令和ロマン

ストップ・ザ・令和ロマン、逆風の「ABCお笑いグランプリ2024」で魅せた“王者”の強さ

2024.07.09 12:04
提供:ENTAME next

ストップ・ザ・令和ロマン──。昨今のお笑い界にうっすらと浮かんでいた合言葉が明瞭に見えてきたかもしれない。7日に行われた「第45回ABCお笑いグランプリ2024」では令和ロマンにとってアウェーの空気感が漂っていた。

最大の理由は言うまでもなく、昨年の『M-1グランプリ2023』。漫才師にとって一番の名誉であり、芸人にとって世に出る最大の“近道”であるM-1グランプリ決勝に令和ロマンは出場し、わずか6年目で優勝を果たした。

そんな中で決断したのが今年のABCお笑いグランプリ出場。本大会は、芸歴10年目以下の芸人で争われる賞レースで、若手芸人の登竜門として機能しているだけに、漫才師の頂点に立った令和ロマンの出場は大きな波紋を呼んだ。実際、6月初旬に準決勝進出者が発表された時、史上初めてM-1王者が参戦していることが明らかとなり、メディアがこぞって報じたのは記憶に新しい。

それから令和ロマンは逆風の中を突き進んだ。つい数か月前には、彗星のごとく現れたニュースターとしてもてはやされながら、今大会での扱いはまるで“アンチヒーロー”。本人たちも「害悪」と表現し、審査員のダイアン・ユースケもCブロック開始前に「みんなが令和ロマンを倒しに来ているというか、この中で令和ロマンがどんなネタを見せてくれるのか凄い楽しみにしています」とハードルを上げた。

だからこそ、令和ロマンの立ち振る舞いは巧みだった。ファーストラウンド終了後にはボケの高比良くるまが「M-1グランプリ2023王者としてこの場に立たせてもらいましたが、実に面白い大会じゃないですか!」と見事な“ヒールボケ”を披露。出演前のVTRで王者が散々強調されていた影響もあるが、平場での最初のボケで令和ロマンはこの大会での自分たちの立ち位置を明確にした。2人が全員の敵となり、フースーヤを中心とした周囲の芸人から野次を飛ばされていたが、それさえも令和ロマンが場をコントロールしているかのように見えた。

もちろん、それだけで優勝できるほどABCお笑いグランプリは甘い大会ではない。とりわけ今年は粒ぞろいで、天才ピアニストやフースーヤといった関西のタイトルホルダーに加え、東京で令和ロマンと切磋琢磨する金魚番長やエバースといった実力者も出場者として名を連ねていた。それだけに追うものたちを蹴散らした“王者”の問答無用の強さに触れないわけにはいかない。

決勝で見せた2本のうちファーストステージのネタは昨年のM-1グランプリ準決勝ですでに行っており、今大会でも審査員からは「王者の風格が漂っているし、M-1グランプリ決勝のネタよりも面白い」と評価された。そして、2本目は今年から各ライブで試している、漫画『HUNTER×HUNTER』をオマージュにしているかのような松井ケムリの“実家ネタ”に。「違うテイストで勝負したかった」(くるま)というネタには絶妙なフィクションあるあるが詰め込まれ、かつ令和ロマンらしさも失うことなく、悲願のタイトルを2人にもたらした。

“悪者”を自認するくるまは「今回は主催者側や芸人からするとバッドエンドになってしまいましたね」と話したが、個人的には令和ロマンを倒すべき相手や悪役として見るのは違和感がある。彼らはただひたすらに笑いに従順で、ABCお笑いグランプリに出場を決めた理由は「準優勝、準優勝で出ないで終わるのもなと思った」というただそれだけ。2年連続で準優勝に終わり、悔しい思いをしたからこそ、優勝を決めた直後のくるまの「いざ優勝したらめちゃくちゃうれしいです!」という言葉には真実味があった。

このさき令和ロマンがどのような道を歩んでいくのか興味は尽きないが、ひとつ確かなことがあるとすれば、今年もM-1グランプリに出場するということ。くるまは「勝負が好きなんですよね。出られる大会がある限りは出たい」と前人未到の連覇への思いを語る。

