高橋海人“Q”「俺は翔に否定されるのが怖いんだ」 松本穂香“セイラ”との語らいで気づく自分の歪み<95>
5月6日に第5話が放送されたテレビ東京開局60周年連続ドラマ「95」(毎週月曜夜11:06-11:55、テレ東系)。主演のKing & Prince・高橋海人演じるQが、なんとなく持ち続けていた違和感を言葉にした。そこから踏み出した一歩に、SNSでは「Qちゃんの弱いところでもあって、強いところでもあるシーン」「セイラの気持ちもなんとなく透けるのが、良い演出」と話題になっている。(以下、ネタバレを含みます)
「95」とは
原作は、「イノセント・デイズ」で第68回日本推理作家協会賞を受賞した早見和真氏が、受賞後第1作目として綴った青春小説。大人の作った社会の仕組みにあらがい、大切なものを守りながら、1995年の渋谷をがむしゃらに駆け抜けた高校生たちの熱い物語。テレ東ドラマ初出演・初主演の高橋が、主人公・広重秋久(通称:Q[キュー])を演じる。
Qを取り巻く同級生役には勢いと話題性のある俳優陣が結集。黙っていても人を引きつけるカリスマ性があり、Qをチームに誘い入れる鈴木翔太郎(通称:翔)を中川大志が演じ、翔と幼なじみでQが思いを寄せることになる岸セイラに松本穂香。明るくムードメーカー的存在の丸山浩一(通称:マルコ)を細田佳央太、暴力団幹部の息子で翔やセイラと幼なじみの堺怜王(通称:レオ)を犬飼貴丈、レオと同じく翔・セイラと幼なじみでけんかが強い新川道永(通称:ドヨン)を関口メンディーが演じる。
Q(高橋海人)の気づき「情けない…」
ダセェ大人にならないため、さまざまなことに取り組むQたち。渋谷の街でかつあげしたりクスリを売りさばく悪質なチーマーを叩きつぶす、「渋谷浄化作戦」と称する活動も始めていた。
しかし翔としてはまだ刺激が足りていないようで、どうにか夏の大イベントを企画したいらしい。「人生を変えちゃう夏にするんだよ…金ならいくらでも出す!」と言い出したものの、企画・立案を丸投げされたのはQ。いつもの困り顔を浮かべていると、勢いのままに任されてしまう。
仕方なしに企画を考えるQだったが、どうしても“翔のやりたいこと”がわからない。スケボー大会、鬼ごっこ、水着フェス…舎弟はさまざまな案を出してくれるが、「翔がなんていうか…」と詰み状態だ。
前回助けてくれたドヨンのもとを訪ねてみても、「相談なら翔にしろよ。“何も思い浮かばないんだけど”ってさ」とピシャリ。「忙しいでしょアイツ」と言い訳を並べるQだったが、ストレートなドヨンの言葉は核心を突くものばかりだった。
「何がやりたいの?翔って」「渋谷浄化作戦だって、要はチーマー狩りだし」「時代の先頭を走っているかっていうとさ…」と胸のうちを明かすQに、ドヨンはさえぎって「ならそう言えよ。なにビビってんだお前?」と伝える。
言葉は厳しいが、最後には「やりたいことやれよ、Q」とわずかな笑顔。Qのことを親身に思っての言葉だとわかる、不器用なシーンだ。
だが結局、夏休みイベントの企画は白紙のまま。リフレッシュがてら人の来ない屋上に上がると、そこには先客・セイラがいた。以前「翔に洗脳されたんだ」とQに言葉を投げかけたセイラだったが、今日もトーンこそ落ち着いたままで毒は止まらない。
「翔が解散って言えば解散しちゃうようなチームに、あなたは何を期待してるの?」表情を固くして、お互いの目を見ないまま交わされる言葉。ありえないわけではない“もしも”に、Qは「そうなったら俺、戻る場所がない」と自分を分析する。
そして気づく。「そっか…なるほどそういうことか…。俺は翔に否定されるのが怖いんだ」と自嘲気味にこぼした言葉には、多くの感情がこもっていた。たしかに最近のQの考え方の重点は、“翔が”なんと言うか、どう思うか。結局誰かについていこうとする根性は変わっていないことに気づき、「情けない…」と半端な笑顔を浮かべるQ。
セイラはQの気づきに対して、「でもそれってすごいと思う。そうやって、自分の弱さを認められるところ」となぐさめともつかない言葉を返す。そして「どこか行かない?」「なんでもいいよ、私と一緒に」とQをデートに誘うのだった。
※高橋海人の「高」は、正しくは「はしごだか」
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