「アタックNo.1」「エースをねらえ!」が全話無料配信中

上戸彩「エースをねらえ!」「アタックNo.1」にみる“スポ根ヒロイン”としての魅力

2022.08.10 08:30
「アタックNo.1」「エースをねらえ!」が全話無料配信中

上戸彩が主演を務める、2000年代初頭の人気ドラマ「エースをねらえ!」「アタックNo.1」がTVerにて期間限定で全話無料配信中。多くの人が惹かれてやまない上戸彩の“スポ根ヒロイン”としての魅力に、エンタメライターの苫とり子が迫る。

主人公と重なる上戸彩の歩み

1960年末〜1970年代、日本では「巨人の星」や「あしたのジョー」をはじめとした“スポ根”漫画が大流行していた。スポ根とは「スポーツ根性もの」の略語。スポーツに打ち込む主人公が、さまざまな困難を乗り越えながら成長していく姿を描いたストーリーとなっている。

その美少女版として一斉を風靡したのが、「エースをねらえ!」(作・山本鈴美香)と「アタックNo.1」(作・浦野千賀子)だ。「週刊マーガレット」(集英社)で連載された両作品は、社会現象ともいえる一大ムーブメントを巻き起こした。そんな不朽の名作が2000年代初頭、どちらも上戸彩主演で実写化されている。

簡単なドラマのあらすじを紹介しよう。「アタックNo.1」(2005年、テレビ朝日系)は、富士見学院バレー部に所属する主人公・こずえが、ある日突然全日本高校選抜のメンバーに選ばれるところから始まる。しかも、監督の猪野熊(船越英一郎)からキャプテンに指名されてしまうのだ。

一方、「エースをねらえ!」(2004年、テレビ朝日系)の主人公・ひろみもテニス初心者でありながら、新任コーチの宗方(内野聖陽)に見初められて代表選手に選ばれる。つまり、どちらもある種の“シンデレラストーリー”といえるだろう。

上戸彩の経歴も少し振り返ってみると、彼女は小学生の頃に「全日本国民的美少女コンテスト」で審査員特別賞を受賞。歌手・女優として早々にデビューを果たし、「3年B組金八先生」への出演を機に一躍有名となった。

「エースをねらえ!」「アタックNo.1」がドラマ化された2004年、2005年はタレントCM起用社数ランキングで1位を獲得するなど、スター街道を突き進んでいた頃だ。多忙を極め、上戸彩としても荒波を乗り越えるための“根性”が必要だったはず。そんな彼女と、こずえやひろみの人生が重なり、ドラマは不思議な現実味を帯びている。

“悔し顔”は必見!手に汗握る多彩な表情

前述したように、こずえやひろみは元からスポーツの能力に長けているわけじゃない。部員の中でも目立たず、他のメンバーの活躍を影から見守るごく普通の女の子。

ひげとサングラスが特徴の猪野熊コーチをはじめ、これぞお嬢様キャラ!な“お蝶夫人”(松本莉緒)や、コテコテの関西弁をあやつる八木沢選手(宮地真緒)など、漫画ならではともいえる個性的なキャラクターとは対照的な素朴さだ。それでもなお、上戸が演じる主人公はスポットライトを浴びているかのように輝いている。

2本の作品を大きく支えているのは、こずえやひろみの喜怒哀楽を届ける上戸彩の表情の豊かさだろう。“シンデレラストーリー”と言えども、困難がないわけじゃない。むしろ、目まぐるしいほどの困難が彼女たちに降り注ぐ。

凪のように穏やかだった日々から一転、コーチには無理難題を突きつけられ、嫉妬に燃える先輩や同期たちからは肉体的・精神的な攻撃を受ける彼女たち。そんな環境の変化に振り回される、多様な表情を見ているだけで手に汗握る。

特に、試合に負けた時や自分の不甲斐なさを突きつけられた時に見せる、“悔し顔”は上戸彩の十八番といっても過言ではないだろう。その熱演ぶりがあるからこそ、困難を乗り越えた先にある本来の無邪気な笑顔とのコントラストが際立つのだ。

羨望と共感を集めるヒロイン像

いつしか目が離せなくなり、心から応援している自分に気づく。上戸彩が演じる“スポ根ヒロイン”は、そういう不思議な吸引力を持っている。

有能なコーチ陣に才能を見出され、見る見るうちに成長を遂げていく彼女たち。どんな追い風にも立ち向かっていく精神力、仲間をけして見放さない正義感の強さにはしばしば感心させられる。しかし、物語終盤になっても、手の届かない遠い存在には感じさせないのが面白いところ。

コートを降りれば、以前のような普通の女の子に戻っていく。こずえはサッカー部の同級生・努(松尾敏伸)、ひろみはバレー部の先輩である藤堂(吉沢悠)と恋に落ちるのだが、彼らの前でしか見えない乙女な表情に心がキュンとさせられる。一方、家族の前ではすっかり安心しきった娘の顔に。

