『サバ缶、宇宙へ行く』フジテレビ公式サイトより

地方は不利なのか?『サバ缶、宇宙へ行く』が問いかける"生き方の選択"と"若者の幸せ"

2026.04.22 18:12
提供:ENTAME next

北村匠海主演の『サバ缶、宇宙へ行く』(フジテレビ系)は、教師と高校生が"宇宙食開発"という夢に挑んだ、福井県・若狭水産高校の実話をもとにした物語だ。

令和の今、SNSでは「地方は不利」「都会に生まれたら恵まれている」といった声も少なくない。しかし本作を観ていると、その土地ならではの可能性があり、地方出身者が必ずしも不遇ではないと改めて気づかされる。

◆「こんなところ」と卑下したくなる理由

本作を観ていて気になったのが、"こんなところ"という台詞の多さだ。この言葉を若狭水産高校の教師と生徒を含むこの町の人たちが、ふとした瞬間に使っている。

時代を問わず、高校卒業後、東京などの大都市圏に移る人は多い。しかし、地方から都会に出るには、家族の理解や本人の気力・体力も必要となるため、簡単なことではない。

菅原奈未(出口夏希)が担任の朝野峻一(北村匠海)に打ち明けた胸の内は、こうした現実を如実に表していた。

「ここで生まれたんやから、ここで働いたらいい。何となくそう決まっとって、何となくみんなここで働く。別に諦めとるっていうんじゃないけど、みんなそうやし、そういうもんやって。大した夢があるわけでもない」

若狭水産高校の生徒の保護者の多くは同校の卒業生で、自分が生まれ育った町で働き、家庭を築いて暮らしている。彼らはおだやかな表情をしており、楽しそうだ。

しかし、その当たり前の空気の中で、生きづらさを抱く者もいる。「ここで生まれたんやから、ここで働いたらいい」という言葉は、居場所があるという安心感を与える一方で、別の生き方を望む人には足かせにもなりうる。

また、外の世界を知る人ほど、地域特有の雰囲気や利便性の低さに適応しにくいこともある。

東京から父の実家があるこの町に転校してきた菊池遥香(西本まりん)は、東京で暮らす友人のブログを見るたびに羨ましく思っている。遥香がブログに書くことといえば"こんなとこにいて何が楽しいのか"といったことばかりだ。

渋谷に日常的に行ける距離に住み、ゲームセンターで遊んだりマカロンを食べたりする日々を送っていれば、たこ焼き屋と定食屋くらいしかないこの町が物足りなく感じるのも仕方がない。

では、地方は本当に可能性が狭く、"こんなところ"とボヤくほどつまらない場所なのだろうか。◆その土地にしかない価値

劇中で黒瀬正樹(荒川良々)は、赴任したばかりの峻一にこう語る。

「この学校はな、今はもう夢を追う学校ちゃうで。現実と戦う学校」

さらに、生徒について説明する。

「魚の目利きも包丁さばきもプロ並みやで。この技術を身につけて卒業させる。うちの出身者がこの町で生きていくためには必要な技術やからね」

若狭湾はサバの漁獲量が多く、この地では捕獲や加工の技術があれば生計を立てられる。しかし、高校生がサバを捕獲・加工する未来にワクワクするかというと、そう単純でもないだろう。

一方で、将来がぼんやりと見えている点は若狭水産高校の生徒も都会の高校生も、実は大きく変わらないのかもしれない。

筆者自身、文系私立大学進学を目指して勉強していたが、"大学を卒業したら会社で働くもの"と思っていた。その未来に期待していたわけではないが、満員電車に揺られて通勤し、どこかのオフィスで働く将来像しか描けていなかった。

だからこそ、奈未たちが知識を共有しあい、大型クラゲからコラーゲンたっぷりのクラゲ豆腐を開発する姿はまぶしく映った。同時に、自分は受験のための勉強しかしてこなかったという思いもよぎった。

また、大人の視点で見ると、都会のカフェでマカロンを友人と食べる高校生も、海辺でお弁当を食べる高校生も、その笑顔にも"楽しい時間"にも差はないように感じられる。

遥香が撮影したクラスメイトの写真と、東京の友人がブログにアップした写真には、その笑顔において違いがなかった。

SNSでは「都会に生まれたら当たり」という声もあるが、自分次第で"アタリ"も"ハズレ"もないだろう。あえていうならば、自分の適性や趣向にマッチした場所で子ども時代を過ごせれば、恵まれていると思う。世の中には都会が好きな人もいれば、横浜から若狭湾周辺に引っ越してきた峻一のように、のどかな町を好む人もいる。

