栗山千明、うつ病と向き合う モデルプレスインタビュー
2013.04.15 10:50
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5月12日にWOWOWでスタートする連続ドラマW「配達されたい私たち」に出演する女優の栗山千明。モデルプレスは今回、数多くの映画・ドラマに出演し活躍する彼女にインタビューを行い、今作の撮影エピソードや役柄を通してベールに包まれた彼女の素顔に迫った。
同作は、映画「私をスキーに連れてって」、「僕らはみんな生きている」の脚本家・一色伸幸氏が、出会いと別れ・再生をテーマに、自身のウツ病克服経験をもとに描いた涙とユーモア溢れる異色のヒューマンコメディ。ウツ病で失業した男・澤野始(塚本高史)が配り始めた7年前に捨てられた7通の手紙を軸にストーリーは展開。1通1通開封されるたびに、手紙に詰まった思いが解き放たれ、様々な人間ドラマが巻き起こっていく。栗山は、人生のカウントダウンとしてその手紙を配達することにした澤野が、最初に手紙を届ける相手・有を演じる。
―栗山さん演じる有は、心に傷のあるキャラクターで難しい役どころだったと思いますが、いかがでしたか?
栗山:メインの中では1番共感してもらえる普通のキャラクターです。でも、だからといって、まったく普通の女の子というわけではないんです。順風満帆に生きてきた女の子ではなく、親と上手くいっていないことで死んだような生活を送っていた子です。実は、心に痛みを抱えていて、それゆえに繊細であったり闇があったり…。そんな子だからこそ、澤野に手紙を配達してもらうことで前向きになり、今までの反動でおせっかいな女の子になっていきます。
―役を演じる上で意識していた点はありますか?
栗山:有は、最初ウツ病についての知識が何もないんです。それで澤野と出会って、「こういう人なんだ」「こういう家族がいるんだ」って知っていく内に、1話では「なんで!?」って疑問ばっかりだったのが、2話で「もっとこうすればいいのに」って説得したいという気持ちが生まれていきます。澤野に対する想いは変わらないのに、その人の背景が見えたりウツ病について知っていったりすることで見え方が変わっていくのかなと私は解釈しました。なので、そこを特に意識して演じました。
―ご自身と有との共通点はありますか?
栗山:それがないんですよ!有は割りとはっきり物を言うタイプなんですけど、私はあんな風には言えないし、言わないです。とはいえ、想いや考えに共感する点は多かったです。それに、あれだけ人に対してぶち撒けるってすごいなって。はっきり言える強さや勇気を感じますね。
―なるほど。栗山さんは強いイメージの役を演じられることが多いですが…。
栗山:そういうイメージなんでしょうね(笑)。私は、何か発言する前に相手が傷つくんじゃないかと考えてしまうので、伝えたいことは遠回りにパスを出します。自然とそういう流れになるようにします。
―有が言いたいことをぶち撒けるシーンが多かったですが、栗山さん自身が印象に残っているシーンを教えて下さい。
栗山:印象に残っているシーンは、2つあるんです。1つは、冒頭の雪の中で走るシーンです。とにかくめっちゃ寒かった!2つ目は、最終話の山場です。澤野1人のシーンで、途中急に私が現れるっていう設定なんですが、10分くらいの長回しで撮ったんです。雨降らしのシーンだということもあって、とにかく緊張していました。雨でコケたらどうしようって。
―本番ではいかがでしたか?
栗山:無事転ばなかったです!でも、長い間雨に濡れて寒かったのと、1・2月だったっていうこと、良いシーンだったっていう3つが重なって涙と一緒に鼻水が流れました(笑)。
―主人公の澤野演じる塚本高史さんとは、約5年ぶりの共演ですが印象は変わりましたか?
栗山:良い年の重ね方をしていらっしゃるなと思いました。若いころの塚本くんって元気でヤンチャな役が多かったのでそのイメージが強かったんですが、今回は何も感じない怒らないっていう役柄だったので新鮮でした。真逆のイメージの役を演じられるのは、すごいなと撮影中見ていました。それに、塚本くんは小さい子どもがいる設定なんですけど、ご自身にもお子さんが出来たことで「役に活かせるようになった」「気持ちが分かるようになった」と話していたのを聞いて、5年の歳月を感じましたね。
―澤野はウツ病という設定ですが、作品に入られる前にウツ病に対する知識というものはありましたか?
