藤原紀香&鈴木伸之、ラブシーン振り返る「ゆっくりと焦らず」<眠れぬ真珠~まだ恋してもいいですか?~>
2017.12.16 05:00
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ドラマ「眠れぬ真珠~まだ恋してもいいですか?~」(12月21、28日よる11:59~/2週連続前後編/読売テレビ・日本テレビ系)で主演を務める藤原紀香が、このほど取材に応じ、撮影期間、役への思い入れ、作品の見所などを語った。
同作は、人気作家・石田衣良氏が描く大人の恋愛小説「眠れぬ真珠」が原作。更年期障害に悩む45歳の独身女性と17歳年下の恋愛模様に、狂気じみたストーカーが迫るというサスペンス要素を盛り込んだ極上のラブミステリー。
海辺の家にアトリエを構える銅版画を専門とする女性画家の内田咲世子(藤原)が、年上の画商と不倫関係を続けていたものの、17歳年下の素樹(鈴木伸之)と出会い、年下への想いに葛藤しながら、一途な恋に落ちていく。
また、ラブシーンに関して質問されると「『欲望ではなく、恋によって結ばれた』素樹とのシーンは、純粋で切ないものになるよう監督とも心ゆくまで話し、ゆっくりと焦らず作りました」と紹介。鈴木は初めてのラブシーンに緊張したそうだが、「紀香さんが沢山アドバイスを下さったり、引っ張っていって下さったので、とても演じやすかったです」と語った。
視聴者へのメッセージを求められた際には、「17歳離れた年の差の純愛、そして、ストーカーの恐怖が迫りくるサスペンス要素が上手く入り混じった大人のラブミステリーになっていると思います。寒い冬空にぴったりの、切なさが溢れる愛しいストーリーなので、ぜひごらんになっていただけたらと。この作品に参加させて頂いて、本当に幸せでした」とコメントした。
なお、同作の主題歌がTOCの新曲「I’ll Light You」に決定した。(modelpress編集部)
タイトなスケジュールだったのです、その分、グッと集中し密度の濃い雰囲気の中でお芝居ができたので、クランクアップした時は共演者、スタッフ、皆さんが、1つの連続ドラマを作ったようなそんな気がするね、とおっしゃっていたくらい、充実感がありました。そんな中、スタッフさんとも『眠れぬ真珠』ならぬ、眠れぬ現場だね、と冗談を言いあったり和気藹々と撮影していました。
― 連日、早朝から夜遅くまでの撮影だったんですか?
原作、脚本の美しい情景や世界観がきちんと映像化できるよう、スタッフの方々がロケハンなど頑張ってくださり。毎日、遠くに足を延ばしてでも、この世界観の通りの映像にできたら、とみんな頑張っていました^_^ 原作の舞台は逗子なのですが、あの雰囲気を出せるような素敵な房総半島の海辺や三浦半島を行き来しながら撮影していました。夕陽が美しいマジックタイムにこだわり撮影したり、森の中の木漏れ陽も美しいと思います。
― 雨のシーン(精神的にぼろぼろになった咲世子を想い、基樹が雨の中待っている)は大変だったと聞きましたが?
びしょ濡れの2人でしたが、きっと素敵なシーンになっているんじゃないかと。苦労した分、映像に反映されるんですよね。自分の心にも。服の中まで濡れて、芯まで冷えて、でもそれがリアルに今の咲世子の気持ちにつながったり。スタッフさんも各部所それぞれ苦労したシーンも多かったと思いますが、きっとそれは光り輝くようなシーンとなって、観ている方の心に届くのではないかと思います。私も完成したものを楽しみにしているんです。
― 咲世子という同年代の等身大の女性を演じてみていかがでしたか?
年齢とともに自分の中でも変化してきている部分もあり、今だからできる役に出会えた素敵なご縁だなと思います。今回の主人公、咲世子は45歳で、自分の中でも等身大で演じられました。やはり、20代、30代とは違ってきている。女性というのはそういう事を感じながら日々生きている、そういう所もとてもリアルに描かれている本なので、共感することが多くて。恋愛に関しても若い頃とは違い、考え方が変わってきている所もある。咲世子の1つ1つのセリフだったり、鈴木さんが演じてくれた素樹の台詞などに心が震えたり。ああ、年齢を重ねても、心がキュンとするようなことって素敵な事だなと感じながら、撮影期間は咲世子と共に生きていました。
― 銅板作家役は初めてということで、演じてみた感想は?