自分の趣味嗜好と異なる土地であっても、峻一の「つまらなくしてるのは 菊池さん自身なんじゃないかな」という言葉にもあるように、自分次第で物の見え方は変わるはずだ。

関連リンク

関連記事

  1. 「この女欲しい」と思わせる男心ハック4つ
    「この女欲しい」と思わせる男心ハック4つ
    恋学
  2. 【誕生月別】離れた瞬間に本領発揮!男性がつい恋しくなってしまう女性ランキング<第1位〜第3位>
    【誕生月別】離れた瞬間に本領発揮!男性がつい恋しくなってしまう女性ランキング<第1位〜第3位>
    ハウコレ
  3. 【星座×血液型別】友達より、恋人を優先する女性ランキング<第1位~第3位>
    【星座×血液型別】友達より、恋人を優先する女性ランキング<第1位~第3位>
    ハウコレ
  4. 【星座×血液型別】自己管理能力が高い!自分にストイックな女性ランキング<第1位〜第3位>
    【星座×血液型別】自己管理能力が高い!自分にストイックな女性ランキング<第1位〜第3位>
    ハウコレ
  5. 嫁にコーヒーをかけ…事故を装う義妹!?しかし⇒嫁「気づかなかった?」テーブル下の仕掛けに「…へ?」
    嫁にコーヒーをかけ…事故を装う義妹!?しかし⇒嫁「気づかなかった?」テーブル下の仕掛けに「…へ?」
    Grapps
  6. 婚約者を”略奪”した妹の結婚式。しかし⇒ウエディングムービーで花嫁に【地獄】をプレゼントした話
    婚約者を”略奪”した妹の結婚式。しかし⇒ウエディングムービーで花嫁に【地獄】をプレゼントした話
    Grapps

「音楽」カテゴリーの最新記事

  1. EXILE MAKIDAI「すごい魅力的なダンスをする」後輩を絶賛 MATSU&USAと3年4ヶ月ぶりEXILEライブ出演
    EXILE MAKIDAI「すごい魅力的なダンスをする」後輩を絶賛 MATSU&USAと3年4ヶ月ぶりEXILEライブ出演
    モデルプレス
  2. EXILE ATSUSHI「舞台の下で泣きそうに」MATSUらと迎えた3年4ヶ月ぶり東京ドーム公演への思い B’z松本孝弘ゲスト出演にAKIRA「誰よりもSS席でした」
    EXILE ATSUSHI「舞台の下で泣きそうに」MATSUらと迎えた3年4ヶ月ぶり東京ドーム公演への思い B’z松本孝弘ゲスト出演にAKIRA「誰よりもSS席でした」
    モデルプレス
  3. 4月27日放送「CDTV」出演アーティスト&楽曲発表 SEKAI NO OWARI・Snow Man・M!LKら
    4月27日放送「CDTV」出演アーティスト&楽曲発表 SEKAI NO OWARI・Snow Man・M!LKら
    モデルプレス
  4. 櫻坂46・GENERATIONSら、大阪の音楽フェス「ジャイガ」出演決定 追加アーティスト38組公開
    櫻坂46・GENERATIONSら、大阪の音楽フェス「ジャイガ」出演決定 追加アーティスト38組公開
    モデルプレス
  5. 日向坂46、17thシングル「Kind of love」各形態の収録内容解禁 バックカバーも公開
    日向坂46、17thシングル「Kind of love」各形態の収録内容解禁 バックカバーも公開
    モデルプレス
  6. 藤井 風、ワールドツアー追加開催地発表 香港公演は中止【一覧】
    藤井 風、ワールドツアー追加開催地発表 香港公演は中止【一覧】
    モデルプレス
  7. Aぇ! group、重大発表を予告 アリーナツアー大阪城ホール夜公演のMCを生配信
    Aぇ! group、重大発表を予告 アリーナツアー大阪城ホール夜公演のMCを生配信
    モデルプレス
  8. ミセス主催イベント「CEREMONY」出演者全ラインナップ発表【一覧】
    ミセス主催イベント「CEREMONY」出演者全ラインナップ発表【一覧】
    モデルプレス
  9. INI田島将吾、パフォーマンス制限に悔しさ滲ませる 着席で歌唱「久しぶりに本心を言えた」【PULSE】
    INI田島将吾、パフォーマンス制限に悔しさ滲ませる 着席で歌唱「久しぶりに本心を言えた」【PULSE】
    モデルプレス

あなたにおすすめの記事