

「文豪とアルケミスト 旗手達ノ協奏(デュエット)」に出演する泰江和明、「生き急いでいた」と語る俳優人生を変えた大きな出来事

ミュージカル「新テニスの王子様」、舞台「呪術廻戦」など、人気作への出演が後を絶たない俳優・泰江和明。6月6日(木)より上演される舞台「文豪とアルケミスト 旗手達ノ協奏(デュエット)」にも小林多喜二役での出演が決まっており、活躍が期待されている。
そんな彼に、最新作への意気込みはもちろん、俳優を志したきっかけ、そして俳優人生のターニングポイントとなった作品について熱く語ってもらった。
映画「マトリックス」の影響でアクロバットに興味
――高校時代にはダンス、大学時代にはダブルダッチをやられていたとのことで、人前でパフォーマンスすることがもともとお好きだったのかなと思ったのですが、芸能界を意識したのはいつ頃ですか?
大学4年のときですね。最初は普通に就職をする予定だったのですが、将来について真剣に考えたときに、このまま就職してしまうのは何か違うなと思ったんです。自分にしかできないこととはなんだろうといろいろと考えた結果、俳優を目指そうと思いました。
――これまでの経験を活かしたダンサーやダブルダッチのプロを目指すのではなく、演劇の道へというのは、どのような理由が?
憧れが大きかったんだと思います。幼少期から母子家庭で、母親が働きに行っている間、家に1人でいることが多かったんです。だから、「金曜ロードショー」や「土曜洋画劇場」を観ながら母親の帰りを待っていました。そうやって触れていたから、自然と映画が好きになったんだと思います。
――幼少期の頃からたくさんの作品を観ていたとのことですが、特に好きな作品や憧れている俳優さんはいますか?
一番好きな映画は「マトリックス」(1999年)で、好きな俳優さんはキアヌ・リーブスです。この作品にはめちゃくちゃ影響されていて、アクション、アクロバットに興味を持ったのも、この作品がきっかけです。
――では、ダンスも何かの作品から影響を受けて?
いえ、ダンスはただみんなでやるのが楽しそうという軽い気持ちで始めました。舞台作品に出させていただく中で、こんなにもダンスやアクロバットを活かすことができるとはまったく思ってもいませんでした(笑)。
「文劇7」では「アクションをする自分を見てほしい」
――幼少期から憧れていた俳優として活躍する中で、やりがいや魅力はどういうところに感じていますか?
舞台に限ったことではないのですが、作品に携わることで起きることすべてがやりがいだと感じています。情報解禁をした際には、僕のファンの方はもちろんですが、原作キャラクターのファンの方も喜んでくれたりするので、たくさんの人たち反応を見ることができるのも楽しいし、うれしいです。
舞台の幕が開いたら、お客さんの反応は舞台上からも見えますし、SNSを通して感想をいただくこともできるので、それも喜びです。中には、僕の舞台を観に行くために仕事を頑張っていますとか、頑張って生きていますと言ってくださる方もいらっしゃって。ファンの方と俳優の関係って面白いなと思いつつ、そういう言葉をいただくと僕も頑張らないと、と気合いが入ります。
――泰江さんの存在が、ファンの方にとっての日々の活力になっているということですからね。
本当にありがたいことですよね。僕は半年前にけがをして動けないという状況になって、周囲の方々への感謝をより一層感じるようになりましたし、自分で思っていた以上に人前で動いて仕事をするということが好きなんだなとも実感しました。だから、本当にこの仕事はすべてがつながっているし、そのつながりの一つ一つが面白いと思っています。
――6月6日(木)から上演される舞台「文豪とアルケミスト 旗手達ノ協奏(デュエット)」にもご出演されますが、それこそ情報解禁の時は大きな反響があったのでは?
すごくありましたね。本当にたくさんの方から愛されている作品なんだなと改めて感じましたし、多くの方が想像以上に喜んでくださったので、とても驚きました。
――稽古場の雰囲気はいかがですか?
本作は僕も含め、関西ご出身の方がとても多いんです。演出家の吉谷晃太朗さんや主演の谷佳樹さんもそうですし、メインキャストの半分以上が関西人ですね。こんなに関西弁が飛び交う現場はあまりないので、新鮮な気持ちです。しかも、谷さんとは出身地がまったく一緒で、そこでも不思議なご縁を感じました。
――では、本作はご自身にとってどのような作品になりそうでしょうか?
「文劇」は本作で7作目になるのですが、長く続いている作品ということがあってか、稽古中にキャスト同士ですごく話し合って作り上げている作品なんですよね。それが「文劇」ならではという感じがしてとても面白いなと思っています。
そして何よりも、本作はアクションシーンも見どころの一つなのですが、久々に動けるようになった僕を皆さんにお見せできるというのが本当にうれしいです。リハビリとトレーニングを同時並行で行っていて、回復を感じています。だから、たくさん期待していてください!
作品を広めるために必死だった頃の貴重な経験
――では、これまで共演した方の中で、特に印象に残っている方や影響を受けた方をあげるとしたら?
