

実写ドラマ『からかい上手の高木さん』の再現度に称賛の声続出、今泉力哉監督「意識したのは派手なことを削いで、生っぽく」

深夜ドラマ枠「ドラマストリーム」にて『からかい上手の高木さん』(毎週火曜深夜11:56-0:26、TBS系※放送時間は変更になる場合があります、一部地域を除く)が現在放送中。シリーズ累計発行部数1200万部を突破した山本崇一朗による同名コミック「からかい上手の高木さん」(小学館「ゲッサン少年サンデーコミックス」刊)が原作の同ドラマは、その再現度の高さからSNSなどでは「実写化と聞いて感じていた不安を見事吹き飛ばしてくれた」「マジで神ドラマ、原作の雰囲気がよく出ている」などといった声が上がっている。WEBザテレビジョンでは、ドラマ、そして5月31日(金)公開の映画の監督を務める今泉力哉氏にインタビューを実施。実写化するにあたって意識したことや、キャストたちの裏話を明かしてくれた他、アニメの舞台として聖地となっている香川・小豆島での撮影を振り返ってもらった。
“照れたら負けのからかい青春ラブコメディー”を実写ドラマ化
“照れたら負けのからかい青春ラブコメディー”と銘打つ本作でW主演を務めるのは月島琉衣と黒川想矢。数回のオーディションを経て、物語の中心となる高木さん役と西片役をそれぞれ勝ち取った。
月島は隣の席の西片をいつもからかって楽しんでいる高木さんを、黒川は高木さんに何かとからかわれてしまう西片をフレッシュに好演。また、原作の10年後を描く映画では、高木さんを永野芽郁が、西片を高橋文哉が演じる。
実写化に対する感想は「めちゃくちゃ見ています」
――地上波放送が間もなく折り返しとなりますが(※取材は4月下旬に実施)、SNSに投稿されている視聴者の方の感想はご覧になっていますか?
良い意見も、悪い意見も、めちゃくちゃ見ています(笑)。元々原作がすごく人気ですし、実写化自体にいろんな反応があることは分かっていました。
実写化が発表された当初は、ドラマなのか映画なのかも明かされていなかった中で、私の名前だけが公表されたこともあり、SNSなどで私あてにいろんな意見や希望が届いていました。
その中で多く見られたのは、「(大人の俳優が中学生を演じたりしないで)実際に中学生くらいの年齢の人に演じてほしい」というのと、「小豆島で撮影してほしい」という2点。内心「小豆島で撮るし、中学生でやるよ」と思いながらも、情報解禁まで何も言えませんでした(笑)。
これだけの人気作品なので、不安があるのも分かります。でも、いざ放送が始まると、原作ファンやアニメのファンで「三次元では無理だろ」と考えていた方々からも好意的な感想が届いて。それはとてもうれしかったですね。
月島琉衣&黒川想矢は「真逆でもあり、ある種似ている部分もある」
――原作ファンも多い本作を実写化する上で意識したことを教えてください。
正直、最初は引き受けるか迷いました。これまで私は中学生や高校生など学生の恋愛作品をあまり手掛けてこなかったので。でも原作を読んでみたら、派手な出来事があるというよりも繊細な日々のやり取りを積み重ねている印象があって。自分がこれまで作ってきた作品や興味があること、こだわっていることと、作品の温度感が近いなと感じて。これなら自分がやる意味があるんじゃないか、何か面白いものにできるんじゃないかと思い、引き受けることにしました。
原作もアニメも素晴らしい作品ですから、それを実写化することの意味やどう描くのかはすごく考えましたが、小豆島で撮影できたこともあり、実写だからこそ生まれた初々しい照れやキュンキュンが新たに表現できたと思います。
自分が加わる1~2年くらい前から、プロデューサーと脚本家は打ち合わせを進めていて、台本も1回上がっていました。自分は途中から加わる形になったのですが、脚本直しの過程で特に意識したのは、派手なことを削いで、原作に近づけるように生っぽくしていったことです。
同世代の視聴者であれば隣のクラスで起きている出来事のような、少し上の世代であれば、まるで自分の青春時代を思い出したりするような、等身大の空気感にしたかったのです。
――高木さんを演じる月島さん、そして西片を演じる黒川さんの印象はいかがですか。
お二人は真逆でもあり、ある種似ている部分もある、そんな印象です。月島さんはすごく明るくて元気。クランクアップ後に「撮影の日々はどうだった?」というお話をする機会があったのですが、「毎日、夜、お母さんに電話をして『今日も120%できた!』と伝えてました」と聞いて、その真っすぐさがすごいなと。
黒川くんは、どちらかというと「西片になれた瞬間はあったかな…」と悩んでいるくらいだったので、二人はある種、真逆のタイプ。でも、黒川くんも基本的には素直で明るいんです。二人とも純粋でかわいらしくて。そこは似ている気がします。
黒川くんって変な動きが多いんですよ(笑)。第5話で机の中をのぞくシーンがあるのですが、普通にのぞき込むのではなく、体をくの字に曲げてのぞいていて…これ演出じゃないんですよ。二人の自由なアイデアで生まれたシーンもたくさんありましたね。
――中学生キャストだったからこそ起きたことはありますか?
