“少年院出身アイドル”戦慄かなの「トラウマが蘇った」壮絶な少女時代を回顧 過去の虐待経験を語る
2019.01.17 21:29
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少年院帰りのアイドルとして話題になっているアイドルグループZOCのメンバー・戦慄かなのが17日、映画「ジュリアン」(25日公開)トークショーに登壇した。
戦慄かなの、少年院からアイドルへ
幼少期に両親が離婚、妹とシングルマザーの母親に育てられた戦慄は育児放棄をされ、水道水だけで1週間生活したことも。中学3年生のときに新宿歌舞伎町へ出入りするようになり、高校生のときには、100円で大量購入したパンツを出会い系サイトで見つけた男性に対して雇った女子高生に売らせるブラックビジネスなどに手を染め、少年院に。少年院は通常10ヶ月で退所するところ、教官への反抗も多く、2年間いて「長老」と呼ばれていたというが、同時に猛勉強の末、高卒の資格を取得し、昨年大学に進学。現在はZOCのほか、妹と姉妹ユニットfemme fataleでも活動。児童虐待や育児放棄をなくすためNPO法人「bae」を立ち上げ、講演会などを行っている。
離婚した両親の間で苦悩する少年ジュリアンの葛藤を描き、そのリアルな描写から「ホラー映画よりも怖い」と話題の本作だが、戦慄が少年ジュリアンのように壮絶な少女時代を過ごしたことから今回のイベント出演に至った。
戦慄かなの、虐待を語る
「家庭というのは子にとって運命のようなもの。夫婦喧嘩や虐待は天災のようなもの。この映画を見て私もトラウマが蘇って、息ができなくなるような映画でした」「ジュリアンとは関係ないところで(親がうまく行かなくて)八つ当たりをされたり、(憂さ晴らしに)ジュリアンが使われたりするのが私のことと一致してすごく嫌な感じになりました」と率直に同作の感想を語った戦慄。劇中での表現に触れ「私は外部から見て分かるくらい殴られたり蹴られたりしてはいなかった。ただネグレクト(育児放棄)が虐待だというのは知らないと分からないんです。そういうタイプの虐待がもっと認知されて、(周りが)気づけるサイクルは必要だと思うし、監督もその必要性を訴えるためにこういう構成にしたんだと思います」と推測した。また「子どもは自分からSOSが出せないんです。私も学校で子どもホットライン、みたいなカードが配られていて、いじめとか暴力とか悩みがあったら相談できるようになっていて。それをお財布に入れていたけど電話をかけられたことは一度もなかった。助けてもらえる環境があっても自分から声を上げるのは大変なので、問題が起こる前に気づいてあげる仕組みが必要だと思います」と自身の経験を踏まえて持論を展開。「(虐待と)貧困はあまり関係ないと思っているんです。アダルトチルドレンじゃないけど、(自分が)加害者だと思ってない親が多すぎるんです。自分が暴力を受けていて被害者意識を持っていて、それで子どもに同じようなことをしてしまうことってあると思う。それが連鎖しちゃうし、それがなくならないのは仕方ない。でもこういう映画で(虐待を)見直す機会になればいいなと思います」と思いを語った。(modelpress編集部)
ジュリアン
本作は「シェイプ・オブ・ウォーター」(17)が金獅子賞を受賞した『第74回ヴェネチア国際映画祭』にて最優秀監督賞にあたる銀獅子賞を受賞し、本国フランスで40万人動員のロングランヒットを記録。アメリカの映画批評サイトRotten Tomatoesでは94点の高評価を得ている注目作。両親が離婚したため、母ミリアム、姉と暮らすことになった11歳の少年ジュリアン。離婚調整の取り決めで親権は共同となり、彼は隔週の週末ごとに別れた父アントワーヌと過ごさねばならなくなった。母ミリアムはかたくなに父アントワーヌに会おうとせず、電話番号さえも教えない。アントワーヌは共同親権を盾にジュリアンを通じて母の連絡先を突き止めようとする。ジュリアンは母を守るために必死で父に嘘をつき続けるが、それゆえに父アントワーヌの不満は徐々に溜まっていく。家族の関係に緊張が走る中、想像を超える衝撃の展開が待っていた。
【Not Sponsored 記事】
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