井澤勇貴&鎌苅健太が目指す“少年bar”の今後 手料理から垣間見える、お互いへの思いやり
仲のいい俳優たちがシェフと客に分かれ、トークを繰り広げながら料理を作り実食をする新番組『スマメシ』。コロナ禍によりオープンイベントの機会が減った今、俳優の魅力や笑顔、人間らしい一面を、映像でリアルに届けたいという思いから制作が決定した。
第1弾は、ミュージカル『憂国のモリアーティ』で共演し、プライベートでも交流がある井澤勇貴と鎌苅健太が出演。番組前半パートでは鎌苅が中華を、後半パートでは井澤がカレー&デザートを調理し、お互いをもてなしていく。
2.5ジゲン!!では、収録後の井澤と鎌苅に独占インタビュー。同番組のことはもちろん、2人が主催している新感覚バラエティイベント『少年bar』についてなど近況を探った。ぜひ最後まで読み進めてみてほしい。
相手のことを考えて決めた献立
――番組内で披露したメニューはどのようにして決められたのですか?
鎌苅健太(以下、鎌苅):最初、卵料理にしようというところまでは決めていたのですが、オムライスとかは王道過ぎて嫌だな…と。なら、チャーハンにしようと思ったんですよね。それが決まったあと、「焼いたネギと鶏肉のスープもよく作るし、この2品の相性が良さそうだな」ってひらめいて。それで最後に「今って夏だよな…そうだ、ナスだ! よし、井澤を油まみれにしてやろう!」という流れで、3品目のなすの味噌炒めが決定しました(笑)。
実はもう一品、野菜の和え物を用意するつもりだったんですけど時間がなくて。見事に全部茶色の料理ばっかりの仕上がりになりましたが、勇貴が美味しいって言ってくれたんで結果的に良かったです。
井澤勇貴(以下、井澤):あのネギと鶏肉のスープは2億点。マジで抜群に美味しくて! あれ自分でも美味しいって思ったでしょ?(笑)
鎌苅:うん、今まで自分が作ってきた鶏系のスープの中で一番美味しかった。
井澤:本当に皆さんにも飲んでいただきたいくらい美味しかったです。店出せますよ。
鎌苅:(笑)。料理もそうなんですけど、勇貴とやることの全てに“新しい”ということがテーマとしてあるんですよ。「今までやったことがないことをやってみよう」という。
実際にやってみた時に「なんだ、意外とこんなことくらいはちょっと頑張ればできてしまうんだな」というのを発見していきたくて。これって違うジャンルに挑戦したり出会うからこその体験ですよね。
――井澤さんはなぜカレーを選んだのでしょうか。
井澤:カレーは僕、一度自宅で作ったことがあって。その時に美味しかったということもあるんですけど、けんけん(鎌苅)さんが食事制限をしているというのを知っていたので、今日くらいは羽を伸ばしてガッツリ食べてもらいたいなって思ったんですよね。だったら僕が作ったことのある、カレーをぜひ食べてもらいたいなと。
鎌苅:やさしいなぁ。
井澤:自宅と(キッチンの)環境が違うのでたまにテンパってしまいましたけどね。
鎌苅:いや、俺より全然緊張してなかったよ?
井澤:ホント? カメラが回っていて、仕事モードで料理をするって何だか慣れないですよね。
――ちなみにカレーのルーを2種類入れていましたが、こだわりが?
井澤:自宅の時は甘口2かけら、中辛3かけらを入れてたんですけれども、今回は辛口3かけらと中辛3かけらをミックスしました。自宅で作った時にそこまで辛さを感じなかったので、今回はそこの調整も兼ねて、けんけんさんに振る舞う用に量を変えました。
鎌苅:俺のために!? ありがとう。てか、2種類のルーを入れてくれてるところ見逃してたわ。
井澤:マジすか? 結構目の前で入れてましたよ(笑)?
鎌苅:うん、ごめんね? 今知ったわ(笑)。いや、マジでいい辛さだったよ。
井澤:ホントはあそこにウスターソースとか隠し味に入れたかったんですけど、余裕がなかったですね。
鎌苅:待って、アレンジしようっていう、その考えに行き着くところがそもそもすごいわ。
――料理にちなんで…。地球最後の日に食べたいメニューはなんでしょうか。
鎌苅・井澤:母のご飯。
鎌苅:やっぱそうだよなぁ。もちろん料理もですけど、“誰と食べるのか”も重要ですよね。
井澤:うん、そうだね。誰と一緒に過ごしたいです?
鎌苅:ガチで選ぶとしたら? そりゃもう、オカン、奥さん、娘…大事な人とあったかいご飯。特別なメニューじゃなくてごくごく普通の晩御飯をみんなで食べたいなぁ。
井澤:そうなりますよね。
――お母様の思い出の料理をお伺いしても?