銅版画家という職業を演じる上で、作法や知識などを勉強しながらなるべく忠実に演じられるよう努めました。黒の世界を大切にしたメゾチントという手法を使う銅版作家の役だったのですが、これまで銅版を作った事はなく、その世界に触れた事がなかったので、役作りのため、事前に銅版画の先生にお会いして、いろんな事を教わりました。銅版を削っていく作業は何でもない事のように見えて、とても奥深いもので、初めての世界に触れることができて、とてもいい機会でした。咲世子がメゾチントという黒の手法にハマるのか、それがわかった気がします。黒の世界観、メゾチントしか出せない黒の色もあり、とても魅力的だと思いました。
― 咲世子に共感できる部分もありましたか?
今を生きる、って大切な事なんだと思います。(年齢が離れた年下男性との恋愛は)社会的な事や女性の体の事など、色々な事を考えると、多くの人たちが、無理だ、やめときなさいと言うかもしれない。だけど、今の私はこの人がとても大事なんだ、という気持ちは本物なわけで。いつも思うのですが、人はいつ亡くなってしまうかわからない。この帰りに事故に遭うかもしれないし。阪神淡路大震災の時の頃から決めている事ですが、失敗しても、後悔なく、1つ1つの事を自分で選んで決めて、責任とって、懸命に生きていこうと。
本当にこの脚本には共感ができました。いつも、人生 今がスタートだと思いますし、年齢やいろんな事で制限してしまうのは自分なんだと。自身がその枠を作らなければ可能性は無限大であって、それには勇気がいるんだけど、生きているからこその苦労やチャレンジ、選択ができる…。私も今を大事にしようという思いがあるので、咲世子の選んだ選択や言葉はとても好きでした。
― この作品では17歳離れた男女の恋愛が描かれていますが、年の差の離れた恋愛にリアリティを出すために意識された点はありますか?
自分の年齢を意識しすぎて、踏み込みたくてもブレーキをかけてしまう…でもやっぱり好きという気持ちは抑えられない…そんな年上女性ならではの思いを、丁寧に表現できれば、と思っていました。日本やアジアだけかもしれないですが、年齢を重ねると女性って自分の年を気にしてしまいます。ちなみに、欧米、とくにフランスの女性などは年齢を重ねるごとに自信を持ち、胸を張って社会の中で生きています。私もフランス人のお友達がいますが『年齢や経験を重ねることが誇りなの』といつも話しています。自分もそういう風に生きよう、と思いながらも、日本の社会の中で生きていると、年齢で全てを左右されてしまう職場もありますし、女性は若ければ若いほど良しとする価値観の男性も多い社会なので(笑)。きっと咲世子みたいな思い(年下との恋愛にブレーキをかけてしまう)を抱えている女性は多いと思いますね。恋することに構えてしまったり、好きなのにブレーキをかけてしまったり…。『眠れぬ真珠』はそんな年上女性ならではの思いがつまっているので、繊細に演じていこう、と臨んだ作品でした。
― 鈴木伸之さんとの初共演を楽しみにされていましたが、実際に共演していかがでしたか?
現場では、素樹がリアルにそこに佇んでいると思えるくらいなりきられていて、優しくも色気のある素樹に温かい愛情をもらえたように感じています。とても素敵な俳優さんだと思いました。感じたままに直球でお芝居を投げかけくれますし、素樹そのものだったんじゃないかと。素樹の思いをそのままぶつけてくれたので、私も咲世子に入り込めました。
― 鈴木さんと演技について話し合ったりはしましたか?
