

“普通”がわからない…知的障害を持つ女性の恋愛漫画、作者の経験と学びを反映「自分を愛さなくていいから許してあげて」

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、ざくざくろさんがTwitterで連載している「初恋、ざらり」。連載回数を重ねるごとに人気を伸ばし、同作は今回は、作者のざくざくろさんに創作の背景などを伺った。
必要とされたら拒めない25歳女性の恋愛模様
コンパニオンとして働く25歳の有紗は、軽度の知的障害を抱えている。療養手帳を持ってはいるものの、そう記載すると就職の面接に落とされてしまうだけでなく「しょうがい者枠は安いからふつうがいい」という理由から、履歴書にはその旨を書いていないという。
そんな中有紗は配送センターに就職が決まり、岡村という男性に仕事を教えてもらうことに。午前と午後を「AM」「PM」と表記することがわからなかった有紗に対して、「オレも最近まで知らんかったし!」と優しくフォローしてくれた岡村のことが気になり始めてしまう。
有紗は「自分が世界に必要とされるには“普通”でなければいけない」「でも自分はバカだから人より努力をしなければいけない」と思っており、必要とされたら拒めない性格の持ち主。本来は禁止されているがコンパニオンとして出会った客とプライベートで会ってしまったり、キスを拒めなかったりと罪悪感や嫌悪感を抱えながら生きる中で岡村の優しさに触れ、恋に落ちる。
不器用ながらもまっすぐな有紗と、戸惑いつつも有紗と向き合い続ける岡村の恋模様を通して「普通とは何か」を問いかける同作は、連載回数を重ねるごとに人気を伸ばしており、中にはいいね数が1万以上を超える回も。読者からは「キュンキュンする」「初々しい恋愛が可愛い」といった恋愛に対する感想のほか、「有紗ちゃんの“普通”を求める気持ち、とてもわかります」「普通って何なんだろう」「胸がしめつけられる」など“生きづらさ”に対する共感の声が寄せられている。
今回は、自身もADHDとアスペルガー症候群と診断を受けているという作者のざくざくろさんに創作の背景などについて話を聞いた。
見た目ではわからない悩みや苦しさを描きたかった
――この作品はどのようにして生まれましたか?また、作品にはざくざくろさんご自身の経験なども反映されているのでしょうか?
見た目にはわからない障害ならではの悩みや苦しさがあるということを描きたかったからです。自分がADHDとアスペルガー症候群と診断されており、そういった経験があったので。物語の出来事はほぼ創作なのですが、感情の面では自分をかなり反映しています。
――「必要とされたら拒めない」という有紗のキャラクターはどのように生まれましたか?
私が若いころ、身体でしか価値を提供できないと思い込んでいた経験から有紗はできました。
――作品を通して「生きづらさ」や「普通とは何か」といったテーマがあるように感じます。こういったテーマを描くときに気をつけていることや心がけていることはありますか?
自分が感じてきた「普通」へのハードルの高さや、その「普通」に近づく努力、でもどれだけ努力しても「普通」になれない…という、自分が体験してきた感情をできるだけ細かく思い出すようにしています。それと同時に、「普通側」にいる人の有紗への感情も描くようにしています。
――Twitterでのアップ後、とても大きな反響があったかと思います。特に印象に残っている読者からの反響があれば教えてください。
有紗と同じく、軽度の知的障害をもつお子さんをもつ親御さんからのコメントで「障害を優しい視点でかいてくださってありがとうございます。」というコメントです。
よく障害のあるお子さんをもつ親御さんから「娘、息子が大きくなったら有紗みたいな悩みを持つのかと思うと心が苦しい」とリプをもらうことがあり、「もしかしてこの漫画は親御さんを苦しめているのかもしれない」と思っていたのでびっくりしました。
――作中に登場する有紗のように、生きづらさを抱えている読者へのメッセージをお願いいたします。
私が生きづらさから解放されたのは30歳を過ぎてからでした。「あぁ、自分は自分以外にはなれない、じゃあもうこのままでいいや」と自分を許したことがきっかけです。たとえ周りから浮いていたとしても、自分がやりたいように生きようと。それから人生が楽になりました。
若い頃の私や、有紗と同じように生きづらい方たちも、自分を愛さなくていいから許してあげて欲しいです。
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