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Fカップシンデレラガール・西野夢菜、SNSも未経験…普通の少女がグラビアアイドルになるまで
一昨年11月末に『ヤングジャンプ』誌上のグラビアでデビューを飾ると、“色白もち肌“と素朴な愛らしさを武器に数多くの紙面をにぎわし続けている西野夢菜。昨年はグラビアにとどまらず舞台・ドラマに出演し非凡な演技力を見せ、日ごとに大きなポテンシャルを開花させている。次代の新星はどのようにしてこの世界に飛び込んだのか? これまでの道のりについて聞いた。
──改めて幼少期はどのような子だったかうかがってもいいですか?
西野 子どもの頃は勉強のできる子で、中学生の頃は生徒会で副会長をやったりと、絵に描いたような優等生タイプだったんです。ただ、常に今の自分に満足いかないと言いますか、「こうでなければ!」と自分に求めるレベルが高すぎて、理想の自分に追いつけないと思うたびに落ち込んでしまっていて。
その繰り返しのせいで、自分に自信が持てなくなって、何事も人に合わせて自分の意見も言えませんでした。それに、誰からも好かれて、みんなから良い子だねと言われることが一番良いことだと思って、周囲の顔色をうかがいながら生活していました。
──その頃は芸能界への夢は持っていたのでしょうか?
西野 ニコニコ動画が大好きで、ゲーム実況や歌ってみた・踊ってみたを毎日見ているうちに、人前で「私のやることを見てもらって、喜んでもらえる人になりたい」という、華やかな世界への淡い想いは芽生えていましたね。
でもその頃に習字で将来の夢を書いたときは「イラストレーター」にしていました。もともと少女漫画が大好きで、いつも乙女チックな絵を描いていたんですよ。
──ではもともと考えていた進路は美術系?
西野 いや、高校は料理や裁縫が学べる家政科に進もうと考えていました。授業で服を作ってファッションショーを開催すると聞き、面白そう!やってみたい!と思っていたんです。実際に進路相談でそう切り出したところ、塾の先生と両親から「普通科に進みなさい」と勧められてしまって(笑)。
私も「どうしても行きたい!」と、強く言うほどでもなかったので、同じ高校の普通科に進みました。行ってみると普通科も楽しかったのですが、やっぱり家政科のファッションショーを見た時は、「やりたかったなあ」って少しだけ後悔しましたね。
──高校卒業後、美容の専門学校に進まれるのは、家政科に進めなかったことへの反動なのでしょうか?
西野 それも少しありますが、一番の理由はすごく安直で、東京に行きたかったから(笑)。このままでは一生地元から出ないままの人生だなと思ったんです。どうすれば両親は東京行きを許してくれるのか? を考えた結果、「東京のこの専門学校に行きたい!」と言えば、「仕方ないね」となるはずだって。
母と姉がともに看護師なので、当初は私も看護を学ぼうと考えていたのですが、2人の働き方を見て同じ様にはできないなと気づいて。それに、メイクや美容について学びながら華やかな世界の裏側にも携われるなと思い、美容専門学校に進もうと考えました。
──美容専門学校の2年間はいかがでしたか?
西野 毎日休みなく動き続けて、本当につらかったです……。何が一番つらかったって、授業や実習ではなく、厳しい授業に耐えかねてどんどん友人が辞めていくこと。一緒にお昼食べていた子が次々といなくなっていく度に、心がえぐられていって。ひたすら学校と実家の往復に費やす日々で、とにかくキツイ2年間でした。
でももちろん楽しいこともありました。東京に出たタイミングで、秋葉原の大手メイドカフェでアルバイトを始めたんです。
──メイドカフェですか。
西野 茨城の実家からつくばエクスプレスで学校に通っていたたので、バイト後に帰りやすいように秋葉原で働き先を見つけようと考えていたんです。秋葉原といえばメイドカフェだし、一度お客さんとして行ってみたかったので遊びに行ったら、本当にステキなお店で、「私もこの可愛い服着たい!!」となったんです。
私が給仕することで人に喜んでもらえる経験を、しかも仕事で味わえる……このとき、子どもの頃に淡く抱いていた、「私のやることを見てもらって喜んでもらえる」という仕事に、メイドさんは近いんじゃない? これ最強の仕事じゃない? と思い、働き始めました。
──実質どれほど働いていました?
西野 事務所に所属してデビュー後もしばらく働いていたので、3年弱ですかね。本当に楽しく、天職だと思っていたぐらい。それこそ進路について決める時期になり、みんなが美容師を目指す中、私はメイドカフェでトップを目指そうと決めていましたから。
母からは「本気で言っている?」と何度かたしなめられましたけど、説得し続けたら父が「一年は様子を見ていいんじゃない?」と応援してくれて、そのまま卒業後も働くことになりました。
──高校進学の際は進みたい道を言い出せなかった西野さんが、少しずつ自分の生き方を自分で選べる人間に脱皮していっていますね。
西野 そうですね。メイドカフェで働いたことが、自分をさらけ出せるキッカケを作ってくれました。自分でやりたいと思った仕事が楽しくて、しかもこんなにイキイキできるんだ!と気づけたから、やりたいことはやりたい!と言える私になろうと思うようになりました。
──そして一昨年、今の事務所からスカウトされるわけですが、それはどのようなキッカケだったのでしょうか?
西野 専門学校卒業を控えた3月の頃、渋谷の街中で声をかけていただいて。なんで私!? ってビックリしました。すごく悩みましたが、今までの自分なら悩む以前にスルーしていたはず。ここで「お断りします」と言ってしまえば、二度と自分から行動できないような気がしたので、この世界に飛び込むと決意しました。
──わずか1年でたくさんの変化を経験したことで、2年目の今年はさらに幅が広がっていくはず。この先、目指す理想のために、どのような時間を歩んでいきたい?
西野 本当に全てのことが初めてなので、この先どうしていきたいかを具体的にイメージができてない状態です。だからこそ、挑戦できる機会をいただけたら全部やりたい。演技も、グラビアも、テレビも、取材も、挑戦することで、私に様々なものが蓄積されていっています。積み重ねの中で、本当にやりたいことを見つけていける1年にしたいですね。
そして、経験してきたグラビアとお芝居は、より深めていきたい。演技力を向上させるのはもちろん、自分じゃない誰かを演じる経験を通じて人としての幅が広がっている気がしているので、演技を通じて深い人間になっていきたいなあって。
グラビアに関しては、今までは王道なものが多かったので、これからは様々なジャンルにも挑戦したいなと思っています。例えばコスプレに興味がありますし、メイドさんの衣装での撮影もしてみたい。少しは経験してきたので似合うかも……って(笑)。
いろんなことに挑戦して、これからロケットみたいにビュン!と高く飛んでいきます。……あ、今年は辰年なので、ドラゴンみたいに飛躍していきます(笑)。
(取材・文/田口俊輔)
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