栗山:私自身にはまったく知識がなくて…。撮影が始まる前に資料としてウツ病についてまとめた本を頂いたんですけど、「有はウツ病について知らない設定だから読まなくていいや!」って思って読まなかったんです。実際に撮影が始まってみると、ストーリーの中で徐々に知っていったので、それがリアルで良かったなとは思ってます。ウツ病の方には、「頑張れ」って言っちゃいけないんだってことを知ったのもこのドラマのおかげですし、色々と勉強になりました。
―もし、栗山さんの身近にウツ病の方がいたらどのように接すると思いますか?
栗山:本当のウツ病の方にはお会いしたことがないので、分からないというのが本音です。でも、もしも澤野と同じ症状の方なら、有ほど熱くはなれないかもしれないですけど、ほっとけないとは思います。これは、私もこの作品で初めて知ったんですけど、ウツ病の末期の方ってずっと寝たままなんだそうです。澤野のように自殺したいって願望は、治りかけのときに現れる症状らしくて。それを知ってる私からすると、自殺したいっていうウツ病の方が目の前にいても、治りかけだから「はいはい」って思うかもしれないし、でも少しでも関わったからこそ死んでほしくないって思って止めるかもしれないし…。突き放すでもなく、くっつきすぎるでもなくっていう距離感をとると思います。
―では、最後に作品のみどころを教えて下さい。
栗山:良いシーン、良いやりとりがたくさんあります。でもそれ以上に、周りで感動的な出会いがあったり再会があったりする中で、ウツ病の主人公がどうなっていくのかという点を観て頂きたいです。活字だと、ウツ病っていうのはシリアスに見えると思うんですけど、映像では少しコミカルに描かれていますし、作品的には希望溢れるものになっています。全話を通して、登場人物たちの成長を見届けて頂ければと思います。
―ありがとうございました。
終始笑顔でインタビューに答えた栗山。嘘のない言葉の中に彼女の持つ強さを感じた。演技派女優として確固たる地位を築いている栗山が、今作で見せる演技にも注目だ。(モデルプレス)
■栗山千明プロフィール
生年月日:1984年10月10日
身長:162cm
血液型:A型
「ピチレモン」「ニコラ」など、ティーン誌でファッションモデルとして活動した後、1999年映画「死国」にて女優デビュー。2000年に映画「バトルロワイアル」に出演し注目を浴びる。2003年には、クエンティン・タランティーノ監督作「キル・ビル Vol.1」でハリウッドデビュー。その後も、数々のドラマや映画に出演し活躍している。
■連続ドラマW「配達されたい私たち」
5月12日(日)スタート毎週日曜22:00~(全5話)※第1話無料放送
―栗山さん演じる有は、心に傷のあるキャラクターで難しい役どころだったと思いますが、いかがでしたか?
栗山:メインの中では1番共感してもらえる普通のキャラクターです。でも、だからといって、まったく普通の女の子というわけではないんです。順風満帆に生きてきた女の子ではなく、親と上手くいっていないことで死んだような生活を送っていた子です。実は、心に痛みを抱えていて、それゆえに繊細であったり闇があったり…。そんな子だからこそ、澤野に手紙を配達してもらうことで前向きになり、今までの反動でおせっかいな女の子になっていきます。
―役を演じる上で意識していた点はありますか?
栗山:有は、最初ウツ病についての知識が何もないんです。それで澤野と出会って、「こういう人なんだ」「こういう家族がいるんだ」って知っていく内に、1話では「なんで!?」って疑問ばっかりだったのが、2話で「もっとこうすればいいのに」って説得したいという気持ちが生まれていきます。澤野に対する想いは変わらないのに、その人の背景が見えたりウツ病について知っていったりすることで見え方が変わっていくのかなと私は解釈しました。なので、そこを特に意識して演じました。
―ご自身と有との共通点はありますか?
