百瀬朔、『血界戦線』第3弾は“座長としての背中”を… ライブラの団結力でさらなる高みへ
舞台『血界戦線』Blitz Along Aloneが10月22日(金)、東京・天王洲 銀河劇場で幕を開ける。
原作は内藤泰弘の漫画『血界戦線』。2008年に連載スタート、現在はセカンドシーズンにあたる『血界戦線 Back 2 Back』が連載中だ。舞台化第3弾となる本作では、「ラン!ランチ!!ラン!!!」「世界と世界のゲーム」「幻界病棟ライゼズ」などのストーリーを基に、ライブラ構成員たちの戦いや日常生活など描かれる。
2.5ジゲン!!では、初演から主演を務めるレオナルド・ウォッチ役の百瀬朔にインタビューを実施。作品への意気込みや見どころを聞いた。
――舞台「血界戦線」いよいよ3作目です。本作が決まった際の心境をお聞かせください。
ありがたいですし、嬉しいというのが率直な意見です。第1弾、第2弾でもいろいろなエピソードを上演してきたんですけど、今回はどんな話になるんだろうなと最初に思いました。台本をもういただいたんですが、バランスがいいですね。笑えるところもあれば頭脳戦もあったり、バトルもあったりと、観ている方も飽きない展開になっているんじゃないかなと思います。
――第1弾、第2弾と比較して、役や作品に対する考え方に変化はありますか?
特筆して、何かを変えていこうというような気持ちではありません。これまで演じさせていただいたことが何よりの役作りです。ライブラの団結力を含めて、今までの経験が一番の鍵になっていると思います。特別なことをするわけじゃなくて、レオとしてみんなに引っ張られたり、振り回されたりしながら、僕自身も楽しんでいけたらと思っています。
――第3弾を迎え、作品を通して百瀬さんご自身が変わったと感じるところはありますか?
過去2作とも出番も台詞も多くて、座長ではあったんですけど、みんなをまとめて先導するタイプではないな…と思っていたんです。できるだけ役に寄り添ってこの作品をよくしようと走り続けてきた背中が、ちゃんと座長のものになっていたらいいな、と思っています。そうやって今日まで駆け抜けてきたので、今回は座長らしくというか…おこがましいかもしれないですが、座組のリーダーとしてアプローチしていきたいなと思っています。
――レオナルドを演じるにあたって、特に意識しているところはありますか?
レオナルドは超人が周りにいる中で、神々の義眼という技は持っていますが、平凡な青年です。観に来てくださっている方々ももちろん特別な力を持っているわけではないので、レオの目線はお客さまと一緒だと思うんですよね。なので、お客さまに寄り添えるようにしたいです。僕と一緒に一喜一憂してもらえたらなと思っています。
――レオナルドと百瀬さんの共通点をお聞かせください。
身長はばっちり合っていますね(笑)。身長や小柄さは他の人にはどれだけ努力してもできないところですからね。
あとは基本的な性格や物言いですとか、ザップに突っ込んだりするような立場的なものも一緒かなと思っています。レオだったらこうする、って考えて演じているところは多くないかもしれないですね。
――では逆に、違っていると感じるところは?
そうですね…。妹を助けるために戦ったり、瀬戸際の動き方は、追い込まれてみないと分からないですね。もしかしたらレオみたいに戦えなくて逃げちゃうかもしれないし、レオよりも戦えるかもしれないし。危機的な状況に陥ったら、選択肢は変わってくるのかもしれません。
――今作は「ラン!ランチ!!ラン!!!」、「世界と世界のゲーム」、「幻界病棟ライゼズ」など、人気エピソードが盛り沢山ですね。特に楽しみにしているエピソードはありますか?
全部楽しみです! 発表されていない他のエピソードもあるんです。台本を読んだ時点で、僕が見たいと思っていたエピソードもあったんですよ。観に来てくださる方にも楽しみにしていただきたいです。
「ラン!ランチ!!ラン!!」は周りの『血界戦線』ファンからも「見たかった!」という話を聞くことが多かったです。もしかしたら、第3弾のために取っておいたのかな? と思っています(笑)。ザップ役の猪野ちゃん(猪野広樹)とツェッド役の澄也くん(伊藤澄也)とは他の作品でも一緒になっているので、今までの経験値がある分、特に楽しみになっています。
「世界と世界のゲーム」ではレオ自身はそんなに絡むわけではないんですが、クラウスさんがプロスフェアーで戦う時の演出がどうなるのか楽しみです。長台詞のやり合いもありますし、お客さまを飽きさせずにいい場面にできるのか、ドキドキしますが楽しみではありますね。
――「ラン!ランチ!!ラン!!!」はレオナルド、ザップ、ツェッドの仲の良さが光る回ですね。ザップ役の猪野さん、ツェッド役の伊藤さんとの思い出などがあれば教えてください。
第2弾の時はコロナ禍の影響もあって、みんなで集まったりはできなかったんですが、第1弾の時は楽屋だったり、大阪公演の時は誰かのホテルの部屋に集まってゲームをよくしていましたね。そこで本気になって戦っているので、レオたちの関係性と近いものがあるかもしれないです。
――レオナルド、ザップ、ツェッドの3人は、ザップが2人を振り回し、ツェッドとレオナルドがフォローするという関係です。実際の3人はいかがでしょうか。
近いと思います。猪野ちゃんがボケて、澄也くんのことをイジって、僕がツッコミを入れて、っていう関係性です。なので舞台の上も実際は変わりないかもしれません。
――今作では田上真里奈さん、小野健斗さん、郷本直也さんが新キャストとして加わりました。3人の印象や、今後楽しみなことはありますか?
ザメドル役の小野健斗くんは前回の舞台でも一緒でした。小野さんと郷本さんは敵役で、クラウスさんやスティーブンさんが主に戦うんですけど、俯瞰して見るのがすごく楽しみですね。皆さんすごく身長が高いんですよ。なので、すごく迫力のある殺陣になると思います。
――今作の見どころ、注目ポイントを教えてください。
稽古がまだ始まってないので、どうなるかはまだまだ未知数ですね。ですが過去2作とも「この表現どうするんだろう?」という描写も舞台上で表現してきました。今回は特にザメドルの犬ですね。犬の戦い方や、「ラン!ランチ!!ラン!!!」の食べ物をどうするのか、注目していてください。僕自身、楽しみです。これからの稽古で、(演出・脚本の)西田大輔さんを中心に話し合って、すごくいいものができるんじゃないかなと思っています。
――舞台「血界戦線」は、百瀬さんにとってどういった作品でしょうか。
1年に1回、ルーティンみたいになっているので、すごくありがたいですね。この時期は「きたな」って感覚です。始まってしまえば大変なこともたくさんあるんですけど、毎回ライブラのメンバーがいて、新しいキャストさんがいて、すごく楽しみな行事になっていますね。
――最後に、今作への意気込みをお聞かせください。
こういうご時世に観に来るという決断をしてくださった方、もしかしたら配信もあるかもしれないので配信を観てくださる方、皆さまに支えられているということを改めて実感しています。当たり前だったものに対する感謝を再認識させられました。僕ら自身、“最高のもの”をつくろうとハードルを上げて、一つ一つできることを頑張っていきますので、是非観に来ていただけたらと思います!
取材・文:水川ひかる/撮影:ケイヒカル/ヘアメイク:車谷結(do:t inc) Yui Kurumatani/スタイリスト:吉田ナオキ Naoki Yoshida/衣装協力:blue in green
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