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WOLF HOWL HARMONY、「僕たちらしさ」を示したい青春三部作 メンバーの人生から生まれた赤裸々な新曲
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WOLF HOWL HARMONYが7月15日に新曲「ピアス」をデジタルリリースした。2024年5月から、「青春」をコンセプトにした三部作として、3ヶ月連続で配信シングルをリリースしてきたWOLF HOWL HARMONY。その締めくくりとなる新曲について、そしてメンバー自身の人生も反映されているという三部作の制作を経て感じた成長について聞いた。
WOLF HOWL HARMONYの今こそが青春
──最初に「青春」をテーマにした三部作を作ることが決まったときは、どのような気持ちでしたか?
RYOJI もともと三部作を作ると決めていたわけではなくて。今年の僕たちの裏テーマとして、皆さんにWOLF HOWL HARMONYがどういうグループなのかをわかりやすく伝えたいと思っていたんです。デビューしてまだ1年経っていないんですけど、未熟ながら試行錯誤しつつ活動させていただいている中で、僕たちはどう見えているのかを考えたときに、世界での活躍を目指して英語を勉強したり、大きなステージを目指して日々活動したりしている今って、めちゃくちゃ青春だよなと思って。そこで、僕たちらしいものを発信するなら、青春をテーマにしてみたらどうだろうかというところから始まったんです。
──そうだったんですね。
RYOJI はい。で、青春をテーマに制作を進めていく中で、自分たちはどういう人生を送ってきたかを、一人一人赤裸々に話すことになって。そもそも「WOLF HOWL HARMONY」というグループ名はHIROさんが付けてくださったんですけど、僕らはほかの3グループ(LIL LEAGUE、KID PHENOMENON、THE JET BOY BANGERZ)よりも年齢層が高くて、社会人経験があるメンバーもいる。そういう一人ひとりの人生のストーリーが重なり合って、1つのハーモニーを生み出せるようなグループになってほしいという思いが込められている。今回はまさにそういう作り方ができたなと思います。恋愛も含めて学生時代のことも話し合ったし。そこから、恋愛や友情、切なさといったものにフォーカスした三部作が生まれました。
──皆さんの人生を赤裸々に話したうえで、「Pink Flash Lights」「Love Triangle」「ピアス」の3曲が完成したということなので、3曲のなかで特に好きなフレーズや共感できるフレーズをお一人ずつ教えてください。
RYOJI 僕が一番リアルだなと思う歌詞は「ピアス」の「先生ヅラとかダリィ」。
GHEE RYOJIくんっぽい! 思ってそう(笑)。
RYOJI この「ピアス」は大人になる前の、どこにぶつけていいかわからない苛立ちやもどかしさ、根拠のない自信を抱えている難しい学生時代を歌った楽曲。実際に学生の方にはもちろん、僕らと同じ世代の方やもっと上の世代の方にも懐かしみながら聴いていただきたいと思っています。学生に限らず、仕事している人も「ダルいな」って思うことあると思うんですよ。だから僕らがそう歌うことで、「僕も、私も『ダリィ』って思っていいんだな」って思ってもらったり、気持ちを代弁することで少しでも味方になれたらと思って、ここはすごく思いを込めました。
GHEE レコーディングのとき、「ダリィ」の部分に時間かけてたもんね。
RYOJI そうそう。何度も録り直しました。一番スカッとするところにしたかったですし、僕の歌い方を真似してもらったりしても面白いかなと思って。一番お気に入りの部分です。
GHEE 僕は「ピアス」で、自分が歌っている「1, 2, 3でかき鳴らして 不自由だって騒ぎ散らして Can we rock and roll tonight…」のところ。10代後半って、苛立ちとか葛藤とか、どうすればいいかわからない感情がたくさんあると思うんですけど、今夜はロックンロールして一旦忘れようぜという歌詞。僕自身ロックが好きなので、気持ちがすごくよくわかるなと思って。
──GHEEさんにとってのロックも、この歌詞の通り、モヤモヤする気持ちや葛藤を吹き飛ばしてくれる存在でもあった?