俳優はそれぞれ年齢や経験は関係なく、それぞれの魅力を持っているので、相手のお芝居についてのことは話しませんが、脚本においての素樹のこの言葉ってすごいと思う、とか、咲世子の心はこの言葉で震えるの、とか、このシーンほんとに大切だね、など互いの話す言葉(台詞)の持つ素敵な力については話したりしました。
― 実際に年下の男性の仕草や言動をかわいいと思う事はありますか?
世代の違う異性と接する時に、いろんな意味で刺激を受け、ハッとする事はありますね。年下の方でも本当に大人びていて、人生何回目?(笑)という方もいますよね。ここが未熟だなという部分があったとしたら、自分が生きてきた分の全てを伝えようと思ったりします。
― 今回の作品はラブシーンもありましたが、演じてみていかがでしたか?純愛と不倫のラブシーンはどのように演じ分けましたか?
純愛と不倫の対比をどうすれば上手く演じ分けられるか、どうしたら美しく切ない思いを映像にできるのかを監督や共演者の方々と相談しながら、演じました。素樹、三宅どちらのシーンも丁寧に作りました。素樹とのシーンは、自分の作品をリスペクトしてくれる画商の三宅との時とは全く異なるものでした。ある意味、三宅とは、恋ではなく馴れ合いであったり、欲望を満たすためだったり。そして『欲望ではなく、恋によって結ばれた』素樹とのシーンは、純粋で切ないものになるよう監督とも心ゆくまで話し、ゆっくりと焦らず作りました。(素樹とのラブシーンは女性が恋したくなるような美しいシーンにしたいとスタッフが話していましたが?)そういう素敵なシーンになっていたらいいですね。
― 恋愛の要素だけでなく、ストーカーの恐怖を描いたサスペンス要素も見どころの1つだと思いますが、撮影されていかがでしたでしょうか?
台本以上に、監督が緻密にサスペンスの要素を丁寧に描いてくださっているので、恋愛とサスペンスがすごく良い具合に入り混じったラブミステリーになっていると思います。咲世子は、父が遺してくれた逗子の一軒家で、独身で一人で住んでいるので、じっと家の中を覗かれたり張り紙されたりなんて本当に身の毛もよだち、そんなシーンでは、リアルに怖かったですね。
― ストーカーの亜由美との絡みで怖いシーンもありますが撮影は大変でしたか?
襲われるシーンでは、1時間に1本しか電車が通らない踏切での電車狙いの撮影がありました。踏切の警報音を利用したサスペンスなシーンへの監督の思いがあったので、『では早めに準備をしてリハをしましょう』という矢先に電車がきて!『え?うそでしょ!?』と思った瞬間、『よーいスタート!』と本番になり。いろんな意味で、怖くて超リアルなシーンなりました(笑)。金網の隙間のコンクリートがあり、『ここ(硬い所)に頭を打ち付けると痛いからここ(金網)にしましょうね』って話していたんですけど、急なスタートでしたし、お互いのスイッチが入り、金網じゃなくコンクリートに頭をぶつけてそのまま倒れ込んだみたいな感じになって、死にかけましたが、監督がいいのが撮れたと嬉しそうでした(笑)。
― やはり役柄もあって撮影の合間は水沢さんと少し距離をとっていたんですか?
亜由美役のエレナちゃんとは撮影が終わるまではあまり話さなかったかもですね。彼女も役的に接したくなかったと思いますし。そういう意味では短期間に皆さんが集中して作品に入り込んでいたのだと思います。そんな怖い役をリアルに演じてくれたエレナちゃんですが、プライベートでは舞台を観に来てくれたりしますよ。
― 結婚後、ドラマ初主演ですが、結婚前と結婚後で撮影期間などに変化はありましたか?
我が家はやるべきこと(歌舞伎界の妻として役目)ができていれば、これまで大事にしてきた仕事なのだから続けたほうが良いという考えで、役者という職業をとても大事に思ってくれています。そういう意味では、仕事をする心構えは、結婚後も結婚前も変わっていません。ただ、やるべきことが多いので 1日がとても短く感じるようにはなりましたね。
― 特に思い入れがあるシーン、印象に残っているシーンがあったら教えて下さい。
真珠の女と、ダイヤモンドの女の定義が深くて共感するものがありました。そして、海辺のシーンで咲世子が、流れ着いた流木を拾い、思わず涙をしてしまうシーンがあります。そこがとても印象的でした。色々な経験をして打たれて打たれて、表面は削られても中身は変わらず、むしろ本質が浮き出て、それが内面の美しさとなる、その流木が自分の存在と重なり、年齢を重ねたことにより気づけたこと、その価値に涙してしまう咲世子の思いにとても共感できました。
― 素樹とふざけ合ってお互いにカメラで撮るシーンも印象的でしたか?
