

“叱らない時代”に逆行? 昭和型熱血指導ドラマ『PJ ~航空救難団~』が令和に心を打つ理由
航空自衛隊航空救難団、通称PJ(パラレスキュージャンパー)を目指す沢井仁(神尾楓珠)をはじめとする訓練生たちの奮闘を描いたドラマ『PJ ~航空救難団~』(テレビ朝日系)。今の時代ではお目にかかれない展開ばかりで面白い。
本作では、PJを育てる主任教官・宇佐美誠司(内野聖陽)を筆頭に、教官たちに訓練生がしごかれる様子が毎話映し出されている。教官から顔面にホースで水をぶっかけられながらも中腰姿勢をキープしたり、プールに入って重りを持ちながら顔を出し続けたりと、訓練内容はいずれもハード。さらには、訓練中は教官からの怒号が飛びっぱなし。「叱らない教育」が推進され、なんでも”ハラスメント”と指さされかねない今、ここまで“時代”と逆行した光景が続くと困惑する。
ただ、“ハラスメント”が淡々と描かれていることだけに驚いているわけではない。訓練生もそのことに疑問を持つことなく従っているのが斬新である。教官に歯向かう人、教官の怒号を録音して労働基準監督署に駆け込む下準備をする人、退職代行を使って辞めようとする人などは皆無。理不尽な仕打ちを受け入れながら訓練を乗り越えようとしている。しごきや怒号が常態化しており、それを許容している若者が登場するのだから、本作には面食らいっぱなしだ。
さらには、訓練生と教官との師弟愛も注目ポイントの一つだ。1話では、12年前に雪山で遭難した際に父親を亡くし、自身だけ生き残ったことに罪悪感を覚え、それ以降は「こんな自分が幸せになっちゃいけない」と常に考えている沢井に、宇佐美は「お前の命はお前一人のものじゃない。命を無駄にするな!」という。続けて、強く抱きしめて「1年間死ぬ気で耐え抜いたら、俺が必ず一人前の救難員にしてやる」「だから、お前はお前を許してやってくれ」と声をかけ、沢井が過去の自分を許す第一歩を踏み出させた。
3話では、周囲に弱さを出せない養護施設出身の白河智樹(前田拳太郎)が、宇佐美と相撲を取るシーンがある。宇佐美はその短所を指摘しながら、白河の身体を何度も投げ飛ばす。白河は恥も外聞も捨て、何度も宇佐美にぶつかる。その後、泥まみれになった白河に、宇佐美は「俺たち教官だってな、お前たちのためだけにいるんだ。もっと甘えて良いんだぜ、家族みたいに…よ」と優しく声をかけた。見ているこちらが気恥ずかしくなるくらいの宇佐美の数々のセリフには、どことなく胡散臭さを覚えそうにもなる。
だが、それでも、“時代”を一切意識させない本作の熱量はすごい。その要因となっているのが内野の演技だ。宇佐美は厳しいだけではなく、どことなく茶目っ気もある。いわば隙のあるキャラであるため、理不尽な訓練を強いても嫌な気持ちを抱くことはない。また、暑苦しさも何とも心地よい。内野は一本気な宇佐美の人柄を表現できており、猜疑心が頭をよぎることもない。もはや宇佐美の指導を受けられる訓練生に嫉妬心さえ芽生えた。
また、訓練生役のキャスト陣も、そんな宇佐美の真っすぐさをすかすことなく、正面から受け止た演技を見せているため、純粋に楽しめる。過酷な訓練を懸命に乗り越えようとする姿勢も感じられ、一般的なお仕事ドラマであれば「そんな会社辞めればいいのに」と思いそうなところだが、ついつい応援したくなってしまう。宇佐美ばかりが目立っているが、大山順一(眞島秀和)、仁科蓮(濱田岳)といった他の教官陣も盤石。眞島は落ち着いた役を多く演じているイメージが強いが、しっかりと怒号を飛ばしており、その姿は新鮮で見応えがある。濱田は体格こそ小柄ではあるが、声の通りがとても良く、嫌味っぽく訓練生を煽る姿が様になっている。
同じく教官の中林誠を演じているのがお笑いコンビ・ティモンディの高岸宏行であることは特筆すべき点だ。教官陣の中でも抜群に体格が良く、教官という威厳のあるポジションに説得力をもたせるには十分。また、名門高校の野球部で培ったスキルの一つなのか、高岸の怒号はドスが効いており、濱田とはまた違った圧になっている。なにより、普段はバラエティ番組で「やればできる」と笑顔でエールを送っているものの、作中では声をすごませて「やればできる」という趣旨のセリフを言っているのもギャップがあって新鮮だ。
多様なキャストが演技という形で薪をくべ、本作に熱量を持たせ続けている。今後『PJ』がどのような熱い”時代錯誤”を見せてくれるのか期待したい。
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