宮沢りえ

【真犯人フラグ】バッドエンドの最終回で、回収された伏線と取りこぼした伏線とは?

2022.03.14 10:43
提供:asagei MUSE

 オープニングで阿久津刑事(渋川清彦)が問いかけた「結末は納得できる、できない、どっち?」との二択、果たしてどちらを選んだ視聴者のほうが多かったのだろうか。

 2クールにわたって放送されたドラマ「真犯人フラグ」(日本テレビ系)が、3月13日の最終回をもって完結。母子失踪事件の真犯人が、主人公・相良凌介(西島秀俊)の旧友である「週刊追及」の河村俊夫編集長(田中哲司)だったことが明らかになった。

 初回放送の失踪から、最後まで行方の分からなかった凌介の妻・真帆(宮沢りえ)は、失踪当日に河村に殺されていたことも判明。その理由は、自分も好きだった真帆を凌介に奪われたことによる河村の嫉妬心にあった。

「このバッドエンドに残念な気分になった視聴者も少なくありませんでした。本ドラマの前作にあたる2019年の『あなたの番です』(同)でも、主人公・手塚翔太(田中圭)の妻である菜奈(原田知世)は、連続殺人犯の女子大生・黒島沙和(西野七瀬)に殺されていたからです。これで秋元康氏が原案を務めるサスペンスドラマは、2作品続けてヒロインが殺される展開に。もっとほかのエンディングはなかったのかと、批判の声も少なくありません」(テレビ誌ライター)

 その一方で、今回の結末に関しては物語として納得できるとの視聴者も多いようだ。「あなたの番です」では、サイコパスの連続殺人鬼による犯行という結末に不満を露わにする視聴者が続出していたのに対し、この「真犯人フラグ」では河村が真帆を殺めた動機や方法に納得したとの声も多数。河村の自白によりそれまでの伏線も次々と回収され、消化不良という視聴者は少なかったようだ。

最後まで主人公の凌介を欺いてきた河村俊夫。ドラマ「真犯人フラグ」公式ツイッター(@shinfla_ntv)より。

 そのなかで、作中では明確に示されなかったものの、最終回で回収された伏線も、一部視聴者のあいだでは話題になっていた。その一方で回収されないままの伏線も残っており、残念がる声もあるようだ。

■回収された伏線

 ひとつは相良家が楽しみにしていた劇中アニメの「シベツ!」だ。凌介の部下で、亡き姉の復讐を目的に行動していた二宮瑞穂(芳根京子)が、女性キャラ・むかわのコスを披露したことでも話題になった。

 その「シベツ!」は映画化されたという設定で、作中では息子の篤斗(小林優仁)が家族全員で観に行くことを楽しみにしていた。しかし結局は母親の真帆と死別(シベツ)したことにより、その希望は叶わないことに。すなわちこのアニメタイトル自体が、真帆の死を象徴していたのである。

 もう一つは、瑞穂の姉が自死する原因を作った元婚約者の林洋一(深水元基)が、車内で刺殺されたシーンだ。母子失踪事件を捜査していた阿久津刑事は「わざわざ11回も刺してるんですよ」と言及していたが、その11回という回数には意味があった。

 最終回では林を刺したのが河村だったことも判明。その河村は大学時代から好きだった真帆が、大学サッカー部の後輩である林との一夜限りの過ちにより苦しみ続けていることを不憫に感じていた。それゆえ真帆が苦しんできた11年間という歳月を、11回の刺傷行為に込めていたのである。

シベツ!コスを披露した二宮瑞穂(芳根京子)。ドラマ「真犯人フラグ」公式ツイッター(@shinfla_ntv)より。

■回収されなかった伏線

 最後まで明かされなかったのは、復讐代行業者の強羅誠(上島竜兵)と、凌介の良き理解者でバー経営者の日野渉(迫田孝也)との関係だ。強羅はバーの常連で、日野からは「強羅くん」と呼ばれていた。その関係性から視聴者のあいだでは<日野真犯人説>が根強く唱えられていたのである。

 しかし日野には強羅に何かしらの復讐や揉め事の解決を頼むような動機はなく、そもそも強羅の本性も知らない様子。可能性としては強羅が凌介らの様子を探るために自ら日野に近づいたのかもしれないが、それにしては日野と仲良くなるのが早すぎるのも否めないところだ。

 そしてもう一つは未回収の伏線というよりも、制作側のミスというべきシーンだ。それは亀田運輸の配送車が装備しているドライブレコーダーに、失踪した相良一家の3人が映っていた場面である。

 この映像で真帆だと思われていたのは、真帆と同じ傘を差していた菱田朋子(桜井ユキ)だった、同じ団地に住み、真帆とは親しい友人だった菱田は、真帆への憧れから同じ傘や服を買っていた。お互いの息子がサッカー教室の友人ということもあり、篤斗とも親しいことから、菱田と篤斗が手を繋いで歩いていたのも決して不自然ではなかった。

 そして娘の相良光莉(原菜乃華)が一緒に映っていたのは、その日に家出した光莉が監視カメラを避けながら、恋人の橘一星(佐野勇斗)が待つ車の元へと歩いていく道すがら、たまたま菱田&篤斗の背後を歩くことになったという偶然の結果だった。

 しかし3人がドラレコに映っていたのは、すでに日没後となる17時18分のこと。周囲も暗く、日没後の光景なのは明らかだ。ところが光莉が一星と合流したのはそれより後だったにも関わらず、第15話で放送された合流シーンではまだ辺りが十分に明るく、日没前だったのである。

 この不自然な時系列ゆえ、一部の視聴者からは「ドラレコに映った光莉らしき女子高生は、情報のかく乱を狙った別人」との考察が提示されることに。ところがこのドラレコ映像については最終回でも回収されることはなく、どうやら制作側が単に時系列を誤ってしまったことが理由だったと推察される。なんともお騒がせな「伏線もどき」だったようだ。

警察の取り調べを受けつつも無罪放免となっていた強羅誠(上島竜兵)。ドラマ「真犯人フラグ」公式ツイッター(@shinfla_ntv)より。

 最後に、伏線ではないが最終回のラストシーンで視聴者を感心させたのが、登場人物の運命をことごとく予言していた占い師の“猫おばさん”(平田敦子)だった。

 あらゆる状況をクラシック音楽に絡めて語る猫おばさんは最後、相良家から頼まれた記念写真を撮る際に「はい…ドン!」と一風変わった掛け声でシャッターを切っていた。これはおそらく、古典派を代表する作曲家フランツ・ヨーゼフ・ハイドンにちなんでのこと。今後、この「はい…ドン!」が考察好きの視聴者に流行るのかもしれない。

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