あそこは咲世子が少女のようになれるシーンで、とても楽しかったです。後に、素樹の事を思い自分から別れを切り出す咲世子ですが、素樹が撮った映像を見ながら一人号泣するんですよね。それが自然に泣けて、涙が止まりませんでした。自分で区切りをつけ、大人の女性として、彼を未来へ旅立たせようとすること、それが年上である私の役目なんだと。。。そういう事ってこの世の中にたくさんあることなのだと思います。彼の人生やいろんな事を考えて送り出す咲世子の覚悟は とても辛かったです。
― 視聴者の方にはどの辺を見てほしいですか?見所を含めてメッセージをお願いします。
17歳離れた年の差の純愛、そして、ストーカーの恐怖が迫りくるサスペンス要素が上手く入り混じった大人のラブミステリーになっていると思います。寒い冬空にぴったりの、切なさが溢れる愛しいストーリーなので、ぜひごらんになっていただけたらと。この作品に参加させて頂いて、本当に幸せでした。
タイトなスケジュールで毎日朝から晩までの撮影と凄く大変な現場だったのですが、それ以上に台本が素敵だったので、今年の年末にぴったりな作品が出来たんじゃないかなと思っています。
― 徳永素樹を演じてみていかがでしたか?演じていて苦労した部分もあったら教えて下さい。
カメラマンとして苦悩を抱えている役だったのでそこを表現するのは苦労しました。咲世子と素樹のお芝居は藤原紀香さんとすごく良い距離感と関係性で演じさせて頂けたので、本当に有難かったです。
― クランクイン前、年の離れた男女の恋愛について「全く想像がつかない」「いろいろ勉強になったり、気付かされる事が多い気がします」とお話されていましたが、実際に演じてみて、勉強になった事、何か気付いた事はありますか?
年上の女性との恋愛において、今回描かれているようなホット・フラッシュのような障害があるという事を改めて認識しました。そういった所では年齢差は感じましたが、それ以上に人と人は気持ち次第なんだなと思いました。
― 今回の作品では藤原さんとのラブシーンもありました。本格的なラブシーンは初挑戦ということでしたが、いかがでしたか?
すごく緊張しました。でも、紀香さんが沢山アドバイスを下さったり、引っ張っていって下さったので、とても演じやすかったです。
― 藤原紀香さんとの共演を楽しみにされていましたが、実際に共演していかがでしたか?
