

『葬送のフリーレン』が教えてくれる、コスパ最悪・非合理的な経験の大切さ
10月に入って秋アニメが続々と放送を開始している。中でも注目度が高いのは『葬送のフリーレン』(日本テレビ系)。原作の同名漫画は、第14回マンガ大賞、第25回手塚治虫文化賞新生賞受賞作など華々しい実績があり、満を持してのアニメ化となった。原作の人気がすごいことだけではなく、初回放送が金曜ロードショーでの2時間スペシャルだったこともその注目度に拍車をかけた。早くも秋の”覇権アニメ”の呼び声が高い本作ではあるが、ストーリーの面白さが人を引き付ける一番の要因になっていることは間違いない。
本作は魔王を倒した勇者パーティーのその後を描いたストーリー。勇者ヒンメル、僧侶ハイター、戦士アイゼン、魔法使いフリーレンの4人からなる勇者パーティー4人は10年にも及ぶ長旅の末に魔王を倒して世界に平和をもたらす。パーティーは解散となり、50年後に流星群を見るために再開。フリーレンは寿命が1000年以上はあるエルフのため見た目はほとんど変わっていない。その一方で、他3名は年老いており、しばらくしてヒンメルが亡くなる。ヒンメルの葬儀でフリーレンはヒンメルについて知ろうとしなかったことを後悔。そこから魔法収集だけでなく人間を知るための旅を始める。
それから20年後、老衰したハイターのもとを訪れるフリーレン。そこでハイターから戦争孤児の少女・フェルンを弟子にすることをお願いされ、渋々ではあるがフリーレンは了承する。ハイターを看取った2人は旅に出る、というもの。
基本的にはフリーレンが勇者パーティーの面々との思い出を振り返りながらストーリーが展開される。フリーレン自身の回想パートでは、フリーレンは合理的な価値観を強く持っているため、どこか冷めた言動が目立つ。旅を終えた後に4人が話している時、フリーレンが1人で旅を続けることを口にした際、アイゼンから「弟子をとったりしないのか?」と聞かれると、「時間の無駄だからね。いろいろ教えてもすぐに死んじゃうでしょ」と答えていた。
ただ、フェルンと旅している現在は、ヒンメルやハイターとの別れを経験したことを受け、ヒンメルをはじめ亡くなった人達だけではなく、フェルンについても知ろうとする“非合理的”な部分が見られる。3話では「私はフェルンのこと、何もわからない。だから、どんなものが好きなのかわからなくて」と言いながら、フェルンに誕生日プレゼントを渡すシーンもあどけなさがあって可愛い。過去と現在での心境の変化が対比となり、フリーレンの成長が見られる点はとても微笑ましい。そんなフリーレンの姿を見ていると、ただただ一緒にいるだけではその人のことを知ることはできず、「その人を知ろう」と思わなければ本当にその人を知ることが難しいのだと気づく。また、誰かとコミュニケーションをとったり、何かを一緒に体験したり、その人について思いを馳せたりなど、1円にもならないコスパ最悪な営みこそが人間らしさを作っているのかも、ということもついつい考えてしまう。
フリーレンとフェルンの師弟関係も魅力的。フリーレンは結構だらしない性格をしているため、フェルンが朝起こしてあげたり髪を結ってあげたりといった親のような役割を担う。また、フリーレンがフェルンとのやり取りを通して、かつて旅を共にしていたヒンメル達の言葉を思い出し、それらが何を指していたのかを理解していくシーンは胸が熱くなる。
4話では勇者パーティーで訪れた中央諸国グランツ海峡にやってきた2人。ここの村では「新年祭」に一緒に日の出を見る習慣があり、ヒンメルから4人で日の出を見るこを提案される。しかし、フリーレンは「ただの日の出」と考えて行かなかったが、その時のことが引っかかっていたため、今度こそはと日の出を見ようとする。結果的には「ただの日の出」だったが、フェルンと一緒に見たことで、3人がなぜ4人で日の出を見たがっていたのかを知った。
「師は弟子を育て、弟子は師を育てる」とはいうが、どちらもお互いのことを知っていく中で、成長をしていく姿はまぶしい。今後も2人がどのようなコスパの悪い経験を通して前に進んでいくのか楽しみにしたい。
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