三宅智子 撮影/松山勇樹

大食いタレント・三宅智子が語るフードファイター卒業後の流浪の人生「写真集を出したことも」

2022.05.21 06:03
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『元祖!大食い王決定』でエステ三宅の愛称で活躍していた、美人フードファイター三宅智子。現在、大食いYouTuber、大食いタレントとして活躍しながら子育てにも奮闘している。今回、大食いに目覚めた最初の記憶から、フードファイターとしてテレビに出るようになった経緯まで、“大食い人生”を振り返ってもらった。(前中後編の後編)

──当時の三宅さんは大食い番組へ出演する一方、各種イベントにも引っ張りだこだったと伺っています。

三宅 地方のお祭りとかに呼ばれるんですよ。それで、その土地の大食い自慢の人と対決したりとか。歌手の人だったら歌うし、お笑いの人だったらコントや漫才をするんでしょうけど、私の場合はひたすら食べていました(笑)。

──それでお金をもらえるんだから立派なものです。

三宅 大食いは種のない手品みたいなものなので、顔や名前を知らなくても「嘘でしょ? あんなに食べられるの?」って注目されるんです。そういう意味では、エンタメとして成立しているとは思うんですけど。

──イベントにおける大食いのギャラってどれくらいもらえるものなんですか?

三宅 大体、10万円から20万円くらいでしたかね。ギャル曽根ちゃんなんかは事務所に入っていたので、もっと多かったかもしれませんが。1日で何件かハシゴすることもありましたし、すごく恵まれていたと思います。

──そうなるとエステで働く必要もないじゃないですか!

三宅 だから本格的にイベントに出るようになったのは、エステを辞めてからです。働いているときは、さすがに地方にしょっちゅう行くことはできなかったですし。でも1~2回イベントに出るだけでエステの月給を超えてしまうわけだから、さすがに気持ちがグラつくようになったんですよね。それで1年半くらい働いたタイミングで、エステは辞めさせていただくことにしました。

──そこでフードファイターとして独立ということですか。事務所はエイベックスでしたっけ?

三宅 はい、最初はフリーでやっていたんですけど、お声がけいただきまして。当時のエイベックスは勢いがすごくて、社員旅行をハワイでやっていたんですよ。そこに私はゲストで呼ばれ、社員の方と大食い対決をしたんですね。これが事務所に所属することになったきっかけ(笑)。「どこにも入っていないんだったら、うちに来てくれませんか?」と言われまして。

──芸能活動の一環として、ソロ写真集も出しましたよね。

三宅 それも個人で続けていたら絶対にやらなかったと思います。エイベックスでは「可能性を広げるために、やれることは何でもやっていこう」という方針だったんですよ。僭越なから『Confession』という曲で歌手デビューもさせていただきましたし(笑)。歌、ダンス、声優……いろんなレッスンも受けさせてもらいました。

──でも、三宅さん自身はタレント志望ではなかったんですよね。

三宅 そうなんです。だからレッスンを受けていると、申し訳なくなっちゃって……。だって周りのレッスン生は賞を獲ったりしながら、デビューを必死で目指しているわけですよ。のちに三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEになる今市(隆二)君とか、Da-iCEの花村想太君とか。みんな歌もめちゃくちゃ上手いし、私なんて完全に場違いな感じ(笑)。でも、今にして思うと本当に貴重な経験ができたと思います。

──当時、三宅さんはどこを目指していたんですか?

三宅 事務所に所属して本格的に芸能活動をやることになったのはいいんですけど、そこで少しでも暇な時間ができると、私って働きたくなっちゃうんですよ。だから事務所に隠れて、こっそり知り合いのカレー屋さんでバイトしたりしていましたし。結局、私はタレントに向いていなかったし、きちんと地に足をつけて働きたい人だったんですよね。もちろん芸能人も立派な職業だとは思いますが。

──なるほど。実際にやってみないとわからないことってありますしね。

三宅 それで27歳くらいでエイベックスを円満で辞めてからは、知り合いのラーメン屋を手伝うことになったんですけど、これが本当に楽しかった! すごくやりがいを感じたんです。根本的に飲食業が好きなんでしょうね。朝9時から仕込みをして、休憩時間もほとんどないまま家に帰ると1時とかになっていましたけど、それでも毎日の充実感が尋常じゃなかったんです。15歳から道の駅でバイトを始め、そこからずーっと自分探しみたいなことを続けていましたけど、ようやく自分にピッタリ来るものを見つけたというか。

──大食いで有名になり、タレント活動を続けてきたけど、天職は飲食業だったと。

三宅 そういうことでしょうね。ラーメン屋では2年半くらい働いたんですけど、そのうち自分のお店を持ちたいと思うようになりまして。まずは恵比寿で間借りして、ランチだけ提供するようになったんです。そこは丼系のメニューが主だったんですけど。そして地元・岡山の料理を出そうとコンセプトを決め、いよいよ銀座に自分のお店『OKAYAMA DINNING 銀座みやけ家』を出すことにしました。それが2014年のことですね。

──結婚されたのも、その頃ですよね。

三宅 結婚したのが2015年で、子供が生まれたのは2016年。そこが人生のターニングポイントだったかもしれません。もちろん子供の面倒はしっかり見なくちゃいけないじゃないですか。でも旦那さんはバーを経営しているので、夜はお店に出ていかなくちゃいけないんですよ。一方で銀座のお店も2人だけでやっている小さなところだったので、私がお店に出ないと売上が急に下がっちゃうんですね。それで早く復帰しなくちゃいけないと思って、産後1ヵ月くらいでお店に戻りました。

──すごい! 1ヶ月じゃ寝返りも打てない段階じゃないですか!

三宅 幸いなことに夜泣きとかはあまりしない子だったから、そこは助かったんですけどね。お店にベビーベッドを置きながら働いていました。とは言うものの、やっぱり子供が大きくなってくると徐々にお店の経営と並行させることがキツくなってきまして。お店は大事だけど、いつでもできること。だけど子育ては今しかできないと考え、閉店することにしました。

──今はもっぱら子育てに没頭中?

三宅 子供が保育園に行くようになったので、昼間の時間にまたラーメン屋さんで働いています。私、本当に働いていないとダメになっちゃう人なんですよ~。あと最近はYouTubeの撮影にも力を入れていますね。今の夢ですか? 子供がもう少し大きくなったら、また自分のお店を出したいとは考えています。

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