誰が令和ロマンを止めることができるのか。今年も上半期を終えたところだが、年末までお笑い界の楽しみは尽きない。

関連リンク

関連記事

  1. SKE48 古畑奈和、「自分は誰かの役に立てている」10年突き進んだ"アイドル"という職業
    SKE48 古畑奈和、「自分は誰かの役に立てている」10年突き進んだ"アイドル"という職業
    ENTAME next
  2. 美女コスプレイヤー・蒼猫いな、フェチ感じる衣装で美スタイル完全解禁【写真10点】
    美女コスプレイヤー・蒼猫いな、フェチ感じる衣装で美スタイル完全解禁【写真10点】
    ENTAME next
  3. 10年ぶりの写真集、中川翔子「過去最大の露出に挑戦したきっかけは江頭2:50さんの一言」
    10年ぶりの写真集、中川翔子「過去最大の露出に挑戦したきっかけは江頭2:50さんの一言」
    ENTAME next
  4. 中川翔子、すべてを出した10年ぶり写真集を語る「血管を褒められる体験は初」
    中川翔子、すべてを出した10年ぶり写真集を語る「血管を褒められる体験は初」
    ENTAME next
  5. 桃月なしこ、話題のフォトスタイルブックからナチュラルな白ランジェリーショット公開
    桃月なしこ、話題のフォトスタイルブックからナチュラルな白ランジェリーショット公開
    ENTAME next
  6. 似鳥沙也加、まん丸バストを置きパイした泡風呂グラビアに「キュンが止まらない」
    似鳥沙也加、まん丸バストを置きパイした泡風呂グラビアに「キュンが止まらない」
    ENTAME next

「音楽」カテゴリーの最新記事

  1. 13周年を迎えたHKT48が全メンバー出演の記念コンサートを開催「また新しいHKT48をつくっていきたい」
    13周年を迎えたHKT48が全メンバー出演の記念コンサートを開催「また新しいHKT48をつくっていきたい」
    ENTAME next
  2. 中島健人×キタニタツヤ“GEMN”「THE FIRST TAKE」初登場「僕らの最大出力をみなさんに」
    中島健人×キタニタツヤ“GEMN”「THE FIRST TAKE」初登場「僕らの最大出力をみなさんに」
    モデルプレス
  3. 櫻坂46、10thシングルBACKSメンバーによる「BACKS LIVE!!」生配信決定 上村莉菜と齋藤冬優花の卒業セレモニーも
    櫻坂46、10thシングルBACKSメンバーによる「BACKS LIVE!!」生配信決定 上村莉菜と齋藤冬優花の卒業セレモニーも
    WEBザテレビジョン
  4. Hey! Say! JUMP、全349曲サブスク解禁「eek!!」MVも公開【配信楽曲一覧】
    Hey! Say! JUMP、全349曲サブスク解禁「eek!!」MVも公開【配信楽曲一覧】
    モデルプレス
  5. 『WEST. 10th Anniversary Live W -Film edition-』デビューからの10年間を表わす漢字で七人の絆を再確認!「この七人で良かった!」
    『WEST. 10th Anniversary Live W -Film edition-』デビューからの10年間を表わす漢字で七人の絆を再確認!「この七人で良かった!」
    WWS channel
  6. HYDE、SEVENTEEN・バーノンとの交流に驚きの声「HYDE様×セブチが繋がるなんて…!」「夢のコラボ」
    HYDE、SEVENTEEN・バーノンとの交流に驚きの声「HYDE様×セブチが繋がるなんて…!」「夢のコラボ」
    WEBザテレビジョン
  7. INI 全国のファンと絆を深めた3カ⽉間!ファンコンツアー『FLIP THE CIRCLE』After Partyを含む全公演を完⾛!【レポート】
    INI 全国のファンと絆を深めた3カ⽉間!ファンコンツアー『FLIP THE CIRCLE』After Partyを含む全公演を完⾛!【レポート】
    WWS channel
  8. 純烈、初の日本武道館公演で7,000人のファン熱狂! サプライズゲストでダチョウ倶楽部も登場!
    純烈、初の日本武道館公演で7,000人のファン熱狂! サプライズゲストでダチョウ倶楽部も登場!
    WWS channel
  9. 【動画】新世代のJ-POPガールズグループ・2FACE、2ndデジタルシングル『MONALISA』をリリース<オフィシャルインタビュー>
    【動画】新世代のJ-POPガールズグループ・2FACE、2ndデジタルシングル『MONALISA』をリリース<オフィシャルインタビュー>
    WWS channel

あなたにおすすめの記事