本当に素敵な方で、こんなピュアな方がいらっしゃるのかというくらい純粋な方でした。またぜひご一緒させて頂きたいと思っています。
― 特に思い入れがあるシーン、印象に残っているシーンがあったら教えて下さい。
「メリークリスマス」という言葉を伝えたくて、外で雨に打たれながら待っているシーンは素樹の一途さと誠実な面を表現していて、とても印象に残っています。
― 視聴者の方にはどの辺を見てほしいですか?見所を含めてメッセージをお願いします。
1夜をご覧頂いたら2夜も気になる作品だと思うので、ぜひ両方見て頂きたいです。色々な場面が沢山ある作品なので、どのシーンも楽しんで頂けると思います。年齢を問わず背中を押せる作品になっていますので、そういった所も見所の1つです。ぜひ、今年の年末ドラマ最後の作品なので、沢山の方に見て頂きたいなと思います。
海辺の家にアトリエを構える銅版画を専門とする女性画家の内田咲世子(藤原)が、年上の画商と不倫関係を続けていたものの、17歳年下の素樹(鈴木伸之)と出会い、年下への想いに葛藤しながら、一途な恋に落ちていく。
藤原紀香&鈴木伸之、ラブシーンを振り返る
鈴木との初共演を楽しみにしていたという藤原は、「とても素敵な俳優さんだと思いました。感じたままに直球でお芝居を投げかけくれますし、素樹そのものだったんじゃないかと」と絶賛。お互いの演技については「それぞれの魅力を持っているので、相手のお芝居についてのことは話しませんが、脚本においての素樹のこの言葉ってすごいと思う、とか、咲世子の心はこの言葉で震えるの、とか、このシーンほんとに大切だね、など互いの話す言葉(台詞)の持つ素敵な力については話したりしました」と振り返った。また、ラブシーンに関して質問されると「『欲望ではなく、恋によって結ばれた』素樹とのシーンは、純粋で切ないものになるよう監督とも心ゆくまで話し、ゆっくりと焦らず作りました」と紹介。鈴木は初めてのラブシーンに緊張したそうだが、「紀香さんが沢山アドバイスを下さったり、引っ張っていって下さったので、とても演じやすかったです」と語った。
藤原紀香「本当に幸せでした」
そして、藤原は結婚後初のドラマ主演だったことに話が及ぶと、「我が家はやるべきこと(歌舞伎界の妻として役目)ができていれば、これまで大事にしてきた仕事なのだから続けたほうが良いという考えで、役者という職業をとても大事に思ってくれています」と家族の思いを打ち明けた上で、「そういう意味では、仕事をする心構えは、結婚後も結婚前も変わっていません。ただ、やるべきことが多いので 1日がとても短く感じるようにはなりましたね」とコメント。視聴者へのメッセージを求められた際には、「17歳離れた年の差の純愛、そして、ストーカーの恐怖が迫りくるサスペンス要素が上手く入り混じった大人のラブミステリーになっていると思います。寒い冬空にぴったりの、切なさが溢れる愛しいストーリーなので、ぜひごらんになっていただけたらと。この作品に参加させて頂いて、本当に幸せでした」とコメントした。
なお、同作の主題歌がTOCの新曲「I’ll Light You」に決定した。(modelpress編集部)
藤原紀香コメント
― 無事にクランクアップを迎えましたが、撮影を振り返っていかがでしたか?タイトなスケジュールだったのです、その分、グッと集中し密度の濃い雰囲気の中でお芝居ができたので、クランクアップした時は共演者、スタッフ、皆さんが、1つの連続ドラマを作ったようなそんな気がするね、とおっしゃっていたくらい、充実感がありました。そんな中、スタッフさんとも『眠れぬ真珠』ならぬ、眠れぬ現場だね、と冗談を言いあったり和気藹々と撮影していました。
― 連日、早朝から夜遅くまでの撮影だったんですか?
原作、脚本の美しい情景や世界観がきちんと映像化できるよう、スタッフの方々がロケハンなど頑張ってくださり。毎日、遠くに足を延ばしてでも、この世界観の通りの映像にできたら、とみんな頑張っていました^_^ 原作の舞台は逗子なのですが、あの雰囲気を出せるような素敵な房総半島の海辺や三浦半島を行き来しながら撮影していました。夕陽が美しいマジックタイムにこだわり撮影したり、森の中の木漏れ陽も美しいと思います。
― 雨のシーン(精神的にぼろぼろになった咲世子を想い、基樹が雨の中待っている)は大変だったと聞きましたが?
びしょ濡れの2人でしたが、きっと素敵なシーンになっているんじゃないかと。苦労した分、映像に反映されるんですよね。自分の心にも。服の中まで濡れて、芯まで冷えて、でもそれがリアルに今の咲世子の気持ちにつながったり。スタッフさんも各部所それぞれ苦労したシーンも多かったと思いますが、きっとそれは光り輝くようなシーンとなって、観ている方の心に届くのではないかと思います。私も完成したものを楽しみにしているんです。
― 咲世子という同年代の等身大の女性を演じてみていかがでしたか?
