アメリカ人が大好きなゴジラとコングが大暴れ!開き直った怪獣ファーストな物語『ゴジラxコング 新たなる帝国』
「モンスター・ヴァース」の最新作となる映画『ゴジラxコング 新たなる帝国』が現在公開中だ。世界中から注目が集まる今作の見どころは!? 映画ライターのバフィー吉川が解説する。
ゴジラとキングコング……。
アメリカ人が大好きな怪獣が盛りだくさんというのだから、お祭り騒ぎになるのは、もはや仕方ないと思わせてくれる。つまりそんな作品であり、前作の『ゴジラvsコング』(2021)で、ゴジラとコングの関係性がある程度描いていたこともあり、今作は始めからテンションの高い作品となっている。
今作は「ゴジラ」生誕70周年記念作と共に、「モンスター・ヴァース」10周年記念作でもあることから、より一層お祭り感は増しているのかもしれない。
一時期は制作会社がレジェンダリー・エンターテインメントと、同じことから、「パシフィック・リム」シリーズとも繋がるかもしれないといわれていたが、結果として、それは実現しなかった。しかし、コミックではパワーレンジャー(戦隊ヒーロー)やジャスティスリーグとも共演するなど、フットワークの軽さもみせており、どこに飛び出してきても、何が飛び出してきても、違和感がないほどに様々な媒体で暴れまわっている。
少し冷静になって考えてみると、「モンスター・ヴァース」とはそんな趣旨の作品だったのだろうか……。という疑問がよぎる人も多いのではないだろうか。
1作目『GODZILLA ゴジラ』(2014)は、人間ドラマをメインとした作品だったのに対して、続編になるにつれて人間の存在感は薄くなっており、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)の作中で渡辺謙が「人類がゴジラのペットなのです」と言っていた通り、正にその状態となった世界が展開されている。
ドラマ部分に関しては、Apple TV+で配信されているドラマ「モナーク: レガシー・オブ・モンスターズ」などで補おうとしているものの、映画に関してはお祭り騒ぎ重視になってきてしまっており、世界規模で議論されてきた人間と怪獣の距離感は、もはや「仕方ない」ということで着地してしまっている。
開き直ったことにより、怪獣たちのバトルというより、プロレスを中心とした構成が可能となったことから、ドウェイン・ジョンソン主演作『ランペイジ 巨獣大乱闘』(2018)を越えて、怪獣プロレス映画というひとつのジャンルを確立したともいえる。
ゴジラといえば『ゴジラ-1.0』の海外ヒットや米アカデミー賞受賞も記憶に新しく、そもそもアメリカがゴジラでどれほど人気なのかという疑問を持つ人も多いかもしれないし、ゴジラ愛は日本人の方が強いと思われているかもしれないが、実はゴジラ愛に関しては、アメリカも同様。というよりもアメリカの方が高いのかもしれない。
その理由は、記念すべき1作目『ゴジラ』(1954)自体が、アメリカでも1956年に公開されており、その後も作品によっては劇場公開の有無はあったとしても定期的に作品を観る環境があった。またそれに加えて、近年ではコミックシリーズが何度も出版されていることもあり、アメリカの子どもが大人になるまでの間、常にゴジラが近くにあるという環境ではあるのだ。
日本でも翻訳版が出版されているジェレミー・ロビンソンやマット・フランクによるアメコミ版を見ても、日本に負けないどころか一般層が知にないほどにマニアックなネタも入っており、ゴジラ愛に満ち溢れていることが痛いほどわかる。
そしてキングコングも同様。そもそもゴリラのキャラクターは、全般的にアメリカでは人気が高く、様々なコミックや映画などで力強いゴリラのキャラクターが描かれてきたが、キングコングはそのなかでも格別。
今作の場合は、どちらかというとゴジラよりも、コングにとっての自分探しの物語がメインとなっていることもあり、ゴリラ同士の会話シーンが多いのだが、何より凄い点は、会話に字幕など存在しないというのに、何を言おうとしているのかがわかること。その点では、モンスター・ヴァース版「猿の惑星」と言っても過言ではないし、VFX技術の進歩を改めて感じさせる。
