

尾野真千子、幅広い役を体現して培われた類い稀なる演技力で物語に“深み”<すべて忘れてしまうから>

今最も話題の作家の1人である燃え殻のエッセイを国内トップクリエイターがドラマ化した話題作「すべて忘れてしまうから」は、阿部寛演じる作家“M”を主人公に、消えた彼女“F”(尾野真千子)を巡る、大人の心に染みわたるミステリアスでビタースイートなラブストーリー。回を重ねるごとに深みを加えているのが、阿部が演じるミステリー作家“M”を中心に、ひとくせあるキャスティングによる大人たちの人間模様。そして、いよいよ“真打ち登場”とばかりに、10月26日に配信された第7話で、“M”(阿部)の前から失踪した恋人“F”(尾野)が画面上にしっかりと姿を現した。11月2日(水)に配信される第8話でさらなる展開を迎えるということで、今回は“F”を演じる尾野について紹介したい。(※以下、ネタバレを含みます)
消えた恋人がいよいよカムバック
突然幼稚園を辞め、“M”の前から姿を消していた“F”。彼女が第5話で“M”のもとに電話をかけてきた。本当に久しぶりの電話だったようだが、相手が誰であるかを確認することもなく、まるでこの前の続きであるかのように自然に会話していたのが、“M”と“F”の関係性の深さを印象づけた。電話越しに変調されてはいたとはいえ、そこには憂いと深みのある尾野の声が確かに存在した。
続く第6話では後半に姿を見せ、まさしく「もっと見たい」というところ、心憎いタイミングで画面が切り替わる。そして第7話では、ある日突然姿を消した“F”の物語が、現在の姿とともに描かれた。第7話で“M”と再会することはなかったものの、“F”がこれまで抱えていた葛藤や思いなどが回想シーンや、現在の姿で見て取れた。第8話の予告では、帰って来た“F”が姉(酒井美紀)と再会する様子が映し出されており、“M”との再会もあるのだろうか。
そんな“F”を心憎いばかりの演技力で体現するのは、20年以上にわたり第一線で活躍する尾野。物事にホップ、ステップ、ジャンプという進み方があるとすれば、尾野はいきなり“ジャンプ”する運命に生まれついてしまった才能という印象がある。15歳の時に河瀬直美監督の目にとまり、1997年公開の映画「萌の朱雀」でデビュー・初主演。この作品で「第10回シンガポール国際映画祭」の主演女優賞、「第12回高崎映画祭」の最優秀新人女優賞に輝き、鮮烈な印象を与えた。こういう人を「神童」というのだろう。
連続ドラマで大きな存在感
その後、本格的に女優業をスタートすると、「EUREKA」や「リアリズムの宿」などさまざまな映画に出演。中でも大きな注目を集めたのは、芦田愛菜演じる娘を虐待するシングルマザーを演じた連続ドラマ「Mother」(2010年、日本テレビ系)、そして翌年に放送された連続テレビ小説「カーネーション」のヒロインだろう。同作では“コシノ三姉妹”の母であり、ファッションデザイナー・小篠綾子をモデルとする主人公・小原糸子をパワフルに体現し、「東京ドラマアウォード2012」で主演女優賞を受賞した。
朝ドラヒロイン後に出演した「最高の離婚」(2013年、フジテレビ系)でも尾野の演技はさえ渡り、「第39回放送文化基金賞」で演技賞を受賞。同作は1年後にスペシャル版が作られるほど人気を得た。それからもドラマ、映画、舞台、ナレーションなどさまざまな場で多彩な表現を繰り広げ、シリアスな役からコミカルな役まで、文字通り体を張って体現している。
近年では、社会的弱者が生きづらい時代に翻弄(ほんろう)され、もがきながらも懸命に生きようとする母子の姿を描いた映画「茜色に焼かれる」(2021年)で主演を務め、傷つきながらも信念の中でたくましく生きる母親を圧倒的な存在感で表現。「第13回TAMA映画賞」(最優秀女優賞)、「第76回毎日映画コンクール」(主演女優賞)、「第43回ヨコハマ映画祭」(主演女優賞)など賞レースを席巻し、彼女にとっての新たな代表作という声も上がるほど、演技派女優ぶりを知らしめた。
「若い時のイメージ」「初めて芸能界で注目された時の残像」を振り切れない役者もいる中、尾野は歳月をしっかりにじみ通らせて、自身のありさまにコクを加え、そこに存在するだけで物語に深みを持たせている。
今作の主演・阿部とは平山秀幸監督の2016年公開映画「エヴェレスト 神々の山嶺」以来6年ぶり2度目の共演で、くしくも2度目となる“恋人関係”。“M”と“F”が再会するならば、いかにして2人の“恋人感”が画面上に広がっていくのか、楽しみだ。
なお、同作はディズニーの公式動画配信サービス・ディズニープラスの「スター」で毎週水曜昼4:00より独占配信中。
◆文=原田和典
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