年齢とともに自分の中でも変化してきている部分もあり、今だからできる役に出会えた素敵なご縁だなと思います。今回の主人公、咲世子は45歳で、自分の中でも等身大で演じられました。やはり、20代、30代とは違ってきている。女性というのはそういう事を感じながら日々生きている、そういう所もとてもリアルに描かれている本なので、共感することが多くて。恋愛に関しても若い頃とは違い、考え方が変わってきている所もある。咲世子の1つ1つのセリフだったり、鈴木さんが演じてくれた素樹の台詞などに心が震えたり。ああ、年齢を重ねても、心がキュンとするようなことって素敵な事だなと感じながら、撮影期間は咲世子と共に生きていました。
― 銅板作家役は初めてということで、演じてみた感想は?
銅版画家という職業を演じる上で、作法や知識などを勉強しながらなるべく忠実に演じられるよう努めました。黒の世界を大切にしたメゾチントという手法を使う銅版作家の役だったのですが、これまで銅版を作った事はなく、その世界に触れた事がなかったので、役作りのため、事前に銅版画の先生にお会いして、いろんな事を教わりました。銅版を削っていく作業は何でもない事のように見えて、とても奥深いもので、初めての世界に触れることができて、とてもいい機会でした。咲世子がメゾチントという黒の手法にハマるのか、それがわかった気がします。黒の世界観、メゾチントしか出せない黒の色もあり、とても魅力的だと思いました。
― 咲世子に共感できる部分もありましたか?
今を生きる、って大切な事なんだと思います。(年齢が離れた年下男性との恋愛は)社会的な事や女性の体の事など、色々な事を考えると、多くの人たちが、無理だ、やめときなさいと言うかもしれない。だけど、今の私はこの人がとても大事なんだ、という気持ちは本物なわけで。いつも思うのですが、人はいつ亡くなってしまうかわからない。この帰りに事故に遭うかもしれないし。阪神淡路大震災の時の頃から決めている事ですが、失敗しても、後悔なく、1つ1つの事を自分で選んで決めて、責任とって、懸命に生きていこうと。
本当にこの脚本には共感ができました。いつも、人生 今がスタートだと思いますし、年齢やいろんな事で制限してしまうのは自分なんだと。自身がその枠を作らなければ可能性は無限大であって、それには勇気がいるんだけど、生きているからこその苦労やチャレンジ、選択ができる…。私も今を大事にしようという思いがあるので、咲世子の選んだ選択や言葉はとても好きでした。
― この作品では17歳離れた男女の恋愛が描かれていますが、年の差の離れた恋愛にリアリティを出すために意識された点はありますか?
自分の年齢を意識しすぎて、踏み込みたくてもブレーキをかけてしまう…でもやっぱり好きという気持ちは抑えられない…そんな年上女性ならではの思いを、丁寧に表現できれば、と思っていました。日本やアジアだけかもしれないですが、年齢を重ねると女性って自分の年を気にしてしまいます。ちなみに、欧米、とくにフランスの女性などは年齢を重ねるごとに自信を持ち、胸を張って社会の中で生きています。私もフランス人のお友達がいますが『年齢や経験を重ねることが誇りなの』といつも話しています。自分もそういう風に生きよう、と思いながらも、日本の社会の中で生きていると、年齢で全てを左右されてしまう職場もありますし、女性は若ければ若いほど良しとする価値観の男性も多い社会なので(笑)。きっと咲世子みたいな思い(年下との恋愛にブレーキをかけてしまう)を抱えている女性は多いと思いますね。恋することに構えてしまったり、好きなのにブレーキをかけてしまったり…。『眠れぬ真珠』はそんな年上女性ならではの思いがつまっているので、繊細に演じていこう、と臨んだ作品でした。
― 鈴木伸之さんとの初共演を楽しみにされていましたが、実際に共演していかがでしたか?
現場では、素樹がリアルにそこに佇んでいると思えるくらいなりきられていて、優しくも色気のある素樹に温かい愛情をもらえたように感じています。とても素敵な俳優さんだと思いました。感じたままに直球でお芝居を投げかけくれますし、素樹そのものだったんじゃないかと。素樹の思いをそのままぶつけてくれたので、私も咲世子に入り込めました。
― 鈴木さんと演技について話し合ったりはしましたか?