撮影期間中に黒川くんの身長が伸びていきました(笑)。黒川くんが少しずつ月島さんの身長に追いついていったので、ドラマを何度も繰り返して見ていただくと、二人の身長差によって撮影の時系列が分かるかもしれません(笑)。
あとは「声」ですね。この時にしか出せない声だったりするので「撮影後にアフレコするときに声変わりしていたらどうしよう」と、みんなで冗談を言ったりしながら撮影していました。
ドラマ、映画共に「いいキャスティングができた」
――ドラマ、映画共に魅力的なキャストでの実写化となりましたが、高木さん役の永野さんと月島さん、西片役の高橋さんと黒川さんに通ずるなと感じる部分はありますか?
たしか映画の永野さんと高橋さんが先に決まっていたのですが“絶対に通ずる人を選ばないと!”という意識はありませんでした。でも、どこかで通ずる部分があればいいなとはもちろん思っていて。
ドラマと映画を見比べると、永野さんと月島さん、高橋さんと黒川くんはどこか似た雰囲気がありますし、声などを含めて「成長したらこうなるのかも」感がすごくあるので、改めていいキャスティングができたと思いますね。
ドラマは3月、4月に撮影をして、映画は7月、8月に撮影していて、合間に少し時間があったので、永野さんと高橋さんはドラマの編集した映像を多少見た上で撮影に挑んでいるんです。高橋さんは黒川くんの芝居を、まねるわけではないけど、ヒントにできたというお話をされていました。
――ドラマと映画をつなぐ唯一のキャストとして江口洋介さんが出演されていますが、撮影時のエピソードを教えてください。
ドラマに出演している中学生キャストたちは、たしかな技術というよりもフレッシュさで演じているので、(江口さんからすれば)一緒にお芝居をするのは大変な部分もあったと思うんです。ですが、江口さんは「みんなから学ぶこともあるよな〜」というお話をされていて。「まだ学ぶんだ!」と驚かされました。
そうそう。卒業式のシーンで江口さんの横にいた先生役のエキストラさんがすごく緊張していて。そりゃそうです、江口洋介ですから(笑)。江口さんが泣くシーンで、その方に「江口さんが泣いたら肩を叩いたりしてなぐさめてください」というお願いをしたら、よけいに緊張して全然うまくいかなくて。「え、俺が江口洋介に触れるの!?」みたいな空気になって(笑)。「やっぱりなぐさめなくていいです!」と演出を変えたこともありました。
――月島さん、黒川さん以外の中学生キャストたちも魅力的です。
北条を演じている早瀬憩さんは、現場で見ていてお芝居をするのが好きなんだろうなということを強く感じました。この作品のあとに受けたオーディションで、ある映画のメインキャストに抜てきされたと聞き、とてもうれしかったです。
あとは、市村正親さんと篠原涼子さんの長男・市村優汰くんが高尾役で出演していて。撮影後にアフレコで久々にお会いした時、撮影から半年くらいしか経っていないのに身長も伸びているし、雰囲気もかなり変わっていて。撮影中はしっかり中学生でいてくれたのに、すっかり大人っぽくなっていて驚きましたね。
『からかい上手の高木さん』は「小豆島で本当に愛されている作品」
――現時点でさまざまな名シーンが誕生していますが、今泉監督のお気に入りのシーンがあれば教えてください。
原作やアニメでは高木さんの<変顔>をあえて見せずに西片のリアクションで表現していたのですが、実写ドラマでは見せています。そのことに対して、原作ファンの方から「高木さんの変顔は見たくなかった」という意見などもあったのですが、あれには自分なりに理由があって。それは7話のラストシーンのためでした。
2話と5話では、ただ西片をからかうためだけに存在していた<変顔>を、一番切ない場面でもう一度、西片に向ける。そんな気丈な高木さんを表現したくて、あえて変顔を写すことにしました。
あの高台での二人のやりとりは、あまり細かい演出はしていないのですが、本当に素晴らしかったですね。撮影終盤に撮ったのもあって、この撮影が終わっていくことへの寂しさも二人の表情やお芝居に乗っかっていたかもしれません。
――アニメの“聖地”小豆島での撮影裏話はありますか?
ドラマの中で書店が出てくるのですが、撮影で使用した書店はアニメにも登場するなど、ファンの方の中で聖地化していることもあり、いざ行ってみると『からかい上手の高木さん』を売っているコーナーが大々的に展開されていて…(映り込むと)パラレルワールドのようになってしまうので、そこを避けて撮影しました(笑)。
中学校の図書館も、山本先生の母校だったので“OBの活躍”として漫画がたくさん置いてあったので、撮影の時だけ片付けさせていただいたり…小豆島で本当に愛されている作品なんだなと実感しました。
――最後に第8話(最終話)に向けての見どころと、読者へのメッセージをお願いします。
最終話では高木さんと西片の電話でのやりとりが登場するのですが、お互いに顔が見えないからこそのからかいや、意図せずに勘違いから起きる西片から高木さんへのキュンとする言葉だったり、その場に相手がいないからこそ見せる高木さんの表情が魅力的だと思います。きっと楽しんでいただける仕上がりになっていると思います。
もちろん、映画につながるようなシーンもありますので、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。
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