さらにはアメリカ人の好きなゴジラ怪獣上位のモスラが再登場する。今作では『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)で批判されたデザインとカラーリングも、日本テイストに改善されるなど、徹底して全世界の怪獣ファンのために良くしていこうという、細部にいたる怪獣ファーストな姿勢には感動すら覚える。
前作のメカゴジラを相手としたゴジラとコングのタッグバトルも凄かったが、今作ではさらにスケールアップ。そんなクライマックスを観るだけでも意義のある作品だといえるのだ。
今後この「モンスター・ヴァース」シリーズが、いったいどこに向かっていくのだろうかという不安はある。しかし、まだまだ怪獣プロレスは観ていたいという欲求も植え付けられることから、不安と期待が入り混じった複雑な気持ちになって劇場を後にすることになるかもしれない……。
【ストーリー】怪獣と人類が共生する世界で、未確認生物特務機関:モナークが察知した異常なシグナル。交錯する<地上世界/ゴジラテリトリー>と<地下空洞/コングテリトリー>。ついに一線を越える<王(ゴジラ)>と<王(コング)>の激突のその先には、我々人類が知る由もなかった未知なる脅威が待ち構えていた。「vs」ではなく「x」、そして[新たなる帝国]が意味するものとは?世界は今、目撃する……。
【クレジット】[出演]レベッカ・ホール、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ダン・スティーブンス、カイリー・ホットル、アレックス・ファーンズ、レイチェル・ハウス、ハウス・チェンほか[監督]アダム・ウィンガード[脚本]テリー・ロッシオ ジェレミー・スレイター サイモン・バレット[製作]レジェンダリー・ピクチャーズ ワーナー・ブラザース©2024 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.公式HP:https://godzilla-movie.jp/
関連記事
-
SKE48 古畑奈和、「自分は誰かの役に立てている」10年突き進んだ"アイドル"という職業ENTAME next
-
美女コスプレイヤー・蒼猫いな、フェチ感じる衣装で美スタイル完全解禁【写真10点】ENTAME next
-
10年ぶりの写真集、中川翔子「過去最大の露出に挑戦したきっかけは江頭2:50さんの一言」ENTAME next
-
中川翔子、すべてを出した10年ぶり写真集を語る「血管を褒められる体験は初」ENTAME next
-
桃月なしこ、話題のフォトスタイルブックからナチュラルな白ランジェリーショット公開ENTAME next
-
似鳥沙也加、まん丸バストを置きパイした泡風呂グラビアに「キュンが止まらない」ENTAME next
「音楽」カテゴリーの最新記事
-
橋本祥平、石川凌雅、松島勇之介、坪倉康晴によるドリームバンド“4COLOURS” 再結成ライブの独占配信決定WEBザテレビジョン
-
世代を超えて愛される竹内まりや ミッツ・マングローブ、Rei、eillが語りつくす“竹内まりやが輝き続けるワケ”WEBザテレビジョン
-
橘ケンチとAKIRA(EXILE)が福井の美食をPR!【オフィシャルレポート】WWS channel
-
アンジュルム・川村文乃卒業公演開催!アンジュルムでの活動は「たくさんの愛を教えてくれた」WWS channel
-
Snow Man・Number_i・MISAMO・乃木坂46ら「Mステ SUPER LIVE 2024」第1弾アーティスト発表 6時間超え生放送モデルプレス
-
KOTOKO、中川翔子ら出演「ANIMAX MUSIX 2024 FALL」、約7時間に及ぶライブ全編の見逃し配信がスタート<Lemino>WEBザテレビジョン
-
山崎育三郎が幾田りらとコラボ!美しい歌声に会場中がトリコに!<THIS IS IKU 2024 日本武道館>WWS channel
-
ABEMA「チャンス学校チェンジ科」から新ガールズグループ「CHANCE GALs(チャンスガールズ)」誕生モデルプレス
-
アラン・ウォーカー「フェイデッド」後も進化し続ける魅力とは?来日公演開催モデルプレス