

福田沙紀、“1話1分”のショートドラマで初監督『聞いていたのと違う、どうしよう』 「ライフ」で感じた刺激が糧に<大人に恋はムズカシイ>

福田沙紀が初監督を務めるショートドラマ「大人に恋はムズカシイ」が、7月8日(月)夜6:00よりショートドラマ配信アプリ「BUMP(バンプ)」にて配信スタート。同作は、大人になり忖度やプライドが捨て切れない一人の女性が、年下男性と出会い、その真っすぐな思いに感化され素直に愛する気持ちを取り戻していく物語。
このたび、Z世代女子を中心に人気を集める1話3分のショートドラマ配信アプリ「BUMP」の初の試みとして、“1話1分”のショートドラマが誕生。全29話にもわたる同作で監督に初挑戦した福田と、「BUMP」代表取締役の澤村直道が対談を行い、新たな挑戦に懸ける思いや作品に込めたメッセージを語った。
「20歳くらいの時から作品づくりに興味があった」
――今作で監督を務めることになった経緯を教えてください。
福田:元々20歳くらいの時から作品づくりに興味はありましたが、そんな機会はもちろんありませんでしたし、簡単に挑戦できるものではないと思っていました。
でも、30歳になる前に長年お世話になった事務所を退社し、コロナ禍を機に自分のYouTubeチャンネルを立ち上げて。今までは会社があってマネジャーさんがいて動いてくださる方々が周りにいるという環境にいたけど、撮影も編集も「まず自分で全部やってみよう!」というふうに自分の中のシフトを変えてみたんです。
それこそカット割りや音楽の付け方、独学でやっている韓国語や日本語の字幕を付けるなど、映像制作の過程を実際に体感してみると、すごく楽しくてワクワクして。そんな時に、同じ熊本県出身で、「BUMP」で作品づくりをされている山口龍大朗監督からお声掛けいただき、澤村さんともお話しして、今回の機会をいただいたという形です。
――長年俳優として活動する中で、裏方に興味を持ったきっかけのようなものはあったのでしょうか?
福田:デビュー以来、演者という部署で作品づくりに関わらせていただきましたが、現場に行けば行くほど、シンプルに「1からの作品づくりの過程を見てみたい」という気持ちが芽生えていきました。
特に大きな刺激を感じた作品は「ライフ」(2007年、フジテレビ系)でしょうか。例えば、歩(北乃きい)が靴箱から靴を取って、扉を閉じたら後ろに突然、私が演じるいじめ加害者の愛海がいる、といったゾッとするようなカメラワークや演出が印象的で。
監督やカメラマンさんをはじめ、全てのスタッフさんの集大成、総合芸術ですよね。現場でそういうワクワクを積み重ねる中で、自分の中のクリエイティブへの気持ちがどのように存在しているのかも確かめたくなったし、“ゼロイチ”を作るということを知りたいなと思うようになりました。
突然の進路変更に驚き「聞いてた話と違うじゃない!」
――脚本家の灯敦生さんや俳優陣を含め、若いクリエイターの方々とのお仕事だったかと思いますが、作品づくりの現場はいかがでしたか?
