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今度は歴史改ざん?「ちむどんどんスペシャル」でも安定の“考証無視”が発動!
この9月に最終回を迎えたNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」と言えば、あらゆる考証を無視した描写が視聴者を呆れさせたもの。そんなとんでもシーンがまたもや見受けられたようだ。
11月12日の「ちむどんどんスペシャル」(NHK)では、比嘉家の三女・歌子(上白石萌歌)を主人公にしたスピンアウトドラマの「歌子慕情編」を放送。そのなかで本編とは辻褄の合わない描写があったという。
それは「暢ネーネーが東京に行って一週間が経とうとしたころ」という歌子のナレーションから始まる場面だった。比嘉家を訪れた新垣のおばぁ(きゃんひとみ)は、東京でプロボクサーになった長男・賢秀(竜星涼)の現状を伝えていた。
長女の良子(川口春奈)は「ニーニー(賢秀)がボクシングジムの借金を踏み倒して逃げた?」とびっくり。新垣おばぁは「いま暢子から売店に電話があって」と語り、料理人を目指して上京した次女の暢子(黒島結菜)が連絡してきたようだ。
母親の優子(仲間由紀恵)は、暢子がどこから電話を掛けてきたのかを質問。すると新垣おばぁは「横浜の鶴見。沖縄の県人会の会長さんのおうちにお世話になってるって」と答えていた。
「このやり取りに《そんなこともあったなあ》としみじみしていた視聴者もいたことでしょう。しかし新垣おばぁの説明には『ちむどんどん』で放送された内容と辻褄の合わない部分があり、もはや“歴史改ざん”と言えるほど、前後関係がおかしなことになっていたのです」(テレビ誌ライター)
ここで「ちむどんどん」の本編を振り返ってみよう。沖縄が本土復帰を果たした昭和47年(1972年)5月15日、暢子は山原村の実家を発って東京に向かった。フェリーで東京に着いた暢子は親友の前田早苗(高田夏帆)と合流し、銀座のイタリア料理店「アッラフォンターナ」でランチを食べることに。
ランチ後には賢秀のボクシングジムを訪ねるも、賢秀が借金を踏み倒して逃げたことを教えられる。ジムのコーチから賢秀が横浜・鶴見によく飲みに行っていたと聞いた暢子は、その足で鶴見に向かっていた。
しかし鶴見は意外に大きな街で、暢子は途方に暮れてしまう。あてどもなく歩いていた暢子は三線の音に吸い寄せられ、沖縄県人会で会長を務める平良三郎(片岡鶴太郎)の家に泊めてもらうことになったのである。
「このように暢子は、東京に着いた当日の夜にはもう、三郎のお世話になっていました。沖縄から東京にはフェリーで2泊3日ですから、比嘉家の家族が賢秀について知ったのは暢子が出発した2日後のはず。すなわち『歌子慕情編』において『暢ネーネーが東京に行って一週間が経とうとしたころ』と説明していたのは、本編の内容と噛み合っていないのです」(前出・テレビ誌ライター)
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それに加えて、本編と食い違っている点はもうひとつある。それは暢子が売店に電話を入れたというくだりだ。
本編の第27回では、三郎が「山原村なら知り合いがいる。今からでも電話すれば、お母さんに知らせてくれるだろよ」と語っていた。つまり三郎自身がその知り合いに直接、電話を入れていたはずだ。
ところが「歌子慕情編」では、暢子が山原村の共同売店に電話を入れたと、話がすり替わっていた。万に一つ、三郎の言う「知り合い」が共同売店責任者の前田善一(山路和弘)だった可能性もなくはないが、それがさすがに虫が良すぎるというもの。そもそも「ちむどんどん」本編には三郎と善一が知り合いだという描写は一カ所もない。
それに本編では、大事なことは善一自身が比嘉家に伝えていたもの。それが「歌子慕情編」ではなぜか新垣のおばぁがメッセンジャーになっており、その意図も不明ではないか。もはや「ちむどんどん」の考証無視は、過去のストーリーすらも改ざんするレベルに達していたようだ。
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