GHEE そうですね。僕はロックとヒップホップが好きなんですけど、ロックもヒップホップも感情を爆発させている音楽。僕自身もそういう歌い方が自分に合っていると思っていたんですけど、そう考えると、音楽を聴いたり歌ったりして感情を爆発させることが、自分にとっての逃げ場だったのかなと。
──まさに「ピアス」のメッセージのような感覚ですね。
GHEE はい。だからこの曲の、しかもこのパートを歌えるのはすごくうれしかったです。ロックという、自分の中にはあったけど、グループとしてはあまり見せてこなかった一面を見せられるのもうれしかったです。
うまく歌うよりも、感情的な表現がしたい
SUZUKI 僕も一番共感できるのは「ピアス」になっちゃうんですけど……「チャリ立ち漕ぎで海に 語り合い さめない夢を泳いでる」です。僕は沖縄出身なので、まさに学校終わりにしていたことなんですよ。チャリ立ち漕ぎで海に行って、日が暮れるまで友達と語り合って。そのあとの「クラッシュのジーンズ腰ばきで 落書きみたいな歌唄って」のところもまさにで。でっかいデニムを超腰パンで履いて、自分らで適当に作った歌を歌っていた。何とも言い難い感情、まとまりきらないいびつな感情をただただ吐き出したいという気持ちで発信していた時期だったので、すごく共感できます。
──この曲を歌う上で意識したことはどんなことですか?
SUZUKI うまく歌うことよりも、感情的な表現がしたいと思っていました。聴いた人が「うまい」と思うよりも「わかる」とか「伝わる」って思ってくれたらうれしいなと思って。普段だったら「ここビブラートをかけるだろうな」と思うところも、ビブラートかけずにわざと荒く歌ったり、感情的になったからこそ声がちょっと揺れたり震えたところもそのまま活かしたり。歌というより、叫びに近い部分もあると思います。
HIROTO 僕も「ピアス」で言ったら「集合は駅前のコンビニ チャリ立ち漕ぎで海に」のところで。僕はEXILE TRIBEの一員になるという目標を持ちながら学生生活を送っていたんですが、同じように夢や目標を持っている友達と、朝まで夢を語り合って、朝方コンビニ前でたむろしてカップラーメン食べて……みたいなことをしていたんです。アーティストを目指して頑張っていたけど、アーティストって狭き門だし、誰もがなれる職業ではない。だから不安も葛藤もあったんですけど、その不安を忘れるくらい、学生生活が楽しかった。その不安や楽しさも相まったものが青春なのかなと思います。
──歌う上ではどのようなことに気をつけましたか?
HIROTO それこそ自分の学生時代を思い出して、声質や歌い方は意識せず、当時の思いを込めることだけを意識して歌いました。だからこそ出た荒さなども感じてもらえたらうれしいです。あの……もうひとつ、好きな歌詞があるんですけどいいですか?
──もちろんです。
HIROTO 「Love Triangle」の「いいヤツでいたいけど 友情を裏切るのは君のせい」です。学生の頃、僕自身も三角関係を経験したし、友人から相談されたりもしたんですけど、恋愛を取るのか友情を取るのかって究極の選択じゃないですか。学生だったので、言ってもかわいい恋愛ですけど、それを考えている時期はすごく苦しい。でも今振り返ると、その苦しさも青春の1ページになっているので、素敵だなと思って。この歌詞もすごく好きです。この曲は大人っぽくなりすぎず、でも子供っぽくもなりすぎずということを意識しながら歌いました。
三部作の制作からそれぞれが得たもの
──三部作の制作を経て、グループやご自身が特に成長したなと思う点や得たものは何ですか?
RYOJI 僕は歌ですね。まだ未熟ですけど、少なくとも選択肢が増えたかなと。変な言い方ですけど、下手に歌うというか……、自分の中で下手に歌ってみようと思ったんです。それは、下手に聞かせたいということではなくて、いつも歌うときは細かいことまで考えてしまうんですけど、一旦、いろいろなことを考えずにしゃべるように少し粗く歌ってみたんです。そしたら制作チームの方々が「そっちのテイクのほうがいいじゃん」「すごく伝わる」と言ってくださって。
──正しく歌うとか、綺麗に歌うとかだけじゃないと。
RYOJI はい。それまで「ここはビブラートだ」とか「ここはアタックだ」とか、なんとなく自分のなかでスタイル化していたんですけど、そうじゃないのかもしれないと思って。三部作のレコーディングではたくさん歌い直しました。ちょうどその時期、日本語をしっかり伝えるアーティストの音楽を聴くことが多かったので、気づくべくして気づくところだったのかなと思います。
HIROTO 僕は「自分の歌がこうだ」というものが明確になってきたかなと思います。ハイトーンボイスが強みだということは最初から言っていたんですけど、どこかで自分に言い聞かせていた部分もあった。だけど、今回タイプの違う3曲のレコーディングをさせていただいて、自分のキャラを生かした歌い方ができたし、納得いく内容にできた実感がある。それだけじゃなく、以前は自分の歌を磨くことに精いっぱいだったんですけど、そのパートの前に歌っているメンバーの良さを引き出すにはどう歌えばいいかということも考えられるようになったし、徐々に“自分の歌”というものを築き上げられている実感があります。
GHEE 僕は2作目の「Love Triangle」あたりから、自分の新しい表現を見つけようと意識し始めて。ディレクションで言われていることに対しても今まで以上に理解を深めていったんです。そしたら3作目の「ピアス」で、自分の得意なものを表現しつつ、さらに成長することができた実感があって。今回の三部作で、自分になかった引き出しを作ることができたかなと思います。
──自分の新しい表現を見つけようと模索し始めたということですが、それはどうしてですか?