そういった“日常”パートと、“スポ根”パートの使い分けが上戸彩は抜群にうまいのだ。憧れるところもあれど、共感できるところもたくさんあり、惹かれざるを得ない。そこにはバラエティ番組など、映像作品ではないところで、上戸彩が見せる飾らない人柄が活きているような気がする。

今年、芸能生活25周年を迎えた上戸彩。2児の母となった今も国民的女優であり続ける彼女の魅力がここにあり!といえる「エースをねらえ!」「アタックNo.1」をぜひこの機にイッキ見してほしい。

■文/苫とり子

関連リンク

関連記事

  1. 新垣結衣が語りに!“伝説の家政婦”タサン志麻さん夫婦に密着「たくさんの人の心にスッとしみこむはず…」<ふたりのディスタンス>
    新垣結衣が語りに!“伝説の家政婦”タサン志麻さん夫婦に密着「たくさんの人の心にスッとしみこむはず…」<ふたりのディスタンス>
    WEBザテレビジョン
  2. 東京03の超絶サクセスストーリー 全国ツアーだけで「1年食えるくらいはもらえる」
    東京03の超絶サクセスストーリー 全国ツアーだけで「1年食えるくらいはもらえる」
    WEBザテレビジョン
  3. <BLACKPINK>「あつまれ どうぶつの森」内に“BLACKPINK島”がオープン!MVのセットやステージを再現
    <BLACKPINK>「あつまれ どうぶつの森」内に“BLACKPINK島”がオープン!MVのセットやステージを再現
    WEBザテレビジョン
  4. 松井玲奈、大粒の涙…新型コロナ感染中の思い吐露「人生の中では一番苦しいぐらいの数日間」
    松井玲奈、大粒の涙…新型コロナ感染中の思い吐露「人生の中では一番苦しいぐらいの数日間」
    WEBザテレビジョン
  5. ジャニーズWEST中間淳太 “探偵”イメージの細身スーツで「小説現代」表紙に!推しミステリから自身の創作活動まで明かす
    ジャニーズWEST中間淳太 “探偵”イメージの細身スーツで「小説現代」表紙に!推しミステリから自身の創作活動まで明かす
    WEBザテレビジョン
  6. 瀬戸朝香、“なかなか良い感じ”7歳長女によるメイクSHOTに反響「優しくて自然な感じすごくいい」「娘さんお上手!」
    瀬戸朝香、“なかなか良い感じ”7歳長女によるメイクSHOTに反響「優しくて自然な感じすごくいい」「娘さんお上手!」
    WEBザテレビジョン

「ニュース」カテゴリーの最新記事

  1. Mrs. GREEN APPLE、東京ディズニーリゾートSPイベント楽曲初公開 新たなコラボアトラクションも決定
    Mrs. GREEN APPLE、東京ディズニーリゾートSPイベント楽曲初公開 新たなコラボアトラクションも決定
    モデルプレス
  2. 「彼女がそれも愛と呼ぶなら」のHuluオリジナルストーリー独占配信スタート 最終話の“その後”を描いたアフターストーリー
    「彼女がそれも愛と呼ぶなら」のHuluオリジナルストーリー独占配信スタート 最終話の“その後”を描いたアフターストーリー
    WEBザテレビジョン
  3. フォーリンラブ・バービー、過去ショット公開 30年以上の時を経た娘との“リンク”が話題「すごい奇跡」「面影ある」
    フォーリンラブ・バービー、過去ショット公開 30年以上の時を経た娘との“リンク”が話題「すごい奇跡」「面影ある」
    モデルプレス
  4. 「おそ松さん」第4期メインビジュアル解禁 エンディングテーマも決定
    「おそ松さん」第4期メインビジュアル解禁 エンディングテーマも決定
    モデルプレス
  5. 山本舞香&Hiro夫妻、三代目JSBライブ鑑賞 メンバーとのレア写真に反響「激アツ」「豪華すぎる」
    山本舞香&Hiro夫妻、三代目JSBライブ鑑賞 メンバーとのレア写真に反響「激アツ」「豪華すぎる」
    モデルプレス
  6. 岩田剛典(36)「EXILE」としての活動終了
    岩田剛典(36)「EXILE」としての活動終了
    ABEMA TIMES
  7. 編集ミスで炎上のウマキんグが謝罪!競馬系YouTuberの信頼回復への険しい道のり
    編集ミスで炎上のウマキんグが謝罪!競馬系YouTuberの信頼回復への険しい道のり
    らいばーずワールド
  8. GENERATIONS白濱亜嵐、EXILEとしての活動を当面休止「今回の決断には大変悩みました」
    GENERATIONS白濱亜嵐、EXILEとしての活動を当面休止「今回の決断には大変悩みました」
    モデルプレス
  9. 三代目JSB岩田剛典、EXILEとしての活動終了 11年間に感謝「数えきれない経験と出会いに恵まれ」
    三代目JSB岩田剛典、EXILEとしての活動終了 11年間に感謝「数えきれない経験と出会いに恵まれ」
    モデルプレス

あなたにおすすめの記事