小学5年生のときには選抜メンバーに選ばれて、EXILEさんのナゴヤドーム公演でバックダンサーとして踊ることができました。
──すごい経験ですね。
古田 あのときステージから見えた客席の景色は今でも忘れられません。お客さんがみんな笑顔で……。これから先もこんなキラキラした体験がしたいと思った、芸能のお仕事を目指す原点ですね。
──その後、2018年1月に中学3年生で『Popteen』の専属モデルに選ばれました。
古田 憧れだけでオーディションを受けてモデルの世界に飛び込んだので、現実を思い知らされて、振り返ると……しんどかったです。お仕事のたびに岐阜と東京を往復していたんですけど、初めてのことばかりだし、とにかく忙しくて、仕事をこなすのに必死でした。挨拶もぜんぜんできていなかったので、礼儀から教えてもらいましたね。
──1年目の12月にレギュラーモデルに降格となり、復帰をかけてリアリティーショー(ABEMA『Popteenカバーガール戦争』)に参加したりといった波乱もありましたからね。
古田 「レギュラーモデルに降格します」と告げられたので、そのときは泣きました。でも泣いても何も変わらないし、再起のチャンスももらえたので、後輩と一緒にいろんなミッションに挑戦して、翌年の2月に専属モデルに復帰することができました。苦い記憶です。
──10代で、ハードながら全力で頑張ってきた日々ですね。
古田 でも芸能界入りして最初にこういうハードな経験を積んだので、強くなれたなと思います。『Popteen』での経験がなかったら今の私はありませんし、思い出話にできるくらいには成長できました。おかげでどんなお仕事にも、動じないでどっしり構えていられます!
(取材・文/大宮高史)
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