GHEE これは言っていいのかわからないんですけど……「Pink Flash Lights」の自分の歌い方に納得がいかなかったんです。レコーディングのときは全力を出したつもりだったんですが、完成したものを聞いたときに、自分の歌がなんかつまらないなと思ってしまって。言われたことの通りにはできているんだけど、はみ出してないというか……。
RYOJI GHEEちゃんは不器用なところがあるんですよね。今自分でも言っていましたけど、「言われたことを聞きすぎてつまんない」とかはまさにそう。自由に泳いでいるときのほうが良さが発揮されるから、歌割りにはいつもすごく悩みます。どこだったら自由に泳げるかなって。自由に泳いでくれたほうが、本人にとってもグループにとっても良いので。
GHEE 良く言うと真面目すぎるんですよね。
RYOJI ずいぶん良く言ったね(笑)。頑固なだけなのに(笑)。
GHEE あはは(笑)。でも自分でも「言われた通りに歌うんじゃなくて、もっと自由に泳ぎたいな」と思い始めたのが「Love Triangle」のあたり。そこからすごくよくなったなと思います。僕以外の3人はきれいに歌うのが得意なんですけど、僕はそれよりも感情を乗せるほうが得意。だったらそこを、グループとしてはみ出さない程度に伸ばしていったほうがいいかなと気付きました。
SUZUKI 最初にRYOJIが言ったように、この三部作を作るにあたって、自分たちの思いや、どういうことを表現したいかということを、プロデューサー陣に話させていただいんですが、それが実際に楽曲に反映されたことで、より楽曲に僕たちの思いが乗っかったなと感じて。実際に思い浮かんだフレーズをLINEで送らせていただいたりもしたんですが、実際にそれが楽曲に反映されたことで、僕らの思いもさらに強くなった。制作の段階から関わっていくというのが、これから先のWOLF HOWL HARMONYの形になっていくのかなとグループの可能性を感じました。これからもっと関わっていけるように、スキルアップしていきたいなと思っています。
──今後、メンバーが作詞を手掛けることもあるかも?
SUZUKI はい、やりたいですね。
先輩との念願の共演に感慨
──三部作のリリースを経て、8月には「BATTLE OF TOKYO 〜Jr.EXILE vs NEO EXILE〜」でLDHの先輩たちと競演します。
GHEE HIROTOの念願です!
RYOJI 成功したオタクだよね。
HIROTO はい! 僕は学生の頃から「BATTLE OF TOKYO」を友達と観にいっていたので、そこにWOLF HOWL HARMONYとして出演させていただけるということは本当に夢のようです。しかも今回は、中島颯太さん(FANTASTICS)という、ずっと一番応援させていただいてきた先輩と2人でオリジナル曲を歌わせてもらうので。
──「憧れていた」ではなくて「応援していた」と表現するところにファン心を感じますね(笑)。
HIROTO はい! 応援してきました!
RYOJI 「ドリームマッチ」ってこういうことを言うんだろうね。
HIROTO あんなに大きなステージで、中島颯太さんと2人でパフォーマンスさせていただけるなんて……本当にありがとうございますという気持ちです。僕の持っている力を全部出し切ってパフォーマンスできるように8月までめちゃくちゃ準備します。グループとしては、PSYCHIC FEVERさんとコラボさせていただきます。異色のコラボですが、だからこそ楽曲やパフォーマンスの魅力をしっかり見せて、LDHの外にまで広めていけるように頑張ります!
■取材・文/小林千絵
撮影/友野雄
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