俳優はそれぞれ年齢や経験は関係なく、それぞれの魅力を持っているので、相手のお芝居についてのことは話しませんが、脚本においての素樹のこの言葉ってすごいと思う、とか、咲世子の心はこの言葉で震えるの、とか、このシーンほんとに大切だね、など互いの話す言葉(台詞)の持つ素敵な力については話したりしました。
― 実際に年下の男性の仕草や言動をかわいいと思う事はありますか?
世代の違う異性と接する時に、いろんな意味で刺激を受け、ハッとする事はありますね。年下の方でも本当に大人びていて、人生何回目?(笑)という方もいますよね。ここが未熟だなという部分があったとしたら、自分が生きてきた分の全てを伝えようと思ったりします。
― 今回の作品はラブシーンもありましたが、演じてみていかがでしたか?純愛と不倫のラブシーンはどのように演じ分けましたか?
純愛と不倫の対比をどうすれば上手く演じ分けられるか、どうしたら美しく切ない思いを映像にできるのかを監督や共演者の方々と相談しながら、演じました。素樹、三宅どちらのシーンも丁寧に作りました。素樹とのシーンは、自分の作品をリスペクトしてくれる画商の三宅との時とは全く異なるものでした。ある意味、三宅とは、恋ではなく馴れ合いであったり、欲望を満たすためだったり。そして『欲望ではなく、恋によって結ばれた』素樹とのシーンは、純粋で切ないものになるよう監督とも心ゆくまで話し、ゆっくりと焦らず作りました。(素樹とのラブシーンは女性が恋したくなるような美しいシーンにしたいとスタッフが話していましたが?)そういう素敵なシーンになっていたらいいですね。
― 恋愛の要素だけでなく、ストーカーの恐怖を描いたサスペンス要素も見どころの1つだと思いますが、撮影されていかがでしたでしょうか?
台本以上に、監督が緻密にサスペンスの要素を丁寧に描いてくださっているので、恋愛とサスペンスがすごく良い具合に入り混じったラブミステリーになっていると思います。咲世子は、父が遺してくれた逗子の一軒家で、独身で一人で住んでいるので、じっと家の中を覗かれたり張り紙されたりなんて本当に身の毛もよだち、そんなシーンでは、リアルに怖かったですね。
― ストーカーの亜由美との絡みで怖いシーンもありますが撮影は大変でしたか?
襲われるシーンでは、1時間に1本しか電車が通らない踏切での電車狙いの撮影がありました。踏切の警報音を利用したサスペンスなシーンへの監督の思いがあったので、『では早めに準備をしてリハをしましょう』という矢先に電車がきて!『え?うそでしょ!?』と思った瞬間、『よーいスタート!』と本番になり。いろんな意味で、怖くて超リアルなシーンなりました(笑)。金網の隙間のコンクリートがあり、『ここ(硬い所)に頭を打ち付けると痛いからここ(金網)にしましょうね』って話していたんですけど、急なスタートでしたし、お互いのスイッチが入り、金網じゃなくコンクリートに頭をぶつけてそのまま倒れ込んだみたいな感じになって、死にかけましたが、監督がいいのが撮れたと嬉しそうでした(笑)。
― やはり役柄もあって撮影の合間は水沢さんと少し距離をとっていたんですか?
亜由美役のエレナちゃんとは撮影が終わるまではあまり話さなかったかもですね。彼女も役的に接したくなかったと思いますし。そういう意味では短期間に皆さんが集中して作品に入り込んでいたのだと思います。そんな怖い役をリアルに演じてくれたエレナちゃんですが、プライベートでは舞台を観に来てくれたりしますよ。
― 結婚後、ドラマ初主演ですが、結婚前と結婚後で撮影期間などに変化はありましたか?
