今年3月に日芸演劇学科を卒業した22歳の新人・野沢こうへい、俳優業の魅力は「自分ではない人物の人生を過ごせるところ」
『ワタナベ次世代オーディション2024』や、『キューブ10代俳優オーディション〜男子もまた、そのままのあなたで来てください!〜』、アミューズ×賢プロダクション×キングレコード3社による『2024声優アーティスト育成プログラム・セレクション』など、注目オーディションが目白押しの今夏。オーディションサイト『デビュー』では、“オーディション”を経て芸能界デビューを果たした、先輩スターの【オーディションエピソード】を紹介。今回は、今年3月に日本大学学芸術学部演劇学科演技コースを卒業し、4月期TX木ドラ24『25時、赤坂で』をはじめ、ドラマや舞台などで活躍中の野沢こうへいに、芸能界に憧れたきっかけやオーディションで心がけたこと、今後の目標などを聞いた。
【トライアングル所属/野沢こうへい(のざわ・こうへい)インタビュー】
――芸能界に憧れたきっかけは?
「高校の吹奏楽部の定期演奏会で毎年簡易的なミュージカルを公演していたのですが、それに出演した際に役作りの楽しさに気が付きました。また、舞台に立ったときの高揚感、アンケートで見ず知らずの人に評価される喜びに魅了され、もっとこの世界を知りたいと思ったことがすべての始まりです」
――現在の所属事務所に応募した理由を教えてください。
「事務所を探し始めたときはどこの事務所が良いかなどの細かい情報がわからなかったため、とにかくたくさん応募して自分を選んでくださったところとのご縁を大切にしたいと考えました。書類選考通過して直接お会いした何社かのうち、一番対応が丁寧で、私のことをしっかりと見てくれていると感じたところが今の所属事務所です」
――応募書類では、特にどんなことをアピールしましたか?
「とにかく自分の個性的なところを伝えたかったため、なるべくありふれたことを書かないようにしました。特に僕は趣味・特技が多いのですが、ギター等のありふれた特技は後回しにして、『道端の草の名前大体わかります』や、『折り紙で頭3つの鶴折れます』など、変わったものを具体的に書くようにしました」
――面接審査でアピールしたことは?
「何をアピールしたかは正直具体的なところは覚えていないのですが、“相手がその質問で何を聞きたいのか”を丁寧に考えて答えるようにしていました。そこに注視すればその事務所が求めている要素も自ずと見えてくるので、自分の中から一致している部分を抜き出してアピールしていました」
――デビューを掴み取るまでにどんな努力や準備をしていましたか?
「とにかく自分のことをよく知る努力をしました。何が好きで何が苦手なのか、何がしたいのか、何ができるのか。他人に自分を売り込む以上、売り込む物の事を熟知していなければ魅力を伝えられないので、自問自答したり書き出してまとめたりして、とにかく細かく自己分析をしました」
――所属事務所はどんなところですか?
「高圧的でなく、かと言って下手に出ることもなく、同じ目線で寄り添って丁寧な対応をしてくれる事務所です。僕の意向を細かく汲み取って応えてくださり、連絡もかなりまめでやり取りが滞りなく進みます。至らないところや知らない点があると丁寧かつ適切に指導していただけます。こちらの熱意に同じだけの熱意を持って応えてくれます」
――事務所に所属してみて、一番驚いたことは?
「ドラマのスケジュールの過酷さです。朝5時集合、夜10時解散の日がザラにあり、今日は新宿、明日は静岡で現地解散、といった移動もありました。しかしそれ以上に驚いたのは、撮影スタッフの方々の過酷さです。俳優がそのスケジュールということは、当然スタッフさんはそれより早い時間から遅い時間まで作業しているので、本当に頭があがりません」
――初めての仕事で印象に残っていることはどんなことですか?
「初仕事は高校球児ドラマのエキストラだったのですが、まるで高校生に戻ったかのような体験ができてとても楽しかったです。また、憧れの有名俳優さんに実際にお会い出来て、第一発目の仕事としては、この上なくモチベーションの上がるワクワクさせられるものでした」
――この仕事の魅力とは?
「自分ではない人物の人生を過ごせるところです。普通に生きていたら絶対することがなかったであろう行動、発言を自分のモノにする過程はとても楽しくてワクワクします」
――逆に大変だなと感じていることは?
「役作りや演技力など技能面のこともありますが、やはり一番大変なのは体調管理です。交通や撮影の都合などでどうしても無茶なスケジュールが発生してしまうことはあるので、睡眠時間や食事の時間が確保できないことも多々あるのですが、自分が体調を崩してしまったらその仕事の全員の仕事が進まなくなってしまうので、少しでも睡眠を、少しでも栄養を摂るようにして意地でも健康を維持しています。イジだけに」
――マネージャーさんやスタッフさんからのアドバイスで、心に残っている言葉はありますか?
「舞台の稽古中、『自分を魅せるには周りを活かすこと』と言われたことがとても印象に残っています。それまで僕はいかに自分の役を立てるか、面白くできるかという観点で作りこんでいたところ、どんどん自分の役が浮きがちになってしまっていました。そこで言われたのがこの言葉です。そこから周りを魅力的に活かすことに視点を変えて立ち回りを考えるようにしたら、徐々に自分の役が馴染んで映えるようになってきました」
――これまでで一番影響を受けた作品や芸能人は?
「絶賛探し中です! 私は作品や俳優に憧れて、ではなく自分のやってみたい!という気持ちに突き動かされてここまで進んできたので、明確にこれに影響を受けた!と言えるような作品や俳優さんがおりません。しかしそれは私がまだまだ何も知らないが故なので、いつか、そうしたものに出会えるときを楽しみにしています」
――今後の目標を教えてください。
「まず今目標にしていることは、ドラマで名前のある役をいただくことです。『25時、赤坂で』の録音スタッフ役では一応設定上の名前はあったものの、クレジットに乗るような名前はなかったので、そういった役をドラマで務めたいです」
◆担当マネージャー・スタッフからの推薦コメント◆
「今年3月に大学を卒業するあたりから、ドラマ撮影・舞台稽古を並行しての稼働は初めてばかりののこともあり、戸惑う事も多かったと思いますが、体調管理に留意しながらきちんとこなしてくれたことが本人の今後の自信・モチベーションにも繋がっていると考えています。
仕事は何でも受けてみようというポジティブな性格、そしてアウトプットとして次の作品に繋げてくる力は新人ながら賞賛に値すると思います。
今はがむしゃらに与えられた仕事をこなす毎日ですが、共演者や作品から今後、今以上に多々学んでくれると信じています」
【プロフィール】
野沢こうへい(のざわ・こうへい)●2001年10月4日生まれ、千葉県出身。
■主な出演歴
ドラマ『下剋上球児』生徒エキストラ
ドラマ『25時、赤坂で』録音スタッフ 役
舞台『へなちょこヴィーナス』友部将 役
舞台『Starting Over』小菅陽二 役
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