福田:もうすぐデビュー20周年ですが、今までどうしても現場では自分は周りより年下という感覚があったので、周りのスタッフさんに「あのドラマ見てました」と言われるなど、作品の印象から入られることが不思議な感覚でした。
そういう言葉がシンプルにうれしいですし、スタッフの皆さんとどれだけいいものを作れるか、気合が入りましたね。最初は「BUMP」さんからいくつか企画をご提案いただいて、それをブラッシュアップしていく作業でした。
脚本は灯さんにベースを作っていただいた上で、監督として書かせていただいた部分もあります。演者として一番やりやすい流れ、心情の部分の交通整理をさせていただくような形です。
最初は1話3分の全10話予定でしたが、進んでいくうちに市場の変化があったようで、澤村さんから「できれば1話1分、30話を目指そう」と言われて、もうびっくりでした(笑)。「ちょっとちょっと!聞いてた話と違うじゃない!」みたいな(笑)。
要は1話の中で“最初の引っかかり”と“次が見たくなる最後のフック”を元々は10話分、最低でも20個は必要だと思って考えていたところが、30話になったことで60個作らなくちゃいけなくなったんですよ(笑)。その時はちょっと焦りましたね。
――3分尺を1分尺に変更するに至る“市場の変化”について、具体的にお聞かせください。
澤村:ショートドラマの市場は中国がすごく進んでいて規模も大きいのですが、その中国の作品は大体1分半とかで展開されているんです。
うちは3分が主ですが、その3分の中の1分間とかを切り抜いてSNSのショートに投稿していたりしたんですよ。そしたらSNSで最初にそのショート動画に触れて興味を持って「BUMP」に入ってくれた方から「1分の方が見やすい」という声があったりして。もう3分でも長いんですよね。
僕が事業を立ち上げた際も、本当は1話1分を目指していましたが、脚本を作る中で、なかなか難しいなと感じて3分にした経緯があったので、この作品で1分に挑戦してみたいですという話をさせていただきました。沙紀さんにも柔軟に対応いただいて…。
福田:「やんなきゃ!」って感じでした。結局どんなお仕事でもいろいろな変更は絶対出てくるし、それにどれだけ柔軟に対応していいものを作れるかじゃないですか。
私はどちらかというとそういう方が燃えるタイプなんですよね。初監督なのに「聞いていたのと違う、どうしよう」とも思いましたが、そういう制限の中で「より良いものを!」というところにとにかく燃えました。
――1分ドラマだからこそ必要になる、演出の工夫はどんなところでしょうか?
澤村:“間の詰め方”といった部分は、沙紀さんはすごいなと思いました。映画やドラマをやられてきた方だと、そのルールの中で最適なものを作りたくなりがちなんですが、ショートドラマって映画やドラマとは競技が別物なので、柔軟性を持つのは結構難しいんです。
自分が作り上げてきたものを壊しながら新しいものに挑戦しなきゃいけないと思うんですが、沙紀さんは現場でも「これは長すぎるよね」とご自身から提案してどんどん間を詰めていくんです。
他の監督って結構間を取りたがるんですが、沙紀さんは逆で。短さを追求するとチープになりがちなんですよ。大事な間や感情のつながりが飛んじゃったりするので。でもそこを担保しながら、ただ長くない、くらいの絶妙なバランスを作ってくださいました。
福田:そりゃ、役者側からすると“間”って大事ですよ。気持ちの流れというものがあるので。でも自分の中になんとなくのテンポというのが感覚としてあって、それさえあまりに崩さなければ大丈夫だと思って演出していました。
脚本についても、私も役者をやっているからこそ、せりふの順番や言い回しなどの「気持ち悪さ」「引っ掛かる部分」をできるだけなくしてから俳優部に脚本が渡るように交通整理をさせていただけたかなと思っていて。灯さんとも確認しつつ、一緒にアプローチするのがすごく楽しかったです。
それで撮ってみていざ編集段階に入った時も「あ、いける」と思って。短いとも長いとも感じず、成立していたなと。
自分の頭の中のものをどんどん組み立てていく作業がめちゃくちゃ楽しく、撮影期間は5日間くらいでしたがずっとアドレナリンが出ていて、集中が切れる瞬間も全くなくて。むしろ“最強モード”というか。自分が引っ張らなくてはという気持ちもあり、全力で楽しみました。
30歳で迎えた転機「『なりたい自分になりたい』と思えた」
――今作は30歳という年齢を機に、安心できる元彼との結婚か、自分を慕ってくれる年下男性と新たな恋に踏み切るかに悩む女性・美冬(下京慶子)が主人公ですが、どんな方に見てほしいと思って作られましたか?
