桜庭大翔×髙﨑俊吾、梟谷キャストとして過ごした日々…演劇「ハイキュー!!」から学んだこと
ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」〝頂の景色・2〞が3月20日(土・祝)に開幕。ついにシリーズ最終公演を迎える。
〝頂〟を目指す日向翔陽たち烏野高校は、春高準々決勝に駒を進めた。同じく準々決勝に挑む梟谷学園高校は狢坂高校と対決。両陣営のエース、木兎光太郎と桐生 八の激突にも注目が集まる。
2.5ジゲン!!では、梟谷学園の木兎光太郎役・桜庭大翔、赤葦京治役・髙﨑俊吾にインタビューを実施。本作へ懸ける想いや稽古場でのエピソードを、笑いを交えながらも熱く語ってくれた。仲の良さが伝わってくる、和気あいあいとした様子をお届けする。
――出演が決まった時のお気持ちはいかがでしたか。
髙﨑:〝最強の挑戦者(チャレンジャー)〞 は残念ながら4公演で終わってしまいました。どうしても悔いが残っているので、また演劇「ハイキュー!!」に東 拓海を含めた3人で出演できることがすごく嬉しいです。
終幕をうたっている今作に携わらせていただけることも光栄です。ちゃんと演劇「ハイキュー!!」を終わらせたいなと思いました。
桜庭:演劇「ハイキュー!!」は、僕が初めて舞台に出させていただいた作品です。だから本当に思い入れがありますし、そんな作品の最後に関わることができてすごく光栄です。
終わりを迎えるのはやっぱり寂しいですし、悲しいですけど、僕らしく、ガッ! と最後まで盛り上げていきたいです。「最高に楽しかった!」っていう思い出を皆さまに残したいですね。
――前回同様、梟谷からは木葉秋紀役の東 拓海さんを含む3人でご出演されます。SNSなどからも仲の良さが伝わってきますが、稽古場ではどのようにお過ごしですか。
髙﨑:他校のキャストのみんなからも、「梟谷3人でいつもつるんでいるな」って絶対思われているくらい一緒にいます。稽古場では変な話も芝居の話もいっぱいしますよ! たまに不機嫌になったりもします(笑)。お互いにちゃんとやりたいことを言い合える仲だからこそですね。
桜庭:関係のない話もしますね。…と言いつつ、関係のない話が8割、9割かもしれません(笑)。
髙﨑:漫画の話とかね(笑)。
桜庭:そうそう。お芝居に関する話はもちろんですが、休憩時間にはくだらないことばっかり話しています。“男子校”っていう雰囲気ですね。
髙﨑:あとは筋トレもすごいですね。この人、僕と東をマッチョにさせようとしているんですよ。
桜庭:やっぱり演劇「ハイキュー!!」はすごく体力のいる作品なんですよ! 〝飛翔〞から筋力を必要とする新しいパフォーマンスもすごく増えました。木兎はたくさん跳ぶキャラクターなのですが、下で支える2人にどうも筋力が足りないなと(笑)。筋力増強プロジェクトを最近強いています。
髙﨑:演劇「ハイキュー!!」の梟谷は筋肉チームですね(笑)。
――桜庭さんは、その肉体美をSNSに公開して注目を集めましたね。木兎を演じる際に目指している肉体のイメージはあるのでしょうか。
桜庭:ありますよ! 木兎は、技術面はもちろん、パワーがあります。なので、まずは肉体的な見た目も大切にしています。バレー選手は背筋がすごいので、逆三角形に近づけるように背筋を鍛えていますね。原作にもエースの心得というものがあるんですよ。
髙﨑:「背中で味方を鼓舞するべし」ですね。
桜庭:そう、それ! 木兎は背中で味方を鼓舞するんです。あとはもちろん、ジャンプに必要な脚もしっかり鍛えています!
――東さんは、お二人にとってどのような存在ですか?
桜庭:ちょっと真面目な話をしちゃいましょうか。今いないので(笑)。
恥ずかしいんですけど、僕は彼を精神的支柱だと思っています。東って、あまりミスをしないんですよね。メンタルが崩れない。だから、一緒にいるだけで落ち着くんです。「何かあっても、こいつは何とかしてくれるんだろうな」って頼りにしています。
髙﨑:僕は〝はじまりの巨人〞で初めて演劇「ハイキュー!!」に出演しました。当時、木兎役に代役として拓海が入ってくれたんです。不安もある中で初めて会いましたし、彼自身もすごく大変だったと思うんですけど、お互いを支え合うことができました。拓海の方が演劇「ハイキュー!!」の先輩でしたから、その時からずっと「支えてくれる存在」だと思っています。
――原作では天然の木兎を梟谷のメンバーがフォローしているイメージですが、実際の3人の関係はいかがでしょうか?