井澤:僕は唐揚げも大好きなんですけど、一番はカジキマグロの煮付け。これ、もともとは母方のおばあちゃんが作っていて、そのレシピを母が聞いて作ってくれたんだと思うんです。一番初めに食べたのは確か、小学生か中学生かくらいなんですけど、衝撃的な美味しさで。それからずっと大好きです。
少年barの今後の計画とは
――少年barとしての活動を開始してみていかがですか?(※本取材は2021年7月に実施)
鎌苅:去年3月の外出自粛期間くらいから、当たり前だったことが急にできなくなってしまって、初めてのことに挑戦することが急激に増えたんです。そこから徐々に「このままではダメだ」と思うようになりました。今やらなきゃ置いてかれてしまう、ここで動かなくてどうするんだと。そこから始動したんですよね。
最初は右も左も分からなすぎて、一つずつクリアしながら、ちょっとずつ前に進んでいっています。実は僕たちには今後の計画が色々とあって。
井澤:そこへの布石を打つというか、今は種を蒔いている状態ですね。おかげさまでここ数カ月でたくさん動きがありました。
鎌苅:何かしらを始めたら、出会いはあるんだなと実感しています。僕が声をかけて、作戦会議をするところからスタートして…次にスタジオさんを探していたらたまたまお声がけをいただいたりだとか、どんどん縁が繋がっていくんです。
全部を自分たちの手でやっているからこそ、関係者の皆さんには本当に感謝しかないです。それこそ、2.5ジゲン!!さんに僕ら2人のお話を聞いていただけているのもありがたいです。
井澤:2.5ジゲン!!さんの編集部で『少年bar』の話題を出してくださったということが、そもそもすごく感慨深くないですか。
鎌苅:俺も思った! 初めてだよね、話を聞いてもらえるの。
井澤:うん、この2人での対談なんて他でやってこなかったもんね。本当にさっき、この取材前に経緯を聞いて「知ってくれてるんだ」ってしみじみと感じて。今日はありがとうございます。
鎌苅:僕たちの活動を発信する貴重な場をいただきました。すごく嬉しいです。
――今後の計画を少しだけお聞きしてもいいですか?
井澤:さきほど新しいことも計画しているとお話しましたが、まずはその前にお客さんの目の前でイベントをやりたいですね。僕たちが動いているところや演じているところを生で見ていただきたい。
鎌苅:勇貴の言う通り、まずは有観客から。
もちろんその先のことも考えていて、もしお客さんと触れ合えるようになったら、さらに楽しいことを届けたいなと計画中です。例えば、僕はビリヤードを世に広めていくことも一つの夢なんですよね。それはきっと僕個人でもだけど、勇貴に手伝ってもらって少年barとしても広める活動していくと思います。“何かを経験してみる機会”というのを作ってみて、そして体感してもらうっていう。
これまでは僕一人だとなかなか動けなくて、そのきっかけをくれたのが勇貴なんです。こうして乗っかってくれたので、彼の存在は僕の中ですごく大きいです。このきっかけから勇貴が出会わせてくれた人もたくさんいて。
ファンへのメッセージ
井澤:今回『スマメシ』でカレー作りに挑戦しましたが、僕が料理をする機会は日常ではほとんどなくてですね、誰かに手料理を食べてもらうことがそうそうないんです。正直10代の時に妹に昔作ったのが最後の記憶なんですよ。
鎌苅:だとしたら天才だよ。
井澤:(笑)。そこから時間を一気に飛び越えて、次に食べてもらう機会がまさかのけんけんさんだったので緊張しました。食べる側と作る側の境目の空気感と緊張度合いは全然違うんですよね。ですが、スタッフさんも、けんけんさんも楽しんでくださっているのが伝わったので良かったです。そんな楽しそうでリアルな温度感を、画面を通して感じていただけたらなと思います。
そして毎月配信をしている『少年bar』は今後、イベントも計画中です。こういった面白いことに乗っかってくださるお客さまや役者さんがどんどん増えてくれればいいなと思います。
今はまだこの船を大きくしようとしている最中で、このご時世大変なこともありますが、頑張っていれば何かしらの形で夢に続く道は開かれていくと思います。どうぞ両企画ともよろしくお願いいたします。
鎌苅:この『スマメシ』は勇貴と一緒だったからチャレンジすることができました。「失敗してもいいんだ」と思える仲間と収録できて、そして、そういう人が身近にいるって素敵だなと思うんです。
「まずい」が面白くなったり、もしかしたら美味しくなったりもするかもしれない。これは料理に限ったことじゃなく。そういう仲間が側にいると生きていくことが楽になるのかなと。この仲間を僕は今後も大事にしていきたいと思います。
少年barの活動は、今後も僕のずっと守っていきたい箱というか…一人じゃできないことを多くの方のおかげで実現できています。作戦会議から見ていただいている方や、今の時期に見てくださっている方々が、本当にたくさん支えてくださっていて。その方たちがいなかったら、僕たちは始動すらできなかったと思います。
僕はあと2年ほどで40歳になるんでけれど、もう1回キラキラしたいと思うんです。…実は、昔はキラキラしていると言われることは嫌いだったんですけどね(笑)。
改めて思うと、楽しんでいる人はみんなキラキラしているんですよね、それは年齢に関係なく。きっとそのキラキラを通して、見ていただいている方も元気になってくださるはずだから。それをお届けできるように頑張りますので、ずっと、応援してください。どうかよろしくお願いいたします。
* * *
本インタビューを通して改めて感じたことがある。井澤と鎌苅自身の熱意はもちろんだが、感謝の気持ちを芝居や配信といった場所で必ず還元してくれるからこそ、そこに魅了された人々がたくさん集まってくるのではないだろうか。きっとこの2人だからこそ、この両企画はこの先もどんどん拡大をしていくように思う。
『スマメシ』『少年bar』の今後の活動に目が離せない。きっと2人のトークに笑顔と元気を分けてもらえるはずだ。
取材・文:ナスエリカ
『スマメシ』
■発売日
2021年10月30日(土)
■出演
井澤勇貴、鎌苅健太
■制作
株式会社リジュエ
■公式HP
https://www.lijouet.com
■公式Twitter
https://twitter.com/smilemeshi
『少年bar』第7回
■日程
2021年10月25日(月)
■出演
井澤勇貴 鎌苅健太
■公式Twitter
https://twitter.com/shonenbar/
■チケットURL
https://www.lijouet.com/sumameshi
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