『リブート』の考察熱が止まらない――“整形×復讐ドラマ”が続く必然性を考える
脳トレにもなる(?)日曜劇場『リブート』(TBS系)の考察が止まらなくなっている。増えていく登場人物、誰が本物なのか。公式ホームページの相関図をチェックしながら観ないと、あっという間に1時間が進んでいく。“リブート”の言葉の意味はシチュエーションによって違う。I T用語では再起動、フィクション作品ではシリーズ作品を1から仕切り直す…といったニュアンスを示唆している。今回は後者が適用だろう。
本作ではパティシエの早瀬陸(松山ケンイチ)が、妻の殺害に関わったと思われる人物たちへの復讐のため、刑事・儀堂歩(鈴木亮平)に整形。儀堂になりすまして生活をする中で、裏社会に巻き込まれそうになる、死んだはずの儀堂が生きている可能性が浮上、味方のはずの公認会計士・幸後一香(戸田恵梨香)の動きも怪しくなってくる…と、当然のようにトラブル連発。早瀬が妻を殺めた真犯人にたどり着いて、息子と母との元の生活に戻れるのかが、物語の核心だ。
観ていると登場人物、全員がリブート=整形をしているようにも見えてくる。例えば幸後一香は早瀬の妻・夏海(山口紗弥加)ではないのか。いやひょっとして他の人物に整形をしているのか? それだけでなく、他のキャラクターのちょっとした表情や、視線も気になる。私が観ている限りでは、儀堂の部下・足立翼(蒔田彩珠)と、早瀬の母・良子(原田美枝子)がどうにも怪しい…と、脳をフル回転させながら『リブート』を楽しんでいる。最近どうも物忘れが多いので、中年の脳トレにも効果を発揮するかもしれない。
放送回数も中盤を折り返したばかり。ここでひとつ、ドラマオタクとして気になる点が浮上した。あれ? 最近の連続ドラマ、ひょっとしたら整形で別の人生を生きるパターンが続いている?
◆3クール連続放送中!整形がテーマのドラマ
遡れば過去作にもわんさか“整形ドラマ”が出てきそうだが、今回は直近の2025年放送作品をピックアップしてみる。まずは夏クールから『レプリカ 元妻の復讐』(テレビ東京系)。夫を自己顕示欲まみれの女に略奪された伊藤すみれ(トリンドル玲奈/過去は藤村葵役)が、冴えない容姿から絶世の美女に姿を変えて復讐をしていくストーリー。怨恨を向けた相手は幸せを奪った元夫の妻・藤村花梨(宮本茉由)。花梨を気持ちよく追い詰めていく様子や、諸悪の根源である夫の桔平(木村了)のヘタレぶりが面白かった。こちらはコンプレックスを美しさに変えるパターンだ。
秋クールでは『娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?』(関西テレビ、フジテレビ系)。娘を自殺に追い込んだママ友たちへの報復のため、55歳の母・篠原玲子(水野美紀)が20代の娘の姿に整形。ママ友たちに近づき、次々に本性を暴き、生活を壊していく。この設定も秀逸ではあるけれど、ママ友のボス・新堂沙織(新川優愛)の嫌味ったらしい雰囲気が最高で、新川の新境地を開拓していた。
そして2026年では冬クールでは『リブート』だ。先述の2作品は深夜放送枠だったが、さすがゴールデンタイムとなると細部まで演出が細かい。「発声はどうしていたのだろう?」「たった一回の手術で整形できるのだろうか?」などの、些細な疑問を全てシーンの中で潰していた。早瀬は半年間をかけて手術やダウンタイムも終え、儀堂のしゃべり方、交友関係なども猛勉強していた。
3作に共通するのは“復讐”が引き金となって、仇討ちのために整形を決意すること。ではなぜ3クールも既視感のあるシチュエーションが続いたのかといえば、昨今の美容整形ブームのスタンダード化が原因ではないかと、私は思う。そもそも整形技術は医療的な再建目的のもとに、紀元前6世紀の古代インドから存在している。美の追求よりは、元の自分に戻るための手段として知られていた。それが最近では美容ブームの一環として、誰もが普通に整形をする時代に変貌。もちろん高額な費用を用意できれば、の話だけど。
ひょっとすると数年後には整形も、家電からスマートフォンやSNSと進化した様と同じように、ドラマの中で日常化されるかもしれない。その時には演出としてはインパクトが薄れる。今はその変わり目と捉えると、整形で人生を変える演出は“旬”だといえる。今後もテーマとして扱う作品も増えてくるだろう。
さて『リブート』。いよいよ本物の儀堂とニセ儀堂が、直接対決をする。誰が誰を騙しているのか、また頭を働かせながら見届けるとしよう。
(文/コラムニスト・小林久乃)
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