桜庭:一番天然なのは、実は髙﨑なんですよ。東は髙﨑と2人でいたらツッコむんですけど、3人でいると髙﨑に乗っかっちゃうんですよね。だから逆に、僕がツッコミ役かもしれません。
髙﨑:いや、違う(笑)。桜庭さんはですね、全部やりたがるんですよ。「俺に振ってくれ! つっこませてくれ!」ってアピールしてくるから、僕たちはパスを出しているんです。
桜庭:根っからの天然じゃないですね。ヨイショ天然だ(笑)。
髙﨑:あはははは! 何、その言葉(笑)。流行らせていこう。
――改めて木兎と赤葦、それぞれの好きなところをお聞かせください。
髙﨑:赤葦は梟谷の中で唯一、2年生のスタメンで、更には副主将という役職についています。すごくしっかりしているイメージですし、何事にも冷静な司令塔という役割で見られることも多いキャラクターです。
でも、そんな中に出てくる赤葦にしかない感性の台詞や、それこそツッコミどころのある愛らしい一面が魅力だと思っています。
――ちなみに、髙﨑さんから見た木兎の好きなところは?
髙﨑:実は、原作で一番好きなキャラクターは木兎なんです。見ていて元気になれる、太陽みたいな人だと思っています。木兎の誰に対しても元気に接して、周りを笑顔にできる底抜けの明るさをすごく羨ましく思うことがありますし、そういうところが大好きです。
桜庭:ありがとうございます!
髙﨑:いや、木兎の話ね。
桜庭:ありがとうございます!
髙﨑:はいはい(笑)。
――桜庭さんは、木兎のどこがお好きですか?
桜庭:言われちゃったんですけど、やっぱり底抜けに元気なところですね! でも、元気なだけじゃなくてちゃんと強さも備えていているところが魅力的です。僕たちにとっての東みたいに、木兎はいるだけで安心感があるんですね。
あとは、野生的なところもすごく好きです。試合中にたまに獣みたいになるんですよ。ストイックで一点に集中できるところを羨ましいとも思います。
――木兎と赤葦、ご自身の性格との共通点はありますか?
髙﨑:この前、武田一鉄役のケンケンさん(鎌苅健太)に「漫画を読んでいると、赤葦が俊吾にしか見えない」って言っていただきました。見た目もあると思うんですけど、周りから見られる印象は少し似ているのかなと思っています。
今でこそ僕はラバ(桜庭大翔)からヨイショ天然っていじられたりもしますけど、第一印象は少し猫をかぶっているところもあったんですよね。最初はしっかりしていないといけないと思っていましたし、そういう風に見せようとする性格は似ていると思います。
桜庭:僕は、「自分のやりたいことは絶対にやる!」っていう頑固なところが似ています。あと、ポジティブなところですね。僕、あまりネガティブになることがないんですよ。
初めて演じた役が木兎で、最初は壁がたくさんありましたが、不思議と打ちのめされることなく、次へ次へと進むことができました。木兎はしょぼくれることはありますが、ネガティブになることはありません。変にマイナスにならないところが似ていると思います。
――桜庭さんは約2年、高崎さんは約3年の間、木兎と赤葦を演じられています。キャラクターを通して学んだことはありますか。
髙﨑:人間って、一言で片付けられるものじゃないですよね。赤葦はクールだねって言われるけど、ただそれだけで済む人なんていないわけで。
赤葦のいろんな姿を見てきて、僕自身も役に多面性や深みを持ちたいなと思うようになりました。3年間赤葦とずっと見つめ合ってきたからこそ、人間の魅力がいろんなところに出るんだなと学ぶことができました。
桜庭:バレーボールを楽しめていない月島(蛍)に「それはさ へたくそだからじゃない?」と木兎が言うシーンがあります。お芝居でも生活の中でも、何かを嫌だと思うのはそれを楽しめるほど経験を積んでいないからだと痛感するようになりましたね。
楽しむためには、たくさんのことを積み重ねなければいけない。楽しめない要因は自分の中にあるんだと思って、いろんなことに対するアプローチの仕方が変わりました。
――今まで演じてきた中で、お二人が選ぶ赤葦と木兎のベストシーンはどこですか。
髙﨑:〝東京の陣〞で音駒の策にはまって不調になった木兎の道を赤葦が開くシーンです。
稽古の時にも、みんなですごく迷ったシーンなんですよ。「もっとよくなる、まだ足りない!」って相談して、千秋楽に向けてどんどん良くなっていきました。みんなで育てたシーンなので、とても思い入れが強いです。
桜庭:僕も同じシーンです! 戦いの中で突破口を見つけた木兎が、「視界良好」って言う台詞があるんです。僕としても、同時にお芝居の突破口を見つけることができました。それまでずっと悩んでいたけど、最後にやっと前が見えた木兎と自分がリンクしている感じがして、一番気持ち良かったシーンですね。
――最後に、意気込みとファンへのメッセージをお願いします。
髙﨑:演劇「ハイキュー!!」は、本当にたくさんの方に応援していただいている作品です。ファンの皆さまはもちろん、出演者も本当に演劇「ハイキュー!!」が大好きで、これ以上面白い作品はないと思うくらいに愛しています。最後まで、キャスト一丸となってこの作品を愛し抜いていきます。皆さまの愛も昇華させます!
桜庭:初演からずっと、たくさんのキャストがこの作品を受け継いできました。“繋ぐ”という言葉が一番合う作品だと思っています。みんなで繋いできた作品の集大成、皆さまの心に残る作品にしたいと思いますので、ぜひ観に来てください。
撮影:ケイヒカル
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