

キュートなルックスも人気の韓国女優イム・セミ、“2人の男”の間で混乱する女性役で新たな顔<最悪の悪>

「女神降臨」など日本でも人気の韓国ドラマに多数出演する女優イム・セミ。ファッション雑誌のモデルとしてキャリアをスタートさせているだけあり、キュートなルックスも注目を集める。現在36歳、2023年でキャリア20年目となる彼女は、コメディからシリアスまでどんな役もこなしてストーリーを盛り上げる“シーンスティラー(名演技や個性で主役よりも目を引く俳優)”だ。10月25日に最終回の12話が配信されたばかりのドラマ「最悪の悪」での好演も光ったイム・セミについて解説する。
「『最悪の悪』は、ノワールでありながらメロの要素もある作品」
「最悪の悪」は、1990年代の韓国を舞台に、地方の下級警察官・ジュンモ(チ・チャンウク)が出世を狙ってソウルの麻薬密売組織に潜入捜査を始めた事に端を発し、周りの人物も巻き込んで逃れられない運命にのまれていくノワール・クライム・アクションドラマ。ディズニープラス「スター」で、全12話独占配信中。
イム・セミが演じる、ジュンモの妻・ウィジョンは、ソウルのエリート警察官。そして、ジュンモが潜入している犯罪組織のリーダー・ギチョル(ウィ・ハジュン)は彼女の高校時代の友人で、ウィジョンはギチョルの初恋の相手でもあり、彼女も好意を寄せていた仲だ。ジュンモの潜入をきっかけに2人は再会し、ウィジョンは、潜入捜査をする夫の素性がバレないようにギチョルに近づいて彼の恋心を利用する…。
だが、夫を守る為だけにギチョルと会っていたかどうかはわからない、とイム・セミは言う。「ウィジョンだけの野望があったと思うし、整理がついていないギチョルへの想いも残っていたかもしれない」と説明した。
「最悪の悪」は、ノワール作品でありながらも、ウィジョンを軸にした、ジュンモ、ギチョルの微妙で複雑な三角関係も描いており、「古典的なメロドラマの要素もある」と彼女は言い、「ウィジョンは、2人の男性の間、大きな事件の間で、自分の行動と選択が大きなカギになったり、感情を揺さぶる人物。彼らとの関係が言葉では言い表せないほど繊細できめ細かく組まれていて、そんな感情の分かれ道に、俳優として立ってみたかった」との想いで出演を決めた。
「ウィジョンを最もよく説明できる言葉は“混乱”」
イム・セミは、「ウィジョンを最もよく説明できる言葉は、“混乱”」と語る。そして「彼女は、混乱の中に直接歩いて入っていくキャラクター。その時は自分が正しいと思った行為が、時間が経って振り返ってみると、本当にそれで良かったのか?となる気持ちを、彼女はずっと感じていたと思います」と説明している。
また、「ウィジョンという人物は微妙で複雑で、年齢を重ねなければできない役。もっと経験を積んだ40代で出会ってたら、今よりよく理解できただろうか…と悩んだりもしました。もし20代で出会ってたら、おそらく断っていたかもしれません。このように私を悩ませる作品に、久しぶりに出会いました」と語っており、彼女にとって大きな挑戦でもあったようだ。
中学の時にスカウトされてデビュー
イム・セミは、中学生の時、街でスカウトされ、ファッション雑誌のモデルとしてキャリアをスタートさせた。表紙やメインページではなく、美容ページなどの小さな記事ばかりだったが、写真を撮られる楽しさを感じて、高3の時にドラマ「四捨五入 2」のオーディションに挑戦。16時間に及ぶ最終面接を見事クリアして、初のドラマ出演を果たした。
だが、演技の勉強をしたことが無かった彼女は、他の共演者のように正確な発音や聞き取れるイントネーションでセリフを言えない上に演技力不足も指摘されてしまい、挫折を味わう。そして、演技を学ぶ為に大学の放送芸能学科に進学し、大学時代は、作品に出演する事はほぼ無く、学ぶ事に重点を置いた。
デビュー当時は、低い声がネックだった
イム・セミは、低めの落ち着いた声が特徴的だが、デビュー当時は、それがネックにもなった。個性より枠に合わせた俳優が注目される時代だった。「私のような話し方をする者は演技をしてはいけない、とも言われた」そうで、絶望して他の道も考えたが、「私には私だけの色がある」と希望を捨てずに、コツコツと実力を磨き続けた。そして、数々のアルバイトをし、その経験が今、とても役立ってるそうだ。
そうこうするうち、俳優にも個性が求められる時代になり、彼女にもチャンスが巡って来た。そして、2015年のドラマ「その冬、風が吹く」での主演のソン・ヘギョの友人役で注目されるようになり、以来、着実にキャリアを重ねている。
「望んだ人生を間接的に経験できるのが、演技の魅力」
幼い頃から、教師、獣医、婦警、ミスコリア…と、夢が多かった彼女にとって、役を通してではあるが、その夢を叶えられる俳優は天職。「演技をすれば、望んだ人生、気になった人生を間接的に経験できるという点が良いです。想像もできなかった職業まで経験できますから。他人の人生を少しでも歩けるのが演技の魅力」と語っている。
プライベートでは、運動好きの両親の影響か、幼い頃から体を動かすのが好きで、ランニングが趣味。山に行って走ったり、先日「最悪の悪」のPRで来日した際も、朝はホテルの周りを走っていた。サンティアゴで40日間歩いた事もあるとか。
そして、動物や自然に対する関心が高く、ゼロ・ウェイストとビーガンを実践している。ビーガンを始めたきっかけは、映画「ジョーカー」を観て、主演のホアキン・フェニックスにハマった事。彼がビーガンだと知り、「ビーガンになれば、あんなに上手く演技ができるのか?」という好奇心で、いろいろ調べ始め、「ドミニオン」というドキュメンタリー映画を観て、ビーガンになる事を決めたんだそう。また、貧しい人を支援するプロジェクトに俳優仲間と参加した事もある。
このように意識が高い彼女だが、性格は自然体でサバサバ。今回共演したチ・チャンウクとウィ・ハジュンも「とても気楽だった」と、彼女の性格を褒めていた。当媒体のインタビューの際も、終始にこやかで明るいオーラを放っていて、その夜の完成披露試写会でも客席の本媒体記者を見つけてニコニコと小っちゃく手を振ってくれたりして、とてもチャーミングな印象を受けた。
「自分の体が限界を迎えるまで楽しく演技したい」
そんな自然体の姿勢は「私の体と心を健康に守る俳優になりたい」という発言にも表れており、「童顔を維持して若い演技がしたい、というより、私の顔、私の生きていく姿が人生によく溶け込むことを願っている。自分の体が限界を迎えるまで楽しく演技したい」と語っている。
「私という存在が、これだけ20年も(芸能界で)生き残っていることを自ら褒めたいです。過去には、完璧でもないのに完璧を目指して、どうしてもっとうまくできなかったのか…と自分を責めてましたが、今はそのままを受け止めなければならないのではないかと思っています。叱責はデフォルトにして、慰めなければならないような感じ」と言うイム・セミ。
「『最悪の悪』が公開になった時も、自分自身を評価せずに全体を眺められるようになりました。今日の自分に集中しながら、時を重ねていきたいです。ずっと初めて挑戦する演技をしてみたいし、最善を尽くしたい」と、挑戦を続ける彼女は、これからも新たな姿で魅了し続けていく。
◆文=鳥居美保
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