我が家はやるべきこと(歌舞伎界の妻として役目)ができていれば、これまで大事にしてきた仕事なのだから続けたほうが良いという考えで、役者という職業をとても大事に思ってくれています。そういう意味では、仕事をする心構えは、結婚後も結婚前も変わっていません。ただ、やるべきことが多いので 1日がとても短く感じるようにはなりましたね。
― 特に思い入れがあるシーン、印象に残っているシーンがあったら教えて下さい。
真珠の女と、ダイヤモンドの女の定義が深くて共感するものがありました。そして、海辺のシーンで咲世子が、流れ着いた流木を拾い、思わず涙をしてしまうシーンがあります。そこがとても印象的でした。色々な経験をして打たれて打たれて、表面は削られても中身は変わらず、むしろ本質が浮き出て、それが内面の美しさとなる、その流木が自分の存在と重なり、年齢を重ねたことにより気づけたこと、その価値に涙してしまう咲世子の思いにとても共感できました。
― 素樹とふざけ合ってお互いにカメラで撮るシーンも印象的でしたか?
あそこは咲世子が少女のようになれるシーンで、とても楽しかったです。後に、素樹の事を思い自分から別れを切り出す咲世子ですが、素樹が撮った映像を見ながら一人号泣するんですよね。それが自然に泣けて、涙が止まりませんでした。自分で区切りをつけ、大人の女性として、彼を未来へ旅立たせようとすること、それが年上である私の役目なんだと。。。そういう事ってこの世の中にたくさんあることなのだと思います。彼の人生やいろんな事を考えて送り出す咲世子の覚悟は とても辛かったです。
― 視聴者の方にはどの辺を見てほしいですか?見所を含めてメッセージをお願いします。
17歳離れた年の差の純愛、そして、ストーカーの恐怖が迫りくるサスペンス要素が上手く入り混じった大人のラブミステリーになっていると思います。寒い冬空にぴったりの、切なさが溢れる愛しいストーリーなので、ぜひごらんになっていただけたらと。この作品に参加させて頂いて、本当に幸せでした。
鈴木伸之コメント
― 無事にクランクアップを迎えましたが、撮影を振り返っていかがでしたか?タイトなスケジュールで毎日朝から晩までの撮影と凄く大変な現場だったのですが、それ以上に台本が素敵だったので、今年の年末にぴったりな作品が出来たんじゃないかなと思っています。
― 徳永素樹を演じてみていかがでしたか?演じていて苦労した部分もあったら教えて下さい。
カメラマンとして苦悩を抱えている役だったのでそこを表現するのは苦労しました。咲世子と素樹のお芝居は藤原紀香さんとすごく良い距離感と関係性で演じさせて頂けたので、本当に有難かったです。
― クランクイン前、年の離れた男女の恋愛について「全く想像がつかない」「いろいろ勉強になったり、気付かされる事が多い気がします」とお話されていましたが、実際に演じてみて、勉強になった事、何か気付いた事はありますか?
年上の女性との恋愛において、今回描かれているようなホット・フラッシュのような障害があるという事を改めて認識しました。そういった所では年齢差は感じましたが、それ以上に人と人は気持ち次第なんだなと思いました。
― 今回の作品では藤原さんとのラブシーンもありました。本格的なラブシーンは初挑戦ということでしたが、いかがでしたか?
すごく緊張しました。でも、紀香さんが沢山アドバイスを下さったり、引っ張っていって下さったので、とても演じやすかったです。
― 藤原紀香さんとの共演を楽しみにされていましたが、実際に共演していかがでしたか?
本当に素敵な方で、こんなピュアな方がいらっしゃるのかというくらい純粋な方でした。またぜひご一緒させて頂きたいと思っています。
― 特に思い入れがあるシーン、印象に残っているシーンがあったら教えて下さい。
「メリークリスマス」という言葉を伝えたくて、外で雨に打たれながら待っているシーンは素樹の一途さと誠実な面を表現していて、とても印象に残っています。
― 視聴者の方にはどの辺を見てほしいですか?見所を含めてメッセージをお願いします。
1夜をご覧頂いたら2夜も気になる作品だと思うので、ぜひ両方見て頂きたいです。色々な場面が沢山ある作品なので、どのシーンも楽しんで頂けると思います。年齢を問わず背中を押せる作品になっていますので、そういった所も見所の1つです。ぜひ、今年の年末ドラマ最後の作品なので、沢山の方に見て頂きたいなと思います。
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