小関裕太のいる場所にトキメキと笑顔がある バースデーの節目にファンへ届けた“アーティスト”としての新しい挑戦<レポ>
2018.06.02 20:58
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俳優の小関裕太が2日、バースデーイベント『YUTA KOSEKI Birthday Home Party“AMAYADORI”』を都内で開催し、二部制で各500人のファンを沸かせた。モデルプレスでは昼の部のレポートをお届けする。
小関裕太と「雨宿り」 憂鬱な梅雨も笑顔になれる
映画『曇天に笑う』『ちょっとまて野球部!』『わたしに××しなさい!』など話題作への出演が相次ぐ中、20歳の誕生日には映画『Drawing Days』、21歳はショートムービー3本、22歳はビデオエッセイ「22 你好」を制作するなど節目ごとにクリエイティブを発揮する小関。23歳の誕生日を迎える今年は“AMAYADORI”と題し、小関の部屋にファンが「雨宿り」をしに来るという設定のもと、「音楽」がテーマになることが事前に告知されていた。傘をさした小関の後ろ姿とモノローグで構成されたオープニング映像。映像の中の小関がこちらに振り向き「後ろ、見て」と言うと、客席後方から本人から登場するという粋な演出に会場のファンは黄色い歓声を上げた。ハイタッチをしながらステージに上がり「こんなに緊張感のある中でのイベントが初めてでワクワクしています」と心境を語る小関。会場に「どこから来ましたか?」と質問を投げかけると北は北海道から全国津々浦々、沖縄は惜しくも不在だったものの、アメリカや中国など海外からはるばる訪れたファンの姿もあった。
小関の部屋をイメージしたステージにはギターやベース、カホン(打楽器)が並び、「実は僕全部弾けるんです」と驚かせた小関は、キーボードをサラリと弾き鳴らしてみせながら「梅雨がテーマなので、カエルたちの歌を」と初主演舞台『FROGS』(2008)から「恐れずに行こう」を披露。ファンにとっても思い入れのある曲と爽やかな歌声に自然と手拍子が沸き起こる。ピアノの弾き語りは初めてということで「ちょっと間違えちゃいましたね(笑)。僕の初めてです」とお茶目に照れ笑いしつつ、続けて高橋優の「虹」を歌唱。ひとつひとつの歌詞を丁寧に噛みしめるように歌い上げると「いい歌ですねえ~。僕の大好きな歌です。気持ち良かった」としみじみ語り「小関裕太として歌うのは新鮮。初めて歌を“届ける”っていう感覚を知りました」と笑顔を見せる。
ファンと近距離でトーク ポリシーは「ワクワク感!」
続いて「アットホームな空間でお話したい」という小関の思いから、会場のファンから直接質問を受け付けるコーナー。小関自ら客席に下りマイクを向ける距離感で、「(8日の)お誕生日には誰から一番最初に連絡が来ると思うか」と質問されると「みぞたく!(溝口琢矢)思い出す限り、今までもみぞたくからは早めに来ていたと思うから」と回答。「もし俳優をやっていなかったら何の職業をやっていた?」との問いには「大工さん。歌って踊れる大工さんになりたい」と意外な回答で驚かせ、「お仕事をする上で大切にしていることは何ですか?」には「ワクワクすること。自分自身にときめくかときめかないかで過ごしていれば、周りも自然と笑顔になる。ワクワク感です」とポリシーを明かす。常に笑顔で「あまりテンションが下がっていることがない」というポジティブなタイプだが、時にはそれがネックになることも。「そんな優しい役じゃない時に『口角が上がってる』と言われた。いつも笑っているみたいだから、『役と違うんじゃないか』と言われて。ナチュラルフェイスがちょっと口角が上がっているみたいで、その時期は周りを睨んだりして自分を操作していました」と役者ならではの意識を明かす。
作詞作曲のオリジナルソング「かめら」を初披露 アーティスト・小関裕太の才能が開花
そして再びのライブパートは映画『覆面系ノイズ』の楽器指導でタッグを組んだホタルライトヒルズバンドと共に「ウイスキーが、お好きでしょ」(石川さゆり・1990)を少し大人っぽい雰囲気で歌唱。楽曲の雰囲気に合うロマンチックな照明の中、ステージ上でジャケットとシャツを脱ぎ、Tシャツに着替えるドキッとした演出でファンを酔わせる。その後、ホタルライトヒルズバンドから「ハッピーバースデートゥユー」のサプライズ演奏を受け、満面の笑顔になった小関から「皆さんと一緒に曲を作ることができたんです。作詞作曲・小関裕太!」と今回のイベントのためにオリジナルソングを作ったという嬉しい報告。大の音楽好きで、実は自作曲を多くストックしていたという小関と共に制作に励んだバンドメンバーは、「(小関の曲は)どれも素晴らしかった。僕たちは(小関のことを)ミュージシャンとしてしか見ていないくらい」(藤田リュウジ)、「飲みに行った時に初めて聞かせてもらって、絶対に形にしたいと思った」(小倉大輔)と小関の音楽の才能に刺激を受けたことを明かし、有意義な制作期間を振り返る。
そのタイトルは「かめら」。好きな人と同じカメラでお互いの笑顔を写し合うという小関らしい温かな歌詞が印象的で、「ラーラーラー♪」の合唱で客席と一体に。「自分の曲を聴いてもらうことはすごく勇気がいって。それまでは評価をされたくないなっていう自分がいたんですけど、それを乗り越えて曲を最後まで作り切るという、何とも言えない経験でした」と心境を明かし、「恥ずかしいと思っていた歌を披露できて嬉しいし、皆さんと一緒に歌えたのも嬉しい。嬉しいがたくさん詰まってて、本当に最高でした」と達成感をのぞかせた。
「かめら」の歌詞にちなみ、会場から抽選で選ばれた1人に「残り18枚になるように撮っておいた」という使い捨てカメラをプレゼントし、ステージ上で自撮りをするサプライズも。イベントのテーマとは裏腹に晴れやかな気候となったこの日、終始ハッピーな雰囲気をファンと共有した小関は「舞台挨拶や発売イベントがあってもなかなか会話をできる時間がなかったので、23歳というタイミングでそういう時間を作ってみたいと思って、4ヶ月くらいかけて作ってみました。楽しかったです」と語り、「自分のストッパーを外してみるということ。恥ずかしいと思っていた表現のストッパーを外して、表現者として楽しみながら色々とものづくりできたらと思いました。その第一本目となったイベントでした」と今後の抱負も含めたメッセージで締めくくった。
エンディングとして「かめら」のMVも放映。終演後には小関自ら500人のファンをハイタッチでお見送りした。
今後も出演作が多数控える中、楽曲制作からイベント構成、グッズまで全てを自らプロデュースしたという小関。昼の部終了後の囲み取材で「歌も含めて何でもやれるアーティストになれたら」と語った通り、自分の好奇心のアンテナに従う素直さと、そのポジティブなエネルギーで多くの人を引き寄せる求心力、そして何よりもファンへの感謝が伝わる温かなイベントだった。(modelpress編集部)
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