作品ごとにいらっしゃるんですけど、まずはKYOTO SAMURAI BOYSで共演していた福澤侑と里中将道ですね。この2人からはパフォーマンス面はもちろん、たくさんの影響を受けたと思います。2.5次元作品とは違って知名度がまったくない状態でのスタートだったので、みんなでチラシ配りをしたり、ファンの方々も頑張って作品を広めてくれたりと、みんなで一緒に作品を応援してくれる人を増やしていく、一緒に力をつけていくという感覚でした。
どうやったらもっと広められるかと必死に考えていたし、お客さんが増えたら「ちょっと増えたね!」と喜んで、反対にあまり動員がよくないと「平日は厳しいからもっと拡散しようぜ!」と声をかけあっていました。そういう経験を一緒にできたのは、とても貴重だったなと思います。
――デビュー間もないからこそできた経験かもしれないですね。
あとは、ミュージカル『新テニスの王子様』で共演した相葉裕樹さん、高橋怜也もそうなのですが、わりと最近の作品でいうと舞台「呪術廻戦」で出逢った佐藤流司と三浦涼介さんですね。
――具体的にどういうところから影響を受けたのでしょう?
佐藤流司に関しては、僕と同い年というところがとても大きいです。同い年で、2.5次元作品界のトップを走っている人なので、パフォーマンス面でも、人としての在り方という部分でもすごく刺激をもらいました。そして、三浦涼介さんは圧倒的な存在感がある方です。涼くんはまさに芸能人!という人で(笑)。言葉遣い、現場での居方、服のセンスと、すべてがかっこいいんです。舞台上だけじゃなく、舞台を降りた状態でもかっこいいと思わせてくれた人なので本当に衝撃でした。
――佐藤さんは同い年で2.5次元作品界のトップランナー、そして舞台「呪術廻戦」では座長も務めていましたが、一緒に過ごす中で教わったこと、背中を見て学んだことなどはありますか?
感覚的なものなので言葉にするのは少し難しいのですが、流司の現場でのどしっと構えた居方というのは、同年代ではなかなかできないことだなと思いました。たぶん、いい意味で緊張しない人なんですけど、でもきっとそれをうまく隠しているだけなんだろうなとも思うし、そういう周囲への自分の見せ方がすごく上手だなと。
僕が演じた伏黒恵と流司が演じた虎杖悠仁は、ポジションも性格も真逆なんです。だからなのか、以前、流司が「NARUTO-ナルト-」という作品でうちはサスケを演じていたときのことを話してくれたんですよ。たぶん、「NARUTO-ナルト-」では流司が僕側のポジションだったからだと思うんですけど。どうやってサスケを演じていたか、何を意識していたか。それを話してくれたのはすごくうれしかったですね。
舞台だからこその表現「泰江和明が演じる意味はどこにあるんだろう」
――それはとても貴重なお話ですね。
役の捉え方が変わったのも「呪術廻戦」だと思っています。それまでは、とにかく原作キャラクターを研究して、声、仕草を完璧に再現するやり方を求められてきたのですが、「呪術廻戦」ではキャラクターを完璧に再現してほしいとは言われなかったんです。演出家さんによってやり方はさまざまだということを、この作品で教えてもらいました。
もちろん、原作を再現するというのは当たり前ですが、舞台で表現するにあたって、どうしても変えなきゃいけない部分もあります。アニメや漫画ほど細かくはできない舞台というフィールドで、それをどう表現するかということを考えなきゃいけないんだなと。同時に、泰江和明がそのキャラクターを演じる意味はどこにあるんだろう、とも考えるようになりました。
――俳優人生の中でもターニングポイントとなった作品だったんですね。最後に、俳優としての将来のビジョンについても教えてください。
けがをする前は、もっと売れたいとか、たくさんの作品に出演したいと思っていたのですが、今は前ほどそう思わなくなりました。これまでは、「この作品を通して力をつけて、もっともっと上に行かなきゃ」と生き急いでいたなと。それが楽しくもあったけど、けがをしてから、一つ一つの作品へのありがたみが自分の中で大きくなっていったんです。
人気作だから、有名作だからとか関係なく、今目の前にある作品に向き合って、どの作品でも同じ熱量で取り組むというのが大切なんじゃないかなと。むしろ、作品によって自分の意識を変えている時点で、それ以上、上には行けないんだろうなとも思うようになりましたね。
――肩の力が少し抜けたんですね。
本当にそうだと思います。いい感じに抜けたのかなと。けがをしてぶっ壊れたら意味ないなとすごく感じたし、でも、 それらはけがをしなきゃわからなかったことだと思うんです。だから、このタイミングで立ち止まって、いろいろと考えるいい時間にできたことはよかったのだと思います。けがをしてよかったとは思わないけど、意味のあることだったのかなと感じています。
◆取材・文=榎本麻紀恵
撮影=八木英里奈
スタイリスト=齋藤良介
ヘア&メーク=上野彩紗
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