注目の韓国女優キム・ジアン “カリスマのこもった目つき”で不良少女を好演＜刑事ロク2＞

2023.07.26 11:10

韓国の名優イ・ソンミンが主演を務める刑事サスペンスドラマ「『刑事ロク最後の心理戦』シーズン2」。同作でキーポイントとなる少女・ハナを演じるのが、若手女優のキム・ジアンだ。現在14歳、彼女の特徴は何と言っても「目」。所属事務所の社長は「カリスマのこもった目つき」と表現する。「怖い」と言われることもあるという印象的な目を武器に、着実にキャリアを重ねる注目の女優キム・ジアンに迫る。(一部ネタバレを含みます)

家出少女役を好演

「刑事ロク」は、定年間近のベテラン刑事キム・テクロク(イ・ソンミン)が、自分に殺人犯の濡れ衣を着せた「友」と名乗る脅迫犯の正体を明かすために奔走し対峙した事に始まり、その背後の政財界も巻き込んだ闇に立ち向かっていく韓国ドラマ。シーズン1、2ともにディズニープラスのスターで独占配信中、シーズン2の最後となる第7話・8話が本日7月26日に公開となる。

キム・ジアン演じるハナはシーズン2から登場。父親と折り合いが悪く、家出を繰り返している少女で、同年代の仲間たちと窃盗グループで犯罪を重ねていた。シーズン2は、第1話でハナたちが犯した窃盗がきっかけとなり物語が大きく動き出す。

善人とは言えない“不良少女”で1年以上窃盗を続けているが、根っからの悪人ということではなく寂しさの反動だ。彼女を心配する女性刑事ソンア(キョン・スジン)が「何かあったら連絡して」と渡した名刺を、その場では地面に叩きつけたが、実はその後に拾って持っていた…という描写も。キム・ジアンは、悪ぶってつっけんどんな口調に反して寂しさを感じる目つきで、複雑なハナの心情を見事に表現している。

幼少期の演技では共演者が総立ち拍手

2016年の「町の弁護士チョ・ドゥルホ」では幼稚園児の役を演じた。裁判のシーンですごく緊張して、ちゃんと泣けるか心配したが、OKが出て、共演者たちが皆で立ち上がって拍手を送ってくれた事があり、すごく嬉しくて胸がいっぱいになったことがとても心に残っているそうだ。

「褒められると気分が良くなる」と言う彼女が、今までで一番嬉しかった誉め言葉は、共演した俳優が撮影後に「ジアン、今日も(キミから)たくさん学んだよ」と言ってくれた事。「そんな事を言われたのは初めてで、ジーンとしました」と、感動しすぎて言葉が出なかった、とインタビューで振り返っていた。

暗い役が多いキム・ジアン

彼女が今まで演じてきた役は、基本的に暗い役が多い。ラブコメ「私たちは今日から」での主演のイム・スヒャンの少女時代は明るかったが、前述の「チョ・ドゥルホ」では虐待被害者、主演のソ・イェジの子供時代を演じた「イブ」では復讐心をたぎらせる役、「ホームタウン」でも様々な要因で大きなストレスを抱える少女役でドラマの冒頭から視聴者の関心を一気に引きつけた。そして今回の「刑事ロク2」では窃盗グループの家出少女…。

暗い役にキャスティングされる事について、自分でも「私は、どうしてこんな暗いトーンの演技が続くんだろう？」と考えるそうだが、理由は自分では「まだよくわからない」との事。所属事務所の社長が彼女の目を「カリスマのこもった目つき」と言い、プロフィールに「怖い新人」と書かれていたそう。それで、オーディションの時に「キミ、怖い新人なの？」と笑われたんだとか。そんな目の印象から暗い役に抜擢されるのかもしれない。「刑事ロク2」でも、彼女の意思の強さを感じさせる目つきが印象的だ。

学校では学級委員

だが、素顔のキム・ジアンは、ごく普通の中学生。クラスでは学級委員を務めている。「挑戦するのが好きなので、やった事が無いことをずっとやってみたくて、“今年は何をしようか…学校生活を頑張ってみよう。じゃあ、何があるかな？と考えて」立候補したんだそう。「私は制裁をあまりしません。必要な時に助けるスタイルにしています(笑)」との事だ。

好奇心が旺盛で、料理と運動が大好き。ブラジリアン柔術を習いに行ったら面白くて、また休みがあったら通ってみたいそう。アクロバットにも興味があるようだ。文章を書くのが好きで、小説家になるという夢もあり、iPadに小説を書いてるとの事。そして、ウェブトゥーン作家の夢もある。「絵を描くのも大好きなんです。すごく上手ではないけど面白いです。いつか展示もしてみたいです」と夢は尽きない。

ロールモデルにされる俳優になりたい

ミュージカル映画が好きで、いつか自分も出てみたいが、今は、学園モノがやってみたいそう。「ロマンスがメインじゃなくて、学生たちの率直な話、学校で起こりそうなストーリーの作品をしてみたいです」。

そして10年後は、「ロールモデルにされるようなステキな俳優になりたいです。そして賞ももらいたいです(笑)。どうせなら背が高くなっててほしいし、マヤ(ペットのネコ)とずっと暮らしたい。動物が大好きなので、動物と暮らしたいです」と、プロの俳優と普通の中学生の2つの顔を見せるキム・ジアン。これからどんな役を演じて、どんな俳優になっていくのか、期待は膨らむばかりだ。

◆文=鳥居美保/構成=ザテレビジョンドラマ部