栗山:それがないんですよ!有は割りとはっきり物を言うタイプなんですけど、私はあんな風には言えないし、言わないです。とはいえ、想いや考えに共感する点は多かったです。それに、あれだけ人に対してぶち撒けるってすごいなって。はっきり言える強さや勇気を感じますね。
―なるほど。栗山さんは強いイメージの役を演じられることが多いですが…。
栗山:そういうイメージなんでしょうね(笑)。私は、何か発言する前に相手が傷つくんじゃないかと考えてしまうので、伝えたいことは遠回りにパスを出します。自然とそういう流れになるようにします。
―有が言いたいことをぶち撒けるシーンが多かったですが、栗山さん自身が印象に残っているシーンを教えて下さい。
栗山:印象に残っているシーンは、2つあるんです。1つは、冒頭の雪の中で走るシーンです。とにかくめっちゃ寒かった!2つ目は、最終話の山場です。澤野1人のシーンで、途中急に私が現れるっていう設定なんですが、10分くらいの長回しで撮ったんです。雨降らしのシーンだということもあって、とにかく緊張していました。雨でコケたらどうしようって。
―本番ではいかがでしたか?
栗山:無事転ばなかったです!でも、長い間雨に濡れて寒かったのと、1・2月だったっていうこと、良いシーンだったっていう3つが重なって涙と一緒に鼻水が流れました(笑)。
―主人公の澤野演じる塚本高史さんとは、約5年ぶりの共演ですが印象は変わりましたか?
栗山:良い年の重ね方をしていらっしゃるなと思いました。若いころの塚本くんって元気でヤンチャな役が多かったのでそのイメージが強かったんですが、今回は何も感じない怒らないっていう役柄だったので新鮮でした。真逆のイメージの役を演じられるのは、すごいなと撮影中見ていました。それに、塚本くんは小さい子どもがいる設定なんですけど、ご自身にもお子さんが出来たことで「役に活かせるようになった」「気持ちが分かるようになった」と話していたのを聞いて、5年の歳月を感じましたね。
―澤野はウツ病という設定ですが、作品に入られる前にウツ病に対する知識というものはありましたか?
栗山:私自身にはまったく知識がなくて…。撮影が始まる前に資料としてウツ病についてまとめた本を頂いたんですけど、「有はウツ病について知らない設定だから読まなくていいや!」って思って読まなかったんです。実際に撮影が始まってみると、ストーリーの中で徐々に知っていったので、それがリアルで良かったなとは思ってます。ウツ病の方には、「頑張れ」って言っちゃいけないんだってことを知ったのもこのドラマのおかげですし、色々と勉強になりました。
―もし、栗山さんの身近にウツ病の方がいたらどのように接すると思いますか?
栗山:本当のウツ病の方にはお会いしたことがないので、分からないというのが本音です。でも、もしも澤野と同じ症状の方なら、有ほど熱くはなれないかもしれないですけど、ほっとけないとは思います。これは、私もこの作品で初めて知ったんですけど、ウツ病の末期の方ってずっと寝たままなんだそうです。澤野のように自殺したいって願望は、治りかけのときに現れる症状らしくて。それを知ってる私からすると、自殺したいっていうウツ病の方が目の前にいても、治りかけだから「はいはい」って思うかもしれないし、でも少しでも関わったからこそ死んでほしくないって思って止めるかもしれないし…。突き放すでもなく、くっつきすぎるでもなくっていう距離感をとると思います。
―では、最後に作品のみどころを教えて下さい。
栗山:良いシーン、良いやりとりがたくさんあります。でもそれ以上に、周りで感動的な出会いがあったり再会があったりする中で、ウツ病の主人公がどうなっていくのかという点を観て頂きたいです。活字だと、ウツ病っていうのはシリアスに見えると思うんですけど、映像では少しコミカルに描かれていますし、作品的には希望溢れるものになっています。全話を通して、登場人物たちの成長を見届けて頂ければと思います。
―ありがとうございました。
終始笑顔でインタビューに答えた栗山。嘘のない言葉の中に彼女の持つ強さを感じた。演技派女優として確固たる地位を築いている栗山が、今作で見せる演技にも注目だ。(モデルプレス)
■栗山千明プロフィール
生年月日:1984年10月10日
身長:162cm
血液型:A型
「ピチレモン」「ニコラ」など、ティーン誌でファッションモデルとして活動した後、1999年映画「死国」にて女優デビュー。2000年に映画「バトルロワイアル」に出演し注目を浴びる。2003年には、クエンティン・タランティーノ監督作「キル・ビル Vol.1」でハリウッドデビュー。その後も、数々のドラマや映画に出演し活躍している。
■連続ドラマW「配達されたい私たち」
5月12日(日)スタート毎週日曜22:00~(全5話)※第1話無料放送
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