福田:やはり「BUMP」は女性のユーザーが圧倒的に多いので、大人な恋愛をテーマにターゲットは女性を意識しました。特に女子会シーンの会話は、自分自身が友達と話している時の話題の一つだったりするので、私も共感できるところはありますね。
澤村:女性って、本当はそんなに関係ないのに、やはり30歳という年齢に焦りを感じてしまうことがあると思うんです。その中で選択を迫られた時に、本当はこうしたいのに周りからの見え方を気にして本来の選択ができなかったりする。
沙紀さん含め、プロデューサーと脚本家も30歳前後の女性なので、自分たちが体験していることや悩みを取り入れて、それが同じように悩んでいる人たちに届いて、ポジティブになるきっかけになればと思いながらやっていました。
福田:主人公の美冬は30歳ですが、私も30歳の年に何の予定もない中会社を辞めるという選択をして。その時は今を逃すと初心に戻ってチャレンジすることがどんどん怖くなるんじゃないかと思ったんです。
事務所でいろいろな方に気遣っていただきながらお仕事をする中で、もっと本気の言葉が欲しい瞬間というのもあったりした中、思い切って会社を辞めたことで、初めて自分を知れたんですよ。自分の苦手なことや嫌いなこと、駄目な部分がしっかり見えて「なりたい自分になりたい」と思えたんです。
周りの話を聞いていても、こういうことは私くらいの年代の方には起こりがちみたいで。だから美冬もそんな中で8歳も年下の子にアプローチされた時、つい先のことを考えて好きになる理由や条件について考えてしまって、お互いよく知っている元彼と寄りを戻した方がいいのかも、と思ったりする。
そういうシンプルな思い、シンプルなせりふが詰まっているので、見る人たちにも軽快に見ていただいて「そうだよね」とか「頭では分かってるんだけど」と、共感しながら楽しんでいただきたいです。
今って何歳からでもいろいろなことに挑戦できる。周りを気にして一つ一つのことに慎重になるより、「思いっきり失敗したっていいじゃないか」と考えるようになると楽になるんです。そういう前向きなメッセージも、作品から感じていただけるのではないかと思います。
――ご自身が美冬と同じ立場に置かれたら、慣れ親しんだ元彼の大輝(平田雄也)と結婚するか、年下の隼人(平井亜門)と新しい恋愛を始めるか、どちらを選ぶと思いますか?
福田:これだけ「新たな挑戦」みたいなことをお話ししていて、年下の男性に行きそうだと思われるかも知れないですが、私は大輝かも知れないです。
今は仕事、みんなでものづくりをしているのが楽しすぎてそちらにエネルギーを注いでいるので、新たな恋愛を構築するエネルギーは自分にはないというか。現時点の私では、マジでないです(笑)。あるいはどちらも選ばないかもしれないですね。
――最後に、今後の展望や挑戦していきたいことをお聞かせください。
福田:今回監督に挑戦したことで、作品づくりが好きだという気持ちがさらに強くなりましたし、お芝居に対する気持ちも再認識させていただきました。これからも演者としても監督や裏方としても積極的に活動したいです。
初監督でこの短さを経験したので、そこへのハードルというのはもうないので、澤村さんとはいい形で今後もこういうことをやれたらいいねという話をしています。
澤村:ご一緒してみて沙紀さんという人が分かりましたし、沙紀さんにあったやり方でもっと何かができそうだなと思っていて。例えばドラマ以外でも何か一緒にできたらいいなと思います。
「BUMP」としては、隙間時間にストーリーのコンテンツに触れていただいて、その人物がストーリーの中で経験していることを疑似体験しながら、自分も一歩踏み出そうと感じてもらえるようなものを提供したいという思いでやってきた中、今回もそういうメッセージ性のあるものを作れたかなと。
一方で、立ち上げた当初の思いとして、ドラマや映画という場所にもっと多くのクリエイターが挑戦できる間口を広げたい、ここがそういう場所になればいいなという思いがあって。
ショートドラマは商業映画やテレビドラマより圧倒的にトライしやすい環境なので、もちろん新人の方や、例えば沙紀さんのように役者として活躍されてきた方が今後作り手に回りたいと思った時に挑戦する場所にしていただきたいと思っています。
2カ月前からサービスを韓国でも展開し始めたので、ここから世界で戦えるようなコンテンツが生まれていったらいいなと。今がチャンスの時だと思うので、どんどん新たな挑戦をしていきたいですね。
「大人に恋はムズカシイ」あらすじ
「別れて欲しい。美冬は…俺がいなくても生きていけそうだから」と言われ、結婚を考えていた彼氏・大輝(平田雄也)に振られてしまった29歳の美冬(下京慶子)。
彼氏にとっても自慢の彼女になるために、社会からも女だからと舐められないように努力してきたが、そこには理不尽な別れが待っていた。
一人でヤケ酒をして帰った翌朝、美冬の隣には子犬顔の年下男子・隼人(平井亜門)がいた。「本当に一人で生きていきたいの?」と隼人に尋ねられ、美冬は自分自身の気持ちに素直になることを学ぶ。
年齢も立場も全く違う2人。理性では交わらない方がいいと分かっていながら、美冬は隼人に引かれていく。
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