岡本夏美「心が追いつかない状態」思春期の悩みを吐露
2019.02.06 15:46
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近現代戯曲シリーズ『春のめざめ』及び『恐るべき子供たち』製作発表会が6日、KAAT神奈川芸術劇場で行われ、出演の伊藤健太郎、岡本夏美、栗原類、南沢奈央、柾木玲弥、松岡広大、芸術監督の白井晃が出席した。
岡本夏美、同作出演は「奇跡のようなご縁」
2017年に初演され、今回、再演となる『春のめざめ』でヒロインのヴェントラを演じる岡本は「前回の『春のめざめ』をこの神奈川芸術劇場の客席で観劇させていただいておりまして、そのときに書いていた日記に“ヴェントラ役がやりたかった”って書いてあって、まさか今回オーディションを受けさせていただけるという奇跡のようなご縁がありまして、そこからオーディションで白井さんにこの作品をやりたいという思いをまっすぐ届けられたらなと挑ませていただきました」と感慨深げに語り、「今回はヴェントラということで、まっすぐ清潔な心を持った女の子で、体と行き違いやすれ違いがある繊細な気持ちをしっかりと演じていけたらいいなと思っています」と力を込めた。岡本夏美、思春期を回顧「心が追いつかない状態」
さらに、自身の思春期の頃と今回演じる役との共通点を尋ねられると、岡本は「私の中学生くらいの頃は、周りと比べるとだいぶ大人っぽくて、お仕事をさせていただいていたので、お仕事をしていく中で大人と喋る機会が多くて、そのときに『大人っぽいね』と言われることがあって、心が追いつかない状態といいますか、見かけが大人っぽいから自分もどこか背伸びしなければいけないみたいな窮屈な気持ちになったりすることがあったので、その辺はヴェントラと似ているのかなと思います」と吐露。「ヴェントラは好奇心があっていろんなことにまっすぐに興味を持ったりする女の子なので、そういう部分も確かに中学生の頃はいろんなことに興味があって、いろんなことをやりたかったし、大人の世界も覗いて見たいっていう部分もあったなと思って、共感しながら寄り添いながら演じていけたらなと思っています」と笑顔で語った。
南沢奈央、舞台主演に感慨「すごく難しいなという印象」
新作となる『恐るべき子供たち』で主人公・エリザベートを演じる南沢は、白井の演出を受けたいとずっと思っていたそうで「今回、お話を聞いたときは“ぜひやりたい”という気持ちで嬉しくて、緊張して、本番までまだ何ヶ月かあるんですが、『恐るべき子供たち』のことをずっと考えています。今回の作品はすごく難しいなという印象で、私も年齢が30代に近づいてきて、『大人っぽくなってきたね』って言われていたところで子ども役ということで、子どもらしい理性では動かないような複雑な心境だったりを一生懸命演じたいと思っております」とコメント。柾木玲弥、松岡広大ら、難解戯曲挑戦に意気込み
エリザベートの弟・ポールを演じる柾木は「僕は3年前が最後の舞台で、舞台の経験も浅いほうだと思うので、繊細なポールという役を一生懸命演じて、この素敵な作品の一員になれたらなと思います」とあいさつし、ポールの友人・ジェラールを演じる松岡は「白井さんのワークショップを1度受けさせていただいて、KAATでもお客さんとして劇場に足を運んで見ていたりしていた中で、KAATで芝居ができることを誇りに思っています。白井さんの演出を受けられるということを役者として喜びを感じていますが、現段階でもすごく緊張しています。戯曲初挑戦なので、南沢さんと柾木さんと一緒に演じることができて嬉しいです」と語った。また演じる役との共通点について、柾木は「色白なところと病的なところが似ています」とコメントして笑いを誘い、「内面的なことはまだ(理解できていないので)あと台本を500回くらい読む予定です」といい、松岡は「ジェラールは俯瞰的に見ているというか、一線を越えないように、だけど2人と離れたくないという距離感もあって、思春期になって変わるものとしてある一定の距離感を保つというか、空気を読むというか、そんなところは思春期に入ってから変わっていくのかなと思うので、僕も500回とか読んで、小説も今3周目に入っていますが、まだまだ読み込んで、もっと共通する部分を探してジェラールに憑依できるようにしたいと思います」と力を込めた。
戯曲『春のめざめ』『恐るべき子供たち』
1891年にフランク・ヴェデキント書かれた戯曲『春のめざめ』は、思春期の少年たちの性への目覚め、生きることの葛藤、それに対する大人たちの抑圧などが描かれ、そのセンセーショナルな内容から当時上演禁止の処分を受けた問題作。2006年にブロードウェイでロックミュージカルとして上演され、話題となった。『恐るべき子供たち』は、『春のめざめ』同様、思春期の少年・少女を主人公に、1929年に上梓したフランスの詩人・小説家・劇作家ジャン・コクトーの中編小説で、コクトーの代表作の1つ。小説だけでなく、詩、映画、批判などあらゆるジャンルの文学に精通しているコクトーの作品の中でも、古典文学の悲劇を思わせるという点でもっともコクトーらしい作品とも言われている。
『春のめざめ』は2019年4月13日(土)~29日(月・祝)にKAAT神奈川芸術劇場、5月6日(月・祝)に東広島芸術文化ホールくらら、5月11日(土)~12日に兵庫県立芸術文化センターにて上演。『恐るべき子供たち』は5月18日(土)~6月2日(日)にKAAT神奈川芸術劇場にて